走れメロス的な怒り

走れメロス的な怒り

太宰治の短編小説『走れメロス』は友情物語として有名です。しかし走れメロスの物語のはじまりは、政治を知らない羊飼いが王様のおかしな政治に怒って抗議するところからはじまることをご存知ですか?

メロスは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人[羊飼い]である。

笛を吹き、羊と遊んで暮らして来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を超え山越、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た

あなたには走れメロス的な怒りはあるでしょうか?

内発性をベースにした動機

あなたには『ただの羊飼いが王様と戦おうと決意するほどのエネルギー』を実感した経験があるでしょうか?

もしあなたが走れメロス的なエネルギーを発揮すれば、あなたが今思い描いている理想の生活は必ずや実現するに違いありません。しかし残念ながらほとんどの人は走れメロス的なエネルギーを発揮することができません。なぜでしょうか?

「しょうがない」の罠

走れメロス的なエネルギーを発揮する第一歩は「わたしたちはなぜ苦境に立たされているのか?」というように疑問に感じることにあります。しかし現状を『当たり前のもの』として受け入れてしまう人が多いし、そもそも限られた情報にしかアクセスできないために、大多数の人が怒りを感じる状態にならないのです。

残念ながらどのような問題があなたの感情を揺さぶるか?ということはわたしにはわかりません。ですから是非とも「あなたにとって重要な問題」を探す姿勢を忘れないで下さい。もしあなたにとって重要な問題を発見できないのであれば、あなたは漠然とした不安に頭を抱える可能性が高いでしょう。なぜならば・・・・

問題は人それぞれ

残念ながらあなたが怒るほどの問題に対して、他人も同様のレベルで怒ってくれる保証はありません。問題は人それぞれなのです。

しかしそれで困るのが「政治家」や「官僚」という人種です。政治家は多くの大衆を動員しなければいけませんから、少数派にとっての問題に声をあげることにメリットを見出しにくいのです。

そこで『不安を煽(あお)る』のが政治家の常套手段になります。例えば「老後破綻」というようなショッキングな言葉を利用して、大衆の注目を集めようとするのです。そして同様の手法はビジネスでも用いられています。

ひらたくいえばデブで大丈夫?ハゲで大丈夫?ブスは大丈夫?老後のお金は大丈夫???というような具合に見込み客に痛みを感じさせることで、財布の紐を緩めさせようとするのです。

しかし残念ながら「すべての問題を100%解決する時間もお金もない」のがこの記事を読んでいるほとんどの人にとっての現実でしょう。だからこそあなたは「自分にとっての重要な問題はなにか?」ということを考えなければいけないのです。あなたはどのような現実に「走れメロス的な怒り」を発揮するでしょうか?