夫婦関係の 再構築

今回の講義では「相手との関係性を変える」ということについて詳しく解説したいわけですが、その前にどうしてもハッキリさせておかなければならないことがあります。それは・・・

どこまでやる?

やる気のないサラリーマンに「給料をもらっているのだから、もっと頑張って仕事をしてください!!!」とお願いしても改善してくれる保証がないように、「夫婦なのだから、もっと頑張るのが当然!!!」と配偶者にお願いしたところで、改善してくれる保証は一切ありません。

配偶者にお願いしたところで、配偶者が率先して何かを改善してくれる保証が一切ない以上、「あなたが変わる」ことが唯一残された選択肢になるわけですが、「あなたが変わる」以上、あなたは夫婦仲を改善させるために労力をかける必要があるわけです。

あなたには労力をかける「気持ち」があるでしょうか?

世の中には夫婦仲を改善させるのではなく別のことに労力を使う人もいます。例えば・・・

いろいろな選択肢

女優の田中律子さんは、ヨガのインストラクターの資格を持っているのですが、この資格を取得する際、見知らぬ人たちと合宿をしたことが「自分探し」につながり、その結果、離婚する決断を下したのだそうです。

そう。「ヨガを追求する」という未来の基準が「離婚するべき」という判断を引き出したのです。

またグラビアアイドルとしても活動していた高橋ゆづきさんは、結婚してからはその日暮らしの貧しい主婦をしていたのですが、「お金を稼ぐ」と決断してビジネスをスタートさせると、「ビジネスよりか家庭を優先させてほしい」と要求する旦那さんと衝突し離婚するに至ったそうです。

そう。「自分にも子どもにもお金に困る生活をさせたくない」という未来の基準が「離婚するべき」という判断を引き出したのです。

さらに釣りの世界では有名な「世界のモギ」こと茂木陽一さんは、奥さんの実家のある沖縄に移住したときに釣りにハマり、あまりに釣りに没頭しすぎて奥さんに愛想をつかされて離婚することになったのだそうです。

そう。「釣りをトコトンつきつめる」という未来の基準が、奥さんの「離婚するべき」という判断を引き出したのです。

以上、夫婦仲を改善させるのではなく、別のことに労力を使った人たちを紹介しましたが、もちろん夫婦仲を改善させるために行動した人もいます。例えば・・・・

妻の飯がマズい

夫婦が離婚する一番の理由は「価値観の違い」です。価値観の違いを乗り越えることができなければ「離婚」するし、価値観の違いを乗り越えることができれば夫婦関係を継続させることができるのです。どうすれば「価値観の違い」を乗り越えることができるのでしょうか?

「妻の飯がマズくて離婚したい」という4コマ漫画があります。(第一話はコチラ

「妻の飯がマズくて離婚したい」は、『食』に関する価値観の違いで夫婦が衝突するストーリーです。妻は「ご飯は手間暇かけないのが正解。お腹に入れば一緒なんだから。」という価値観をもっている一方で、旦那は「安い食材でも手間暇かけて美味しく食べるのが正解。食を楽しみたい。」という価値観をもっています。

夫婦は衝突し一旦は「もう離婚しましょう!!!」というところまで関係が悪化するのですが、最終的にはお互いがお互いの価値観を受け入れることで離婚を回避するに至るのです。

漫画「妻の飯がマズくて離婚したい」を読めば、夫婦仲を改善するコツがわかるはずです。夫婦仲を改善させるコツは、ズバリ・・・・

配偶者を喜ばせる

あなたは「なぜわたしが相手を喜ばせなければいけないのですか?相手からは特別なことを何一つとしてしてもらっていないのですよ??」と反発したくなるかもしれませんが、相手が先にあなたを喜ばせてくれる可能性がほとんど期待できないのであれば、あなたが先に仕掛けるしか選択肢がありません。

「どうすれば相手が喜ぶかわからない」という人もいるかもしれませんが、配偶者とひとつ屋根の下で暮らしているあなた以上に、配偶者のことを理解している人はいないのではないでしょうか。

もし夫婦仲が悪化しすぎて、本当に「何をしたら相手が喜ぶのか?」ということがわからなければ、まずは自分の頭のなかを整理することからはじめることをおススメします。

例えばあなたが男性で奥さんに対して「愛情やリスペクトがない」、「感謝されない」と考えているのであれば、奥さんがあなたと同じような気持ちを抱えている可能性があるということです。

またもしあなたが女性で「仕事も家事も頑張っているのに旦那は不機嫌。 ちょっとぐらい愛想がよくてもいいのでは?」と考えているなら、旦那さんがあなたと同じような気持ちを抱えている可能性があるということです。

他人の心の中をのぞくことはできません。しかし自分の頭のなかを整理し「自分が大切にしていること」を見つめ直せば、配偶者の大切にしていることを突き止めるヒントを得ることは可能です。

あなたの配偶者は、あなたが何をしたら喜んでくれるでしょうか?

間接的に喜ばせる

夫婦仲が悪化している場合、「自分から急に態度を変えるのは抵抗があるし、相手も受け入れずらいかもしれない」というような懸念があるかもしれません。そのような場合には、間接的に相手を喜ばせるというテクニックもあります。

例えばあなたの配偶者が両親や兄弟をとても大切にするタイプなら、配偶者の両親や兄弟が喜ぶことをやってみたり、配偶者が強く関心をもっている対象をサポートするという方法もあります。

「夫婦関係」を改善するという場合、多くの人が無意識に夫と妻という二者関係にだけ注目してしまいがちですが、夫婦関係というものはもっと大きな「人間関係」の中に組み込まれていることは見過ごせない事実です。

とはいえ夫婦仲が極度に悪化している場合には、直接的にであれ(配偶者を喜ばせる)、間接的にであれ(配偶者の大事な存在を喜ばせる)、配偶者を喜ばせることに抵抗があるかもしれません。そんなときは・・・

第三の選択肢

妻への不満はなんですか?という40~55歳の男性会社員3,300人を対象にしたアンケートの結果がヒントになるでしょう。

アンケートの結果、不満の上位にあがったのは「愛情やリスペクトがない」、「感謝されない」、「セックスやスキンシップを拒否される」、「よかれと思ってやったことに不平不満ばかりいわれる」などが上位になっているのですが、共通点がわかるでしょうか?

妻への不満の共通点はズバリ・・・・「妻の反応がよくない」ということなのです。裏を返せば、旦那さんの努力や行動に対して「いいリアクション」をするだけで、旦那さんが抱えている不満が解消する可能性があるのです。

また夫に不満を抱いたことがありますか?というレタスクラブのアンケート結果も興味深いです。

「(夫に不満を抱いたことが)ある」と回答した女性の声をみてみると、「どんなに手の込んだ料理を作っても美味しいの一言もない」、「何度言っても片付けをしてくれない。自分で動かない」、「家ではずっとスマホゲームしていて私の話も上の空」だったりするのです。

夫への不満の共通点はズバリ・・・・「夫の反応がよくない」なのです。裏を返せば、奥さんの声に耳を傾けてほんの少し「いいリアクション」をするだけで、だけで、奥さんが抱えている不満が解消する可能性があるのです。

非日常の演出

配偶者を直接的に喜ばせる、配偶者を間接的に喜ばせる、配偶者へのリアクションを変えるという3つの方法についてお伝えしてきましたが、それらはすべて日常生活のなかでやるべきことであることに気づけば、第四の選択肢があることにも気づけるはずです。

「結婚と愛は違う」ということをハッキリ自覚している欧米では、マンネリしやすい閉じた日常に風穴をあけるために「非日常を楽しむ」ことが文化的な習慣になっています。例えば欧米では夫婦同伴の「パーティー」が頻繁に開催されています。

パーティーやレストランにはドレスコードが設定されていることもありますが、堅苦しい服装をするのも「非日常を楽しむ」工夫の一つです。自分が魅力的な服を着るだけでもテンションが上がりますし、魅力的な服装をしている配偶者が他の参加者の視線を集めることも、夫婦関係に刺激を与える重要な要素になっているのです。

日常のなかで毎日同じような行動を繰り返せば、夫婦はお互いを男であり女であることを忘れます。男であり女であることを忘れると、夫は「俺はATMじゃない!!!」と不満を抱え、一方で妻は「わたしは家政婦じゃない!!!」と不満を蓄積することになるのです。

あなたは非日常を楽しむための活動(例えばデート)を軽視していないでしょうか?

絆は傷を含む

夫婦関係を再構築する行動のヒントをお伝えしてきましたが、いずれにせよあなたから配偶者に働きかけることが必要です。あなたに夫婦仲を改善させたい・・・という希望があることが大前提ですが、それでもいざやってみると「めんどくさい」と思ってしまうこともあるはずです。

「夫婦関係がメンドクサイ」と思ってしまったときは、北九州で1998年からホームレス支援に取り組んでいるNPO法人『抱樸(ほうぼく)』の奥田知志理事長の言葉を思い出して下さい。

奥田知志理事長は「絆(キズナ)は傷(キズ)を含む」という名言を残してます。ホームレス支援はキレイごとではなく、大変なことやメンドクサイことを本当にたくさん経験して傷つくこともあったそうです。

しかし「メンドクサイこと≒不幸ではない」ということが奥田知志理事長の伝えたいことなのです。むしろメンドクサイことをやるからこそ人間と人間との間に絆(キズナ)を生み出すことができるのであって、メンドクサイことや傷つくことを回避すれば絆は生まれないのです。

もしあなたが夫婦仲を改善させたければ、めんどくさいことや自分が傷つくことを恐れてはいけないのです。あなたが理想的な夫婦関係を構築することを願っています。それではまた毎朝8時頃に配信しているメールマガジンでお会いしましょう!!!

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プロフィール

坂本輝(さかもと あきら) ライフコーチ
「資格や学歴があっても社会で通用する力が身についていなければ意味がない」ことを痛感しているのに突破口が見つからない方のために、【社会で通用する力を鍛える】オンラインコーチングプログラムを提供しています。「このままでいいのか?」という不安を放置しないで、自分・家族・仲間を守る行動を今すぐはじめませんか?