新しい武器はまず使ってみる

先日、代官山にある電動アシスト自転車の専門店『モトベロ』にいってきました。電動自転車に何台か試乗してみたのですが、その結果、いくつかの教訓を得られたので共有します。

酔っぱらったサラリーマン

緊急事態宣言がまだ解除されていない2月26日の金曜日のことです。久しぶりに「酔っぱらったサラリーマン」をみかけました。そして翌日の土曜日に夜の街を自転車で徘徊していたら「満席の飲食店」を何店舗もみかけました。

それまでとは明らかに異なる街の風景を目の前にしてわたしは「何が起こったんだ?」と驚きましたが、UBER EATSの注文に関しても2021年に入ってから1番の忙しさになりました。しかも最近の配達の傾向として配達距離が長くなってきました。

1件の配達で6km以上もの距離を自転車で走ることも珍しくなくなってきましたので、わたしもそろそろe-bikeを購入を検討することにしたのです。そこで早速、電動アシスト車に試乗してみることにしたわけなのですが、わたしにとっては意外な発見がありました。

予想以上に使えない

わたしが試乗したのは『電動アシスト自転車』でもなく『電動自転車』でもなく、『e-bike』とカテゴライズされる価格帯でいうなら30万円前後からの商品です。

店員さんに「この辺にエグイ坂ありませんか?」と質問し、実際に教えてもらった坂を5往復ぐらいしてきたのですが、結論からいうと期待はずれでした。

日本独自のルールで『電動アシスト自転車』であろうと『電動自転車』であろうと『e-bike』であろうと、電動で負荷をアシストしてくれる速度領域は時速24kmに規制されています。

24kmという速度は毎日クロスバイクにのっているわたしの感覚ではかなり遅く、車の流れにも乗ることができませんので、どうしても満足できなかったのです。

もちろんe-bikeのもっている「坂を走行しても疲れない」というポイントは魅力的だったのですが、失うもの(走る喜びや爽快感)のほうがわたしには気になったというわけです。

30万円支出するなら、もっと高性能(カーボン&チューブレス)のクロスバイクを購入するか、もっとお金を出してロードバイクを購入した方がいいというのが現時点での一応の結論になりました。

ここまで話しておいてそろそろ本題に入りましょう。

新しい武器の欠点

歴史を振り返れば、スペイン内乱はナチス新兵器の実験場でした。また朝鮮戦争は米軍の新兵器の実験場になりました。いずれも有名な話です。

ここで注目したいことは、朝鮮戦争の時、アメリカ当局が愕然としたことは「あまりに故障が多くて使いものにならない」ということです。実はそのような状況下で生まれたのが「信頼性工学」です。新兵器には故障がつきものなので、アメリカという国は新兵器の信頼性を調べることをひとつの独立した学問として確立したのです。

戦前の日本には品質管理という考え方はありませんでしたが、品質管理という概念はウィリアム・エドワーズ・デミング博士の教えとして日本に輸入されました。そして戦後の日本は品質管理を徹底し、「日本製品は壊れにくい」という評判を世界中で勝ち取ることに成功したわけです。

「品質がよければハイテク製品のほうがいい」というのは、戦争で戦う兵士にもUBER EATS配達員にも共通しています。しかしハイテク製品にも欠点があります。それは「どこかにちょっとでも欠陥がると、全システムが稼働しなくなる」ということです。

自転車という一見すると原始的な乗り物も、タイヤに空気が入っていなかったり、ネジが一本ゆるんでいるだけで使い物にならなくなります。

とはいえ今のわたしの愛車は、どこかが故障しても近所の自転車屋さんに持ち込めば、すぐに修理してくれます。ローテク(原始的)なパーツが多いからです。

しかしe-bikeに限らず、ハイテク(高性能)のパーツで組み立てられた自転車であればあるほど、すぐに修理できるとは限りません。場合によっては「ここでは治せない」とか「修理に数日かかります」ということもあり得るわけです。

ハイテク信仰もほどほどに。新しい武器を使う場合、実践で使う前にまずは本当に使ってみて性能を確かめることが重要です。