殿、利息でござる! ~ 子々孫々の繁栄を願う体験

利息

『殿、利息でござる!』という映画があります。阿部サダヲさん主演の映画です。スケートの羽生結弦選手が役者デビュー(?)した作品としても有名です。

予告動画)殿、利息でござる!

この作品のレビューを観ていると「感動した!」って意見が多いですし、勘当する気持ちもわかるのですが、それはちょっと違うだろ!って思うところがあるのです。

子々孫々のために奮闘するストーリー

この映画を知らない人のためにあらすじを一言で説明しておくと、「財政的に厳しい村を守るために殿にお金を貸す。殿から利息をもらう。そのお金で村の負担を減らす。その結果として生まれた余裕でビジネスに集中し、これからの経済を発展させていこう」というアイディアに賭ける男たちのストーリーです。

しかし優れたアイディアも実行に移すのは簡単ではありません。登場人物たちは、「殿に貸すお金はどうやって工面するの?」、「そもそも殿はわたしたちのお金を借りてくれるの?」などの問題に直面し、そのたびに奮闘するのです。

さて、この映画では「子々孫々」という言葉がなんども登場し、子々孫々のために自分たちの目先の利益を捨てる主人公たちの姿が描かれるのですが、その姿勢が「なかなかできることじゃない」ということで、この映画を鑑賞しているわたしたちの心を動かすのです。

しかし・・・・・ちょっと待てよ・・・・・ということをいいたいのが、今日の本題です。わたしもこの映画を観て感動してしまったわけですが・・・・いい映画を観たと思ったわけですが・・・・・

でも・・・・・冷静になって考えてみれば・・・・・目先の利益だけを考えるんじゃなくて・・・・子々孫々のために行動するって・・・・当たり前のことなのではないでしょうか????

リバタリアン or コミュタリアン

「この映画に感動する人ってわたしを含めてどれだけ普段から子々孫々のために行動してないの?」と自虐的な気持ちになってしまったわけです。

ここにイデオロギー的な対立があります。「自分が死んだあとは、地球がどうなろうと知ったこっちゃねー」というノリの人たちもいますし(リバタリアン)、「子々孫々のために有効なプラットフォームを残そう」とする立場の人たちもいます。(コミュニタリアン)

あなたがどちらの立場をとるか判断するモノサシとして、是非、『殿、利息でござる!』を観てください。

子々孫々のために行動する男たちの姿を見て「何やってんのこの人たち?」という気持ちになるなら・・・・・あなたは正真正銘のリバタリアンである可能性が高いです。

もしあなたが「子々孫々のために行動するなんて当たり前すぎて感動する余地もないわ!!」という気持ちになるなら・・・・・あなたは正真正銘のコミュニタリアンである可能性が高いです。

もし感動したなら・・・・・あなたは普段「リバタリアン」として活動してはいるものの、「コミュニタリアン」的な感覚も忘れていない可能性が高いです。

さて・・・・今の日本を見てください。日本の政治家は、リバタリアンでしょうか?それともコミュニタリアンでしょうか?

エセ保守が日本を潰す

日本が今のままの経済対策をやり続けたら、生き残るのは大資本だけになります。小規模な事業者は一掃され、コンビニとファミリーレストランだけが生き残ります。

わたしは吉野家の牛丼も好きだし、サイゼリアのグラタンも好きですが、それ「だけ」でいいのか?ということが今問われているのであり、その問いに答える上で重要になるのが「それが子々孫々のためになるのか?」という問いだということを伝えたいのです。

「子々孫々のためのプラットフォームを残せるか残せないか?」ということを念頭において日々のニュースを見ると、誰が本当の「保守」(プラットフォームを守る人)であり、誰が「エセ保守」(プラットフォームを守るといいながら実は壊している人)かがハッキリするでしょう。

コロナで大変な不安を抱えている人もいるでしょうし、それどころじゃないという人もいるでしょうが、あなたが今抱えている辛い思いなり気苦労が将来報われるとしたら・・・・・それは「プラットフォームを守ることに成功した場合」のみなんですね。

しかし残念ながら「プラットフォームを守る」という発想が日本の政治家には皆無です。もしかしたらあなたは大資本が残れば安心・安全だと思うかもしれませんが、それは勘違いです。そのことを最後に指摘しておきましょう。

ぺんぺん草も残らない日本

例えば1973年に成立した大店法(規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律)により、地域の商店街は死に、大規模スーパーが生まれました。

でも今起こっていることは、「大規模スーパーの撤退」です。儲からないから撤退するんだそうです。近所にあった大規模スーパーがなくなったら、困る人がたくさんいるのにね。免許も返納しちゃった高齢者はどうすればいいの?って感じですよね。

しかしだからといって「商店街を復活させる」わけにはいきません。一度死んだものは、そう簡単に復活しないのです。そんなことは小学生でもわかります。それにもかかわらず、先進国の中で日本人だけがそのことに無自覚なんですね。残念ながら。

今日本の政治は、「これくらいの危機で倒産するような事業者はいなくなったほうがいい」と考えている節があります。しかしそのような発想はあくまでも「平時」の発想であって、「緊急時」の発想ではありません。

緊急時なのに平時の発想から抜け出せない無能な政治家により、1年後の日本には「ぺんぺん草も残っていない」という悲惨な状況になる可能性が高まってきました。しかしそれでも無能な政治家は、日本を「美しい日本」と言い続けるでしょう。

子々孫々のために行動しない人間についていくと・・・待っているのは「淘汰」です。もちろん淘汰されるのは、ヤバイ状態なのに「大丈夫だ」と嘘を言い続ける権力者についていってしまう自分の頭で考えることができない「思考停止という病」にかかった人間たちです。

歴史を振り返れば、第二次世界大戦のときも「日本はこの先大丈夫なんだろうか?」というようなことをいうと右翼から非国民扱いされましたよね。歴史は繰り返すんでしょうか?繰り返さないためにわたしは「やべーぞ」と声を挙げているし、そういう人がいなくなったら本当に終わりだと思うんですがどう思います??

この記事を読んで暗い気持ちになった人が多いかもしれませんが、この際なのでハッキリいっておきましょう。これから先はコロナの前と同じような日常は戻ってこない可能性が高いです。

ですからこれから先は、暗い気持ちを自分で吹き飛ばせる人とか、周囲で暗い気持ちになっている人を楽しませてくれる人だけが幸せになれる時代がやってくると思います。あなたは子々孫々のために何をしますか??