カサノバ ~ 本物のプレイボーイ

生涯に1,000人の女性とベッドを共にしたというヴェネツィア出身の作家であり遊び人でもあった『ジャコモ・カサノヴァ』の生涯を描いた作品を紹介します。

予告動画)カサノバ

本物のプレイボーイ

映画『カサノバ』を観て「リアリティーがない」と感じる人が多いのではないでしょうか。なぜならばカサノバは遊び人でありながら社会的な地位もそれなりに高かったからです。

現代でもいわゆる『ヒモ』といわれる男性は存在します。関係を持った女性は1000人以上、貢がれた総額は1億円を超えるというヒモショウヘイさんがその一人です。

1日のほとんどをこの部屋で過ごすヒモさんは、1時間1000円で自分を貸し出す「自分レンタル」というアルバイトをして若い男性の恋愛相談にも乗っているそうですが、もしあなたが若い男性の母親だったら心配するでしょう。「変な影響を受けないか?」と。

そう。現代日本においてプレイボーイは尊敬される存在ではないのです。そういう意味で日本には「本物のプレイボーイ」はいないのです。本物のプレイボーイとは、お金持ち(資産持ち)であり仕事をせずに『プレイ』に専念しながらもそれなりに尊敬されている人たちのことです。

もしあなたに娘さんがいて、その娘さんが結婚相手としてプレイボーイをあなたに紹介してきたら、きっとあなたはモヤモヤするに違いありません。そういう意味で「本物のプレイボーイ」は、現代の日本ではほとんど世間から相手にされないでしょう。

なぜプレイボーイは尊敬されないのでしょうか?

労働の規範化

なぜ現代の日本でプレイボーイが尊敬されないのか?という問題は、逆になぜカサノヴァの時代ではプレイボーイが尊敬されたのか?と考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

カサノヴァが生きた時代は前産業社会でした。近代ではありませんでした。近代ではないので労働が規範化されていませんでした。「労働の規範化」とは、「労働とは大変よいことで、人間の活動のなかで一番重要なことだ。」と認識され、労働の内容によって人間が評価されるようになることです。

そう。カサノヴァが生きた時代は労働の規範化がなされていなかった。だから労働せずに『プレイ』に専念しても世間から相手にされないなんてことはなかったのです。

その一方で現代の資本主義社会では「労働の規範化」がなされています。だから暇な人よりは忙しい人のほうが尊敬されます。新入社員からベテラン社員まで「忙しい」ことを自慢するのはそのためなのです。(残業が何時間やらなんやら)