オレオレ詐欺がなかなか下火にならないのは、詐欺に引っかかる人がいるからです。加害者がいるから被害者もいるのですが、被害者がいるから加害者もいる・・・というのもまた真実なのです。
同様に「●●したら幸せになれる」という人がいるのも、「どうすれば幸せになれるのか?」と悩んでいる人がいるからです。わたしは「●●したら幸せになれる」などと、うそぶく人たちを絶滅させたいと思っています。
「●●したら幸せになれる」などと、うそぶく人たちを絶滅させるためには、あなたが幸せになって「どうすれば幸せになれるのか?」などと考える暇すらなくなることが、もっとも効果的な方法だと思っています。どうすればそんなことが実現できるのでしょうか?
ほとんどの人にとって幸せとは、思い通りに生きることではありません。思い通りに生きない代償として、経済的にあるいは社会的に報われることが『幸せ』であると無意識に信じてしまっているのです。
事実、「●●すれば幸せになれる」とアドバイスする人は、あなたが「いつか」幸せになれるといいます。そしてあなたが諦めそうになると、「結果」を出すためには今は歯を食いしばって頑張るときだと、あなたを元気づけようとするでしょう。
しかしわたしのアドバイスは真逆です。
「いつか幸せになれる」ことに執着するのはやめて、「今幸せになれる」ことに集中しよう。「今幸せになれる」ことに集中すれば、歯を食いしばって頑張る必要もないし、「どうすればいいでしょうか?」と質問する暇もなくなります。
あなたはこのアドバイスをどう受け止めたでしょうか?
「今幸せになれることに集中せよ!!」とアドバイスすると、きっと「今幸せになれることが見つからないから困っているのですが?」とか、「人生は楽しいことばかりではないですよね?」と反論したくなるかもしれません。
そこで誤解を解くために、「今、幸せな生き方」についてもう少し詳しく説明しておきたいと思います。
ちょっと想像してみてください。明日は待ちに待った旅行の初日です。行き先はハワイ。大自然と美味しい食事があなたを待っています。どうでしょうか?もし本当に明日から旅行にいけるなら、「今」、楽しいのではないでしょうか?
旅行をした経験のある人はその時のことを思い出してください。旅行のための準備はそれなりに大変なはずですが、旅行のために必要なあらゆる準備だって苦痛に感じなかったのではないでしょうか??
むしろ他人から「旅行にいくな!!飛行機が墜落するかもよ?」などとネガティブなことをいわれても、あなたは準備をやめなかったのではないでしょうか?
そう。もし本当に心の底から実現したいこと(例:旅行)があって、それが現実に起こると確信することができたら(例:明日から旅行)、旅行は明日からのはずなのに「今」の時点ですでに幸せな気分にひたれるのではないでしょうか?「どうしたら幸せになれるのか?」という質問すら頭に浮かばないのではないでしょうか?
そう。『本当に心の底から実現したいこと』があって、それが『現実に起こると確信する』ことができたら、今やるべきことがわからないということはないでしょうし、やるべきことをやっている今この瞬間に幸せを感じることができるだけでなく、ものすごいパワーを発揮することができるのです。例えば・・・
昭和の時代にテレビ番組や漫画『空手家バカ一代』で有名になった大山倍達(おおやま ますたつ)氏は、空手初といわれる数々の実績を残した人物です。
例えば『牛を素手で倒す』などの実績がありますし、『ビール瓶の首にあたる部分を手刀でスパッとはねる』などの技をはじめて公開したのも大山倍達氏の実績です。
大山倍達氏はビール瓶割りの技をどうやって身につけたのでしょうか?
大山倍達氏が20代半ばの頃、東京・新宿で飲んでいるときにヤクザの集団ともめごとが起こりました。機先(きせん)を制することが一番だと考えた大山倍達氏は、ビール瓶を思い切り叩き、ヤクザものたちを一喝したのです。
大山倍達氏のあまりの剣幕にヤクザものたちも矛を収めその場は事なきを得たのですが、大山倍達氏はとり散らかったコップや酒瓶のなかに、首の部分が何かで切り落とされたようにスパッととれているビール瓶を発見しました。
その時大山倍達氏は「空手でビール瓶の首をはねることができる」と思い立ったのです。そしてこのエピソードには後日談があります。
大山倍達氏はその後、ビール瓶割りを再現しようと修練に励んだのですが、ビールのガラス瓶はなかなか思うようには割れてはくれません。
そこで大山倍達氏が弟子たちの前でデモンストレーションする際には、あらかじめビール瓶にキズをつけて、あたかも手刀の一撃でスパッと割れたように見せていたというのです。
もちろんキズがついていたとしてもガラス瓶の首をスパッと割るなんてことは誰にでもできることではないのですが、面白いのは「内緒の話」ではなく、弟子たちの反応のほうです。
大山倍達氏がビール瓶の首を手刀でスパッと割るデモンストレーションを目撃した弟子たちは、これぞ空手の真髄だと驚き「極真空手にはそれができる」と信じたのです。
するとなんと・・・弟子たちは手刀の一撃によって、何の細工も加えていないビール瓶の首を、本当にスパッと落とせるようになってしまったのです!!!
大山倍達氏とその弟子たちのエピソードで、わたしがあなたに伝えたかったことは、どのようなことでしょうか?それはもちろん・・・・
「本当に心の底から実現したいこと」(ビール瓶を手刀でスパッと割る)があって、『現実に起こると確信する』(極真空手にはそれができる)ことができたなら、その瞬間から幸せになれるだけでなく、ものすごいパワーを発揮できるということです。
本レポートをここまで読んでくれたあなたには、「どうしたらいいでしょうか?」という悩みを解消できない2つの原因がわかったのではないでしょうか。
理由1.「本当に心の底から実現したいこと」が見つからない。
理由2.(本当に心の底から実現したいことが見つかったとしても)「現実に自分にできると信じることができない」
そしてもしこの2つの問題に目をつむって「どうしたらいいでしょうか?」という悩みを解消しようとすると沼にハマることも理解できるはずです。
「本当に心の底から実現したいこと」が見つからないまま頑張ろうとしても、あまり頑張れません。だからなかなか結果が出せません。それも当然です。そもそもやりたいことではないからです。
そして「現実に自分にできる」と信じれることだけをやろうとします。結果、「楽してお金が稼げる(お金が増える)」、「楽して痩せられる」などの甘い囁きに耳を傾けてしまい、ますます貴重な時間やお金を無駄にするハメになってしまうのです。
あなたにも心当たりがあるのではないでしょうか?もし少しでもあなたに心当たりがあるなら、あなたの興味は2つのテーマに絞られるはずです。
1つ目。どうすれば『本当に心の底から実現したいこと』を発見することができるだろうか?
2つ目。どうすれば『本当に心の底から実現したいこと』を『現実に自分にできると信じる』ことができるだろうか?
次回のレポートでは、この2つの問題について考えていきたいと思います。(次回へ続く)