人生を変える はじめの一歩

経営コンサルタントの大前研一氏は、3つの方法でしか人間は変わらないといいました。

【大前研一の名言】

人間が変わる方法は三つしかない。 一つは時間配分を変える、二番目は住む場所を変える、三番目は付き合う人を変える、この三つの方法でしか人間は変わらない。もっとも無意味なのは「決意を新たにする」ことだ。かつて決意して何か変わっただろうか。行動を変えない限り、決意だけでは何も変わらない。

【出典:時間とムダの科学

行動を変えることが重要なのです。「死ぬこと以外はかすり傷」の 箕輪厚介さんも、「やればいいだけ」という主張を肯定しています。

「行動すること」の重要性は誰も否定しないでしょう。しかし・・・・・ここで浮かび上がってくる問題の核心は、行動することの重要性をアタマでは理解していても、「行動できないこと」なのではないでしょうか?

どうすれば行動できるのでしょうか?

情報を変える

「行動できない」という問題を乗り越えるもっとも手軽で確実な方法は・・・・・「インプットする情報を変える」ことです。

「健康なカラダをつくるためには食べ物が重要だ」ということは誰も否定しないでしょう。しかしインプットする情報の重要性については盲点になっているのではないでしょうか?

振り込め詐欺」のことを考えてみればわかります。

つい数時間前まで、じぶんの息子や娘のことなんて特に意識していなかったはずの人たちが、特定の情報をインプットした途端に・・・・・一日の予定をすべてキャンセルして、ATMに駆け込んだり、コンビニでギフトカードを購入するようになるのです。

そう。「情報は人の行動を変える」のです。

また日本の公職選挙法は、「情報は人の行動を変える」ことを前提にしています。だからこそ選挙期間中は、政治家のテレビ出演、戸別訪問、配布できるビラの枚数などが、厳しく規制されているのです。

さらにビジネスの世界。広告を出すのに大金を払う人がいるのは、なぜでしょうか?

ズバリ、効果があるからです。マクドナルドのコマーシャルを見て月見バーガーを食べたくなったり、ライザップのコマーシャルを見てダイエットしたくなるのは、「情報は人の行動を変える」からなのです。

情報はどこにある?

人生を変えるためには行動を変えることが重要です。行動を変えることがムズカシイと感じる場合には、「情報を変える」ことが突破口になるはずです。なぜならば「情報は人の行動を変える」からです。

では・・・・・あなたの行動を変える情報はどこにあるのでしょうか?

参考になる事例を3つだけ紹介します。

事例1:三木由希子さん

三木由希子さんは大学受験の時、センター試験を受けたのですが、どうしても納得できないことがありました。センター試験の「結果」に納得できなかったのではなく、「結果がわからないこと」に納得がいかなかったのです。

たとえばアメリカ版センター試験の「SAT」の場合、テストの点数は本人に伝えられます。しかしセンター試験の場合、「自己採点」で結果を推測するしかなく、本当の点数は本人にもわからないのです。

不透明な状況に我慢できなかった三木由希子さんは、大学1年生の春にじぶんが在籍している横浜市立大学を訴えます。そして卒業後は「NPO法人情報公開クリアリングハウス」を設立し、現在でも「知る権利の保障」を目指して活動しています。(参考:以下動画の4分00秒~)

事例2:小島一哲さん

小島一哲さんはアメリカの名門イェール大学を卒業し、三井物産に入社したエリートです。

商社に入社して2年半ほど経ったある日、当時交際していた彼女と巣鴨を散歩中に「立川志の輔独演会」に出会います。(立川志の輔さんは、「ためしてガッテン」の司会をしていたあの人!)

最初は、ほとんど興味がなくスルーするつもりだったそうなのですが、彼女が「こんなに有名な人はなかなか見られない」とプッシュするので、軽い気持ちで落語を初体験。

お腹を抱え、声を出して笑った」小島一哲さんは、「とことん落語に触れたい」と落語のCDを買い漁り、いつしか「落語家になりたい!」という気持ちが湧きあがってきて、ついには立川志の輔師匠に「弟子にしてください!」と直談判。

しかし立川志の輔師匠から「三井物産を辞めるのを辞めなさい」と弟子入りを断られます。小島一哲さんは「会社を辞めずに弟子入りを申し込むなんて、自分はなんて失礼なことをしたんだ!」と反省し、会社を辞めてから再度、立川志の輔師匠に弟子入りを申し込むのでした。

晴れて弟子入りを認められた小島一哲さんは、現在「立川志の春」として英語の落語にも挑戦しています。

事例3:末廣良信さん

末廣良信(すえひろ・よしのぶ)さんは、サラリーマンだった22歳のときに家系ラーメンで有名な『家系総本山 吉村家』のラーメンを食べて「途轍(とてつ)もなく美味い!」と感動。

「いつか家系のラーメンをつくりたい」という気持ちを10年間捨てきれず、缶コーヒー1本すら節約する生活を5年間続けた末に、開店資金を蓄え退職。

深夜2時から仕込みがはじまる修行に耐えた末廣良信さんは、神と崇める吉村実(吉村家の創業者)から免許皆伝をもらい、『吉村家直系』を名乗ることを許されます。

2013年に横浜に開業した『ラーメン 末廣家』は現在、食べログ百名店にも選出される行列必至の人気店に成長しています。(特にチャーシューが絶品なので、機会があれば是非食べてみてください!)

(再)情報はどこにある?

あなたの行動を変える情報はどこにあるのでしょうか?

答えは「わからない」です。なぜわからないのでしょうか?理由はシンプルに・・・・・行動を変える情報は「人それぞれ異なるから」です。

三木由希子さんの場合は「理不尽なセンター試験」、小島一哲さんの場合は「おもしろい落語」、末廣良信さんの場合は「美味しいラーメン」でした。

わたしの場合、学生時代に大前研一氏の本にたまたま出会ったことがきっかけで、外資系の経営コンサルタント会社の内定を勝ち取り、5年くらい死ぬほど働いたのですが、もっと別のことに挑戦したくなってから試行錯誤がはじまりました。

その後、たったひとりで年間数億円を稼ぐアフィリエイターに出会ったことがきっかけでブログに挑戦したり・・・・・ほとんどの日本人がビットコインなんて知らなかった時にビットコイン投資をはじめた結果・・・・・わたしの人生ではじめて、時間とお金の両方に(ほんのちょっとだけ)余裕ができました。

そのおかげでバイクに挑戦したみたり、ラーメン屋を巡ってみたり、社会人になってから長い間ご無沙汰だった読書や映画鑑賞に没頭する時間も増えて、わたしが学んで役立った知識を発信する活動をはじめました。

メルマガをはじめる時はもちろん読者は0人だったのですが、読者を10人、100人、1,000人と獲得し続けて、5,000人を突破する頃には、人生がまるっきり変わっていました。

どうすればいいの?

繰り返しになりますが、「行動できない」という問題を乗り越えるもっとも手軽で確実な方法は・・・・・「インプットする情報を変える」ことです。

しかし「インプットする情報を変える」といっても、たくさん本を読め、とか、新聞を読め、とか、そういうことをアドバイスしたいわけではないのです。

もっとも重要なことは「情報を受け入れる準備を整えること」なのです。

なぜならば・・・・・あなたを変えるかもしれなかった情報は、すでにあなたの目の前を通り過ぎている可能性が高いからです。

たとえば肥満な人がライザップのコマーシャルを見た場合、「わたしもやってみたい」と思う人もいれば、「わたしには関係がない」と思う人もいるでしょう。

またブログや、YouTubeで稼いでいる人が存在することを知ってはいても、実際に情報発信する人は少数派で、ほとんどの人は「わたしには関係がない」、「わたしには無理」と思っているでしょう。

他にも、ビットコインとか、新NISAとか、ChatGPTとか、新しい仕組みやテクノロジーはタケノコのように出てくるけれど、多くの人が興味があるのは大谷翔平の活躍や、政治家や芸能人の不祥事だったりします。

たくさんの情報がすでにわたしたちの目の前にあるのに、「わたしには関係がない」と無意識に判断するような状態を放置するかぎり、「やってみよう!」と行動するようになる可能性はほとんどゼロに近いでしょう。

なにがいいたいの?

「行動を変えない限り、決意だけでは何も変わらない。」という大前研一氏の言葉からはじまって、いろいろなことを説明してきました。長くなってきたので、要点だけをおさらいしましょう。

行動を変えることが重要なことはアタマではわかっている。それにも関わらず行動できない場合には、どうすればいいのでしょうか?

「インプットする情報を変える」ことをアドバイスしました。なぜならば「情報は人の行動を変える」からです。ではその情報はどこにあるのか?

答えは「わからない」でした。なぜならば行動を変える情報は「人それぞれ異なるから」です。どうすれば・・・・・あなたの行動を変える情報に出会えるのでしょうか?

ズバリ・・・・・「情報を受け入れる準備を整えること」が重要なのでした。

昨日までは「自分には関係がない」、「自分には無理だから」と見過ごしていたはずの情報が、今日になってみると「自分には関係がある」、「自分にもできる!」と思えるようになれば・・・・・・あなたは熱心に情報収集し、行動をはじめるでしょう。

重要なことは行動し続けることです。あなたの幸運を祈っています。

P.S. 結局どうすれば?

レポートの序盤で紹介した箕輪厚介さんのツイートのように、「やればいい」(行動すればいい)というアドバイスで十分な人はそれでいいと思います。

たしかに「やればいい」というアドバイスはシンプルかつ本質をついています。しかし「やればいい」というアドバイスだけでは足りない人もいるのです。

事実、わたし自身がそうでした。

「やればいい」といわれても「なにをやればいいんだよ?」と反発したくなったり、「インプットする情報を変える」といわれても「その情報はどこにあるんだよ?」と途方に暮れてしまった経験があります。

「自分には関係がない」、「自分には無理だから」と感じていまう心の状態と、「自分には関係がある」、「自分にもできる!」という心の状態の間には、とてつもなく大きな壁があるのですが、その壁の乗り越え方をわかりやすく教えてくれる人は、なかなか見つかりませんでした。

もちろん世間一般には、壁の乗り越え方を教えてくれるコーチング、精神分析、自己啓発などのビジネスがたくさんあります。しかし話はそう簡単ではありません。

たとえばコーチングや精神分析は、それなりの効果が期待できるのですが、(保険適用外のため)高額です。興味があっても「ない袖は振れぬ」という場合も珍しくないでしょう。

またいわゆる「自己啓発書」のほとんどは数千円で手に入るし、YouTubeでは有益な動画を無料で視聴できるけれど、そもそも自分にとって有益な情報がどこにあるかもわからないし、情報が得られたとしても、その情報を自分の行動につなげられるかは読者自身の力量次第というところがあります。

わたしの場合・・・・・情報を自分の行動につなげる力量もないし、力量もないので当然ながら金銭的な余裕もなく、あるのは少しの時間だけ・・・・・という状態からスタートしたので、「人生を変える」といっても雲をつかむような話で、思考錯誤の連続でした。正直、とても苦労しました。

現実問題として、「人生を変える」といってもたくさんの問題がからんできます。具体的には・・・・・将来・仕事・お金・家族・健康・趣味など、人生に関するテーマは多岐にわたります。