風の谷のナウシカ ~ 真実を知る覚悟

2020年、12月25日の「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系、午後9時)では、『風の谷のナウシカ』の再放送がありました。

風の谷のナウシカは、「腐海(ふかい)」と呼ばれる菌類の森に覆われた最終戦争後の世界を舞台にしています。腐海(ふかい)では瘴気を放つ菌類が広大な森を形成しているため、腐海の中ではマスクなしでは生きられません。

再放送を宣伝するCMのキャッチコピーは、「マスクをしないと生きられない世界」です。コロナ禍に生きるわたしたち現代人にとってはなんだか『他人事』とは思えない設定になっているわけですが、本当に他人事とは言い切れない部分があるので、詳しく解説したいと思います。

すべては設計されていた

風の谷のナウシカでは当初、「腐海」、「王蟲」、「火の7日間」は災いとして描かれます。ナウシカは、それらから苦しむ人々を救おうと精いっぱい頑張ります。でも気づいてしまうんです。

「腐海」、「王蟲」、「火の7日間」は過去の賢者が周到に設定したものであることに。「腐海」も設計されていました。「王蟲」も設計されていました。「火の7日間」も設計されていました。ナウシカが生まれることすら設計されていました。

そのことに気づいたナウシカは、すべてを壊し、人々の前から姿を消します。そしてナウシカは伝説的存在として人々に語り継がれるのでした。

映画版のナウシカを観た人はきっと「あれ?そんな話だっけ?」と思うでしょうが、以上の設定は「漫画版」のナウシカにおいての結末であり、「映画版」のナウシカの結末とは異なりますのでご注意を!!

世の中の複雑な構造

風の谷のナウシカという作品は、示唆に富んだ作品ですから人にとっていろんな感じ方があるでしょう。

例えば「環境」に興味がある人は、「持続可能性を無視した資本主義(利潤)の果てなき追求が、自然からのしっぺ返しを生んだのだ」というメッセージを受け取るかもしれません。

しかしここで注目したいのは、漫画版のナウシカが直面した「誰かによって設計された世界を生きていたこと」に気づいたときの衝撃です。

そもそもなぜ?ナウシカにおいて、過去の賢者たちは「腐海」、「王蟲」、「火の7日間」を自分たちが設計したことを、未来の人類に隠したのでしょうか?

それはナウシカの行動をみればわかります。そう。世の中で起こっていることが人類の手によってはどうしようもない自然現象ならまだしも、顔も名前も知らない誰かによって設計されたということは、『受け入れがたい事実』だからです。

「受け入れがたい事実」を知ったナウシカは、「過去の賢者たちのやったことは本当に正しかったの?もっと別のやり方があったんじゃないの?」というような誰にもぶつけられない感情に囚われてしまい、破壊的な行動をとってしまったのです。

そう。つまり過去の賢者は理解していたのです。「受け入れがたい事実」を知ったらナウシカのようになることを。だから「誰かの手によって設計された社会を生きている」ということは、オープンにしてはいけないのです。

ナウシカのメッセージ

くどくど説明するまでもなく、少し考えてみれば直観的にも明らかだと思いますが、わたしたちの生きている社会というものは、自然発生的に生まれたものではありません。先人たちがつくったルールに基づいて、わたしたちは社会を営んでいます。

しかしおそらくそんなことを考えながら日常生活を送っている人はほとんどいないでしょう。ほとんどの人は、「なぜ?こんな不思議なことがまかりとおっているんだろう?」というように、たくさんのことを疑問に思うかもしれませんが、その答えは誰も教えてくれないのです。

なぜか?それはズバリ、「受け入れがたい事実」というものは、たとえそれが事実であれ、むやみに不特定多数の人間に伝えればいいというものではないからです。

素朴に「真実を知りたい」と願う人は多いですが、それでもあなたは真実を知りたいと願うでしょうか?是非ともナウシカ(漫画連載版)を読みながらそのようなことを考えてみてください。