レ・ミゼラブル ~ 革命の条件とは?

レ・ミゼラブル

日本人のほとんどはハッキリ自覚していませんが、いまだに日本はアメリカによる軍事占領状態が継続しています。

安保条約のもとではいまだに「アメリカは日本政府とのいかなる相談もなしに米軍を使うことができる」し、「米軍の舞台や装備なども地元当局への事前連絡なしに、日本への出入りを自由にできる」のです。

もし日本に革命なるものが起こるとするならば、それは「アメリカからの独立」ということになるでしょうが、日本においては革命が起こる気配すらありません。なぜ?日本では革命が起こらないのでしょうか?

今日はそんなことを考えるヒントになりそうな映画を紹介したいと思います。

予告動画)レ・ミゼラブル

上流国民は悪なのか?

ペリー来航により武力の差を思い知った日本は鎖国するために開国したわけですが、日清戦争・日露戦争を経てようやく不平等条約を解消し、アジアではじめての近代国家として認められたのも束の間、第二次世界大戦(大東亜戦争)によりアメリカの属国になり果てました。

そして戦後70年以上が経過し、日本という国は巨大な官僚組織による汚職国家になり果てました。その理由はノブレス・オブリッジがなき特権階級の存在にあります。ノブレス・オブリッジとは?

江戸時代の武士を想像するといよいでしょう。武士道教育とは、百姓町人とは根本的にちがった人間であることを叩きこむことが目的でした。だからこそ武士は生活がどんなに苦しくても、倫理的には百姓町人よりもはるかに上にあることが要求され、事実そうしました。

現在の日本では「上流国民」という言葉には「悪」というイメージが蔓延していますが、特権階級そのものが問題なのではないのです。「責任の自覚(ノブレス・オブリッジ)のない特権階級」が問題なのです。

革命の条件とは?

特権の源泉となるものは富だけではありません。『威信』や『権力』も階層を生み出します。それらを社会の構成員が分け合うと社会は安定します。

例えば徳川幕府の時代、一揆や打ちこわしがどんなに激しくなっても幕藩体制がびくともしなかったのは、『富』は商人、『権力』は武士、『威信』は公卿といった具合に、社会的階層を生み出すものをそれぞれが分け合っていたからです。

その一方でもし『富』、『権力』、『威信』といったものを特定の人たちが牛耳るとどうなるでしょうか???答え:「革命が起きると誰にも止められなる。」フランス革命、ロシア革命然りです。

フランス革命の場合、1789年にルイ16世によって三部会が招集されたとき、フランス革命でもっとも有力な政治家であったマクシミリアン・ロベスピエールも忠実な王党でした。ロシア革命も同様です。ロシア革命がはじまった時レーニンはスイスにいてひもじい生活をしており、わずか数カ月後にレーニンが革命の主役になるなど誰も想像すらしていませんでした。

富・権力・威信のすべてを貴族が独占する社会は革命に対してあまりにも無力なのです。フランスでもロシアでもかつては貴族がすべてを独占してたので、民衆のなかに協力者が得られず、ひとたび革命が起きるとその勢いは山火事のように大きくなり、手の施しようがなくなってしまったのでした。

汚職大国日本

「革命の条件」に話が脱線したのでもとに戻します。日本は汚職大国です。汚職の原因は「ノブレス・オブリッジ」の欠如です。ノブレス・オブリッジの欠如は深刻な影響を与えます。特権階級が大きな汚職をすると、一般人も小さな汚職をするようになるからです。結果、日本全国に汚職のネットワークが広がります。

東京五輪やコロナ禍の対策に関連して、「これはどうみても汚職だろう?」というようなニュースが世間をにぎわせました。テレビや新聞は特権階級の汚職が発覚するたびに大騒ぎします。国民も当然、怒ります。しかしそれで終わりなのです。

例えばコロナ禍に政府は『外食自粛』を国民にお願いしました。しかし政治家はなじみの飲み屋にお忍びで通い、官僚は銀座の飲み屋でお別れ会をやり、医師会のお偉いさんは政治資金パーティーに発起人として参加していました。国民や(特に飲食店は)怒ります。しかしそれで終わりなのです。

なぜならば一般人のなかにも「あんなことは誰でもやっていることだ」という意識があるからです。上流階級がルール違反をすると、下流階級も「自分たちだっていいだろう」と考えてルール違反を犯すのです。誰もがやりたい放題。こんな日本に誰がした??