17歳のウィーン ~ フロイトが発見したもの

心理学を学ぶ上で避けて通れない巨匠といえば、フロイト、ユング、アドラーの3人ですが、今回はフロイトの登場する映画を1本紹介しつつ、フロイトの発見についてもわかりやすく解説したいと思います。

予告動画)17歳のウィーン

タバコ屋

日本でコロナ禍を経験した方なら、いろんな意味で息苦しさを感じたはずです。真夏でもマスクをつけなければならないというような物理的な息苦しさだけでなく、自粛ムードが漂う社会に対して心理的な息苦しさを感じた人もたくさんいるでしょう。

映画「17歳のウィーン」は、ナチス・ドイツとの併合に揺れるオーストリア・ウィーンが舞台です。タバコ屋で働く17歳の青年とフロイト教授の友情を描いたベストセラー小説を映画化したものです。(原題の直訳は『タバコ屋』)

コロナ禍は戦争に例えられることもありますが、今回紹介する映画「17歳のウィーン」では、思想の自由を抑圧されたなかでの息苦しさというものがどういうものであったのかが描かれています。

「息苦しい時代」のなかで真剣に悩む17歳の青年に対するフロイト教授のアドバイスは、きっとあなたにも役立つでしょうから興味があれば鑑賞してみてください。

フロイトの発見

さて、以前紹介した映画『二人の教皇』では単純アノミー、急性アノミーという概念について解説しましたが、実は急性アノミーは別名「ヒトラー・フロイトの定理」といいます。フロイトは急性アノミー現象を軍隊の上下関係のなかに発見したのです。

どんな激戦・苦戦に陥っても、指揮官が落ち着き払っていて物に少しも動じない様子であれば、部下の兵士はよく眠りよく戦うのですが、逆に指揮官が慌てふためいていたら急性アノミーが発症し、部隊は迷走しあっという間に崩壊するというのです。

わたしにも心当たりがあります。どのような仕事であれ上司に余裕があるときはどんなに忙しくても耐えられるのに、上司に余裕がないときは精神的なプレッシャーによる疲労感を強く感じて倒れそうになるだけでなく、実際にプロジェクトも炎上する可能性が極めて高いのです。

たくさんのものに依存する

日本では大東亜戦争(太平洋戦争)の敗戦と昭和天皇による「人間宣言」を機に天皇は宗教として機能しなくなり、もはや物質的な欲望を満足させること(つまり経済成長すること)しか国民の支持を得る方法がなくなってしまいました。

そして「お金教」が世界中でもっとも支持を得る『宗教』となったわけですが、お金教信者として幸せになるのも残念ながら難しいのです。なぜならば弱者は強者に食われるのが資本主義市場の機能であるため、少数の人間しかお金持ちになれないからです。

またお金は使わないと商品・サービスに交換できないわけですから、商品・サービスを購入して幸せな気分を味わえば味わうほどお金は減り続ける運命にあるのです。ですからもしあなたが幸せになる確率を上げたいのであれば「お金以外のもの」にもっと依存するべきです。それが「自立する」ということの本当の意味なのです。

自由な時間を見つけるとお金を使わないと気が済まなくなる人がいますが、自由な時間にそれほどお金を使わなくても自分を幸せにしてくれる『何か』を探すことをおススメします。そしてお金を使わなくてもあなたを幸せにしてくれることにたくさんの時間を使えるようになれば、あなたはアノミーに陥るリスクを減らすことができるはずです。