93歳の現役バーテンダー

93歳の現役バーテンダー

93歳のバーテンダー井山計一さんは、山形県酒田市でその名を知らぬ人を探すのが難しいほどの有名人です。

参考 93歳現役バーテンダーの現在「終活なんて僕には意味不明」日刊ゲンダイ

井山さんが終活について問われた時のコメントを紹介します。

死ぬの生きるの、僕は一切考えない

特にないです。死ぬの生きるの、僕は一切考えない。何より“今日”が大事なの。毎朝起きるとまずは外の景色見て、『ああ、今日は何か面白いこと起きないかなあ』って願ってます。そしてズボンのポケットに昼ごはん代を入れて、『どこの店のランチを食べようかな』って考えると楽しくてね。

「ああ、今日は何か面白いこと起きないかなあ」と願いながら日々を過ごすような生き方をほとんどの人はしていないでしょう。多くの人はもっとお金がほしいのにお金が手に入らないとか、人間関係で悩んでいるとか、何かしらの「壁」を乗り越えるために毎日を過ごしているはずです。

「壁」を乗り越えられないあなたは「壁」にネガティブなイメージをもっているでしょうが、実はその「壁」はポジティブなものでもあるのです。え??と驚いた方もいるでしょうが、実は「壁」をひょいひょい乗り越えていく人にとっては、壁を乗り越えた後の「平坦な日常」こそが、地獄だったりします。もう少し嚙み砕いて説明します。

平坦な日常という地獄

わたしの場合、借金に追われていた時のは日常に充実感がありました。(「住宅ローンの返済をするために頑張らないと・・」と思っている人もいるのでは?)

しかしがむしゃらに働き、借金を返済し、「今日働かなくても誰も困らない」という状態になってわたしを待っていたのは「平坦な日常」という地獄でした。

「朝起きてお前は何をするのか?」ということを毎日毎日自問自答する毎日が1か月ほど続いたのちに、鬱っぽくなっている自分を自覚しました。その時はじめてわたしは、毎日朝早起きしてとりあえず出勤し好きでもない上司の顔色をうかがっているほうが「よっぽど楽」だと自覚したのです。

壁に頼らない生き方を

日常を楽しむために何かしらの壁やイベントを用意するというのも一つの工夫ではあることは確かです。

ニューヨーク流自分を魅せる力ニューヨーク流自分を魅せる力 ~ 退屈な日常を前向きに生きる

しかし何もない平坦な日常に「幸せ」を発見する生き方のほうが、断然、効果的なのです。なぜならば壁はいずれなくなるし、イベントによる刺激にもいずれ慣れてしまうからです。外部刺激に頼るよりも、自分の「内側」にある感受性を発達させるほうがずっとコスパがいいし確実なのです。

これから日本がどんどん貧乏になって先行きが真っ暗になった時に、それでも楽しそうに生きることができるのは、井山さんタイプの人間です。従来のような「勝ち組」、「負け組」コミュニケーションで勝ち組になることで「幸せ」を掴むことのできる人間は、日本国民全体のほんの一部でしょう。