CMの違約金

CMの違約金

はじめて日本に観光にきたアメリカ人観光客が驚くことのひとつに、一流映画俳優のテレビコマーシャル出演があります。

例えばトミー・リー・ジョーンズが缶コーヒー(BOSS)のテレビコマーシャルに出演しているだなんて、アメリカ人にとっては衝撃的なことなのです。なぜならばアメリカでは一流の人であればあるほど、テレビコマーシャルには出演しないものだからです。

なぜ?アメリカの一流俳優はテレビコマーシャルに出演しないのでしょうか?

金さえ払えば演技する?

アメリカの一流俳優がテレビコマーシャルに出演しない理由は、「この俳優は、金さえ払えばどんな演技もするんだな。」と誤解されないようにするためです。要するに軽んじられてしまうことを回避したいのです。

アメリカではどの映画に出演するか決断するのは俳優です。つまり俳優に求められるのは演技だけではなく、『脚本を読み込む力』も求められるのです。ですから映画が好きにとっては、「誰が映画にでているか?」ということが、作品そのものの評価を担保する材料にもなっているのです。

またそれほどの映画好きでなくとも、テレビは「娯楽」や「営業」である一方で、映画は「芸術(アート)」であるという意識を共有しています。実はアメリカだけでなく、お隣の国韓国もそうですし、欧州でもほとんどの国が同じ状況なのですが、わたしの知る限り、先進国の中では日本人の俳優だけが恥も外聞もなくテレビコマーシャルに露出しまくっています。

なぜ日本のような状況がまかり通っているのでしょうか?

視聴者が考え方

日本では有名俳優がテレビコマーシャルに出演していることについて、視聴者が疑問に思うことはほとんどありません。だからこそ企業側も「どうせなら有名人をCMに起用したほうが商品が売れる」ということで、バンバン有名人を広報活動に起用して自社の企業イメージに役立てているのです。

そして東出昌大さんのように企業イメージを棄損させることがあれば、莫大な違約金なるものを請求してトカゲのしっぽを切るのです。

視聴者としてはいい迷惑です。「東出昌大さんってイクメンだと思っていたけど、そうじゃなかったのね。残念。」という具合に感情をかき乱されますし、場合によっては「顔も見たくない」というほどの不快感を与えられるのですから。

そして東出昌大さんの不倫ネタですら、ワイドショーの視聴率の肥やしにされ、杏さんにいたっては唯一の被害者(?)なのにそれほど仲もよくないであろうテレビタレントごときに「かわいそう」と同情されるのですから、まさに泣きっ面に蜂とはこのことでしょう。

そのようなカラクリを自覚してしまった人たちのなかには、テレビに付き合うのを辞めようと思う人もいます。もちろんわたしもそのうちの一人ですが、職業上、逆にテレビを観てないとテレビを観ている人と話が通じないので、少しだけワイドショーを観たりもしていますが、見たくて見ているわけではありません。

テレビの上層部のなかには、一般の人が思っているよりもはるかに頭のいい人たちがいます。そういう人たちは、例えば東大王に出演している東大生をどんな風にプロデュースしたら視聴率がとれるか?ということまで、ち密に計算しているのです。

疲れた日に少し娯楽を楽しむのもいいですが、娯楽ばかりに浸っていると考えることすら忘れてしまいますので注意が必要です。娯楽もほどほどに。