2ちゃんねる元管理人の『ひろゆき』こと西村博之氏のYouTube切り抜き動画が驚異的な再生数を叩き出しています。
切り抜き動画の話題はさまざまです。お金・政治・恋愛・社会・健康のことなど、いろいろ人が抱えるさまざな問題について、ひろゆき氏が軽妙かつ独特の語り口で語っているのですが、なんと・・・
2021年5月中に1回でも切り抜き動画を視聴した人数が1,583万人もいるのだそうです。
きっとあなたも「どうすればいいのか?」と、西村博之氏に質問したくなるような悩みを抱えているはずです。どうすれば「どうしたらいいのか?」という悩みから解放されることができるのでしょうか?
トヨタの「なぜなぜ分析」という問題解決をする上で有名な考え方があります。「なぜなぜ分析」が有効である理由は、現実に直面している問題はあくまでも症状であり、本当の問題が別にある可能性があるからです。
例えば「背中が痛い」という場合、「湿布を貼る」という解決策があり得ます。しかし「背中が痛い」というのはあくまでも症状なのであって、本当の原因は『感染症』、『腫瘍』、『内臓の病気』、『こころの問題』など、別にあるのかもしれないのです。
仮に「背中が痛い」という症状の原因が「内臓の病気」であるとしましょう。その場合、「湿布を貼る」という対策は対処療法にしかならず、背中の痛みはずっと続くでしょう。
「症状」と「症状の原因」を分けて考える思考に沿ってあらためて考えてみると、悩める相談者が「どうしたらいいのでしょうか?」と認識していることはあくまでも症状なのであって、本当の原因は別にあるかもしれないのです。
とするなら「症状」(認識している問題)ではなく、「症状の原因」(本当の問題)に注目して治療しないかぎり、永遠に「どうしたらいいでしょうか?」という悩みから解放されないことになります。
そこで考えてみることにしましょう。
そもそもなぜ???ひろゆき氏にスーパーチャットで投げ銭してまで「どうしたらいいのでしょうか?」と質問する人が多いのでしょうか?
早速そのことについて考えていきたいのですが、まずはその前に「そもそも問題とはなにか?」という点について、あなたとわたしで共通の認識をもっておきたいと思います。
2020年のある日、わたしの大好きな女優さんが自ら命を絶ちました。美人で人気もあり子どももいて再婚もしたばかりで「不幸」とは無縁であるはずの女優が自ら命を絶つなんて・・・・
「他人の気持ちはわからない」といいますが、他人の気持ちをそう簡単に理解できない理由は、『世界体験』がひとそれぞれ異なるからです。世界体験とは、文字通り「世界」をどのように体験しているかということです。
あなたと他人では世界体験が異なります。例えばあなたの友人が太っていて、口臭がきつくて、髪はいつもボサボサだったとしましょう。あなたは「痩せたほうがいいよ」、「口臭ケアはしたほうがいいよ」、「定期的に散髪したほうがいいよ」とアドバイスしたくなるかもしれません。
あなたは自分のアドバイスが正しいと疑いもしないでしょう。しかしあなたの友人が「太っていても問題ない」、「口臭がくさかったのはたまたま」、「散髪にお金をかけるなんてナンセンス」などと考えている場合には、あなたのアドバイスを「余計なお世話」だと感じるかもしれないのです。
では『世界体験』とはどのようにしてつくられているのでしょうか?
ニコラス・ルーマンというドイツの社会学者は、「世界体験」をつくる要素として「社会システム」と「パーソンシステム」の2つを挙げました。社会システムは「メガネ」、パーソンシステムは「目」と考えるとわかりやすいでしょう。
わたしたちはそれぞれ異なる「目」(≒パーソンシステム)と「メガネ」(≒社会システム)で世界を認識しているがゆえに、それぞれ異なる「世界体験」をもつというのです。
では「パーソンシステム」(≒目)と「社会システム」(≒メガネ)とは具体的にどのようなものなのでしょうか?
社会システムとは、ひらたくいえばその社会の「常識」のことです。アメリカにはアメリカの、中国には中国の、インドにはインドの、そして日本には日本の常識があります。
例えばインドにはカースト制による偏見や差別がいまだに根強く残っているのですが、日本人の感覚で「自由に生きればいい」とアドバイスしたところで「余計なお世話」だと思われる可能性が高いです。
なぜならば「現世で苦しい生活を送っているからこそ、来世は幸せになれるのだ」と本当に信じている人がたくさんいるからです。日本人には理解できないかもしれませんが、それぞれの社会にはそれぞれ異なる常識があるのです。
また同じ社会の中でも所属する集団によって掟が異なることもあります。例えばお笑い芸人の世界では「先輩が後輩におごる」という不文律の掟があり、サラリーマンの世界でも「ランチで部下は上司よりも高いものは頼まない」とか「部下は上司よりも先に帰らない」いうような不文律の掟があったりします。
パーソンシステムとは、ひらたくいえば「願望や期待の水準のこと」です。願望水準とは「心の奥底で望んでいること」、期待水準とは「現実に期待すること」を意味します。
願望水準も期待水準も高いと世界的でも有名なサッカー選手クリスチャーノ・ロナウドのようになります。「世界ナンバーワンの選手になる」という高い志を実現させるために、プロの選手からみても「アイツの真似はできない」ほど熱心にトレーニングに励んでいます。
逆に願望水準も期待水準も同レベルで低ければどうなるでしょうか?「やりたいこともないので、しょぼい現実でも受け入れる」ようになるでしょう。なぜならば願望水準が低いので、期待水準を上げるために努力すること自体がナンセンスだと感じられるようになるからです。
では「どうしたらいいでしょうか?」と他人に質問するのはなぜなのでしょうか?実は願望水準と期待水準のギャップで説明ができます。
つまり心の底から望んでいるレベル(願望)に現実(期待)が追いついていないため「こんなはずじゃない」と感じているのです。だからこそ「どうしたらいいのでしょうか?」と他人に質問したくなるのです。
はじめから期待していなければ失望もしないのです。お金・人間関係・将来・健康などについて「なんとかしたい」と考えているということは、本人は自覚していないかもしれませんが、期待水準よりも高い願望水準を抱えている何よりの証拠なのです。
そのことを理解すると、実は「どうしたらいいでしょうか?」と質問している人は、人生の分岐点にいることがわかります。
1つ目の道は「高い願望水準に合わせて低い期待水準を高めていく」という道です。2つ目の道は、「低い期待水準に合わせて高い願望水準を低くする」という道です。
あなたはどちらの道を選択するでしょうか?
あなたの世界体験が、「社会システム」と「パーソンシステム」に影響されているということを説明しました。このことを理解すると「どうしたらいいのでしょうか?」と質問する人が多い理由がわかります。
今の日本社会とはどんな社会でしょうか?それは人々が何に「生きがい」をもったらよいかわからない時代です。なぜわからないのか?それは基本的にあらゆることが「自己完結」の時代だからです。
「自己完結」の時代とは、サブカルチャー界隈では「セカイ系」と呼ばれます。「セカイ系」とはなにか?エヴァンゲリオンというアニメを観ればすぐに理解できます。
エヴァンゲリオンではなぜ災いが起こるのか(なぜ使徒が訪れるのか?)という「世界の謎」が描かれます。その一方でなぜ自分はここにいるのか(なぜエヴァに乗って使徒と闘うのか?)という「自己の謎」が描かれます。
そして第弐拾十六話(テレビ版最終話)では驚くべきことに・・・「自己の謎」を解決することで「世界の謎」も解決してしまうのです。わたしたちは「世界現象は自己現象だ」という庵野秀明氏からのメッセージを受け取ります。
「世界現象は自己現象だ」というメッセージは、言葉を変えれば「世界体験(世界現象)は、自己完結(自己現象)だ」とパラフレーズできます。まだピントこない人も多いと思うので、いくつか具体例を挙げます。
冒頭で紹介したひろゆき氏は論破王としても有名ですが、過去に注目されたセリフのひとつに「あなたの感想ですよね?」があります。そう。どれだけもっともらしいことを主張しようが、「あなたの感想ですよね?」と論破されてしまうのです。
例えば2021年7月の東京オリンピック前に東京都知事の小池百合子氏が過度の過労により入院したことがありました。この時、 元・東京都知事の舛添要一氏が「1週間も休むのは政治家失格」、「理解不能」と痛烈に批判しました。
政治倫理からいえば舛添要一氏の意見はそれなりに「もっとも」です。しかしSNS上では「お前がいうな!!」の大合唱。そう。イデオロギーや主張を超越的立場から神の声を代行するように語ることがもはや誰にとっても難しい時代に突入しているのです。
その結果、「わたしの意見」同士が激しくぶつかり合うバトルロワイヤルの時代に突入しています。
コロナ禍の日本を観察していれば、くどくど説明する必要もなくバトルロワイヤルの時代がどういうものかわかるはずです。
コロナ禍をどう乗り越えるかについて、日本ではさまざまな意見が衝突しました。政府としては・・・専門家としては・・・観光業としては・・・日本医師会としては・・・飲食業としては・・・現場の医師としては・・・東京オリンピックのスポンサーのメディアとしては・・・
さまざまな事情を抱えているさまざまな立場の人が、自分たちの利益を主張しぶつかり合いました。まさに弱肉強食とはこのことです。それぞれの立場の人は「自分たちの利益を守ること」を優先させているのです。
しかし厄介なことに、それぞれの立場の人たちは表向きは「社会全体の利益を守ること」を旗印にしており、本人たちもそう固く信じているということです。
そう。バトルロワイヤルの時代とは、「社会全体の利益を守ること」を旗印にした『小さな正義』同士がぶつかり合う時代のことなのです。
バトルロワイヤル時代にすでに突入した日本において「どうしたらいいのでしょうか?」と質問することの危険性がわかるでしょうか。
もしわたしが特定の目的のためにあなたを仲間に引き入れたい場合には、あなたの話をじっくり聞いたあとに、あなたに優しく語りかけるでしょう。
「そうですか。あなたの事情はよくわかりました。つらかったですね。あなたには真実をお伝えしたいと思います。実は・・・・・」と。
「どうしたらいいのでしょうか?」と真剣に悩んでいるマジメで頭のいい人ほど、『もっともらしい話』に引き込まれるでしょう。
そう。オウム真理教の信者が、教祖から「サリンを撒け!!!」と命令されてサリンを撒いたように、あなたも『他人に言葉』に囚われているうちは、同じ過ちを繰り返すかもしれないのです。
事実、「儲かる」とアドバイスされてよくわからない投資に手を出したり、「日本は財政破綻する」とか「コロナのワクチンは危険」という主張をそのまま鵜呑みにして、過剰なまでの不安に囚われて思考を停止させてしまう人がたくさんいるのです。
もしあなたが気づいたときには「カルト宗教の信者になっていた」、「あやしい儲け話に手を出していた」、「陰謀論者になっていた」・・・ということになりたくなければ、気軽に他人に「どうしたらいいのでしょうか?」と質問し、もっともらしい答え(真実)を素朴に信じるべきではないのです。
そう。残念ながら・・・「他人からの言葉」がないと自分から行動することができない人は、本質的な意味では『奴隷』なのです。『奴隷』をやめるにはどうしたらいいのでしょうか?答え:『他人からのアドバイスがないと行動できないあなたをやめること』。
あなたは『奴隷』をやめたいでしょうか?もしあなたは『奴隷』をやめたいと願うなら、レポートを読み進めてください。日々やるべきことがあって、あなたが忙しいことはわかっていますので、あまり難しいことをアドバイスするつもりはありませんので安心してください。
今回のレポートで何度も登場しているひろゆき氏は、「優秀な人はどんな人?」という質問に対して「結果を出した人」と即答しています。では結果を出すためにはどうすればいいのでしょうか?
実は結果を出すための方法論は、「パーソンシステム」と「社会システム」という2つの観点から説明することができます。
まずは「パーソンシステム」の観点から、結果を出すための方法について説明することにしましょう。
あなたは『ジョン万次郎』を知っているでしょうか?ジョン万次郎は、江戸末期にアメリカに渡り、帰国後に土佐藩校の教授や日米修好通商条約締結のさいに通訳を務めた人物です。ジョン万次郎の人生は、現代に生きるわたしたちに大きなヒントを与えてくれるので紹介したいと思います。
ジョン万次郎は14歳のときに漁に出て遭難し、無人島に漂着したところを運よくアメリカの捕鯨船に救助されます。そしてアメリカに渡り、捕鯨船の船長の養子として暮らすようになります。
ジョン万次郎は日本で寺子屋教育を受けたことがなく、読み書きもそろばんもできませんでした。それにも関わらず、ジョン万次郎はアメリカに渡ってから熱心に勉強を始め、オックスフォードビレッジスクールに入学し、英語、数学、測量、航海術をなどを学びます。
卒業するとジョン万次郎は捕鯨船の乗組員として生活するようになりますが、西部で起こったゴールドラッシュに目をつけて、金の採掘で大儲けします。そしてその資金で漂流してから10年後、日本への帰還を果たすのでした。
ジョン万次郎の体験談は『漂巽紀略』(ひょうそんきりゃく)という本にまとめられているのですが、その本を読めばジョン万次郎がアメリカでとった選択と行動のすべてが故郷への帰還のためのものだったと受け止めないわけにはいきません。
そう。マンガ「ワンピース」の主人公ルフィーは「海賊王に俺はなる」と確信し、ジョン万次郎は「日本に帰還する」と確信していたのです。
「できなかったらどうしよう」だなんてことは最初から考えてもいなかったのでしょう。だからこそジョン万次郎は、とんとん拍子で人生がひらけるまるでファンタジーのような人生を現実に生きることができたのです。
ジョン万次郎の存在は、人間の潜在能力を発揮し、離れ業のようなことをやってのけ、本当に望むことを実現してしまう好例といえるでしょう。人間は本当に望んでいることがあれば、無意識のうちに目標に向かい、やり遂げてしまうパワーをもっているのです。
信じられないパワーを発揮した人物をもう一人紹介しておきます。
『星の王子さま』という作品で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリには、「人間の土地」というエッセイ集があるのですが、そのエッセイ集のなかに『嘘みたいな本当の話』がのっているので紹介します。
サン=テグジュペリは哲学者でもあり作家でもありジャーナリストでもあったわけですが、同時に郵便飛行機のパイロットでもありました。そんなある日、同僚の操縦する飛行機が雪山に墜落したという衝撃的なニュースがサン=テグジュペリの耳に飛び込んできます。
サン=テグジュペリはとっさに「助けに行かなければ!!」と思ったそうなのですが、「雪山に墜落して生きているわけがない」というような諦めムードが漂うなかで、同僚の生存は絶望的だと思われていました。
しかし本当に驚くべきことに・・・雪山に墜落した同僚は・・・自力で生還を果たすのでした。どうやって???
雪山に墜落した同僚自身、「もうダメだ」と諦めたそうです。しかし気がかりなことがありました。もし自分の死体が雪山に埋もれて発見されなかった場合、保険金が下りずに家族が困ることが心配になったのでした。
だから同僚は目の前の岩にしがみつこうと決意しました。自分の死体が雪に埋もれないようにするためです。そして目の前の岩まで到着すると「次の岩までいこう」と決意し、次の岩に到着するとまた「次の岩まで頑張ってみよう」と決意し、あと一歩、あと一歩と頑張り続けることを続けたのだそうです。
その結果としてサン=テグジュペリの同僚は生還できた・・・・というストーリーなのですが、わたしたちはジョン万次郎やサン=テグジュペリの同僚のエピソードからどのようなメッセージを受け取るべきでしょうか?
願望水準を満たすためには、時には面倒なことでもやらなければいけません。しかしそれを「やらなければいけない」と考えるかはまた別の話です。
例えばマラソン選手にとって走ることはツライことですが、ツライなら走るのをやめればいいのです。しかし走るのをやめられないのは理由があるからです。
ジョン万次郎にとっての理由は「祖国への帰還」でした。サン=テグジュペリの同僚にとっての理由は「家族に保険金を残す」でした。
「結果を出す」といったところで、その「結果」が意味することは人それぞれです。あなたが出したい「結果」とは、どのようなものなのでしょうか?
質問を変えましょう。どのような「結果」であれば、ジョン万次郎やサン=テグジュペリの同僚のように、あなたは頑張ることができるのでしょうか?
どのような「結果」のためであれば、「他人からのアドバイス」がない状況でも、今すぐ行動することができるでしょうか??
わたしが大学生の時、東北にある混浴の露天風呂に友人と遊びにいったことがあります。『混浴風呂』という響きにウキウキしましたが、いざ到着するとウキウキした気持ちは絶望に変わりました。
現場に到着すると大学のサークルで遊びにきたらしき若い男女や、外国人の観光客が想像していたよりもたくさんいたのですが、すぐに我に返りました。わたしは自分のカラダに自信がなかったのです。
そのため壮大な自然を楽しむ余裕もほとんどなく、たるんだ自分のカラダをタオルで隠すことで精いっぱいになってしまったのです。そして混浴風呂に遊びにきたことを後悔しながら楽しくない時間を過ごしました。
今振り返って考えてみると笑い話ですが、わたしは混浴の露天風呂で楽しむということがどういうことかあまりよく理解していなかったのにも関わらず、「混浴風呂」という言葉の響きに浮かれていたのでした。
わたしの過去にあった恥ずかしい笑い話をここで紹介してまであなたに伝えたかったことは、「あなたは準備ができているのか?」ということなのです。準備ができている人は、いざ願望を叶えるチャンスが訪れたとき、迷わずそのチャンスをつかみます。
しかし逆に準備ができていない人はいざ願望が叶えられるチャンスが目の前にあったとしても、「恥ずかしい」とか、「居心地が悪い」とか、「こんなはずじゃかった」とか、「また次の機会があるさ」とか、「今日はなんだか体調が悪い」とか、「もう少し考える時間がほしい」など、いろいろな言い訳をしてチャンスを棒にふってしまうのです。
世界的に超有名なサッカーにクリスチャーノ・ロナウドという選手がいます。日本でもバキバキの腹筋を武器にシックスパッドのCMでもお馴染みのロナウドは、試合になると「俺にボールをよこせ!!」という強気な態度でゴールを量産しています。
サッカーにあまり興味がない人のために、NiziUのリーダーであるマコさんの話をします。日本テレビの朝の情報番組「スッキリ」では、NiziUのメンバーを決めるオーディション企画が放送されていました。
わたしが印象的だったのは、他のメンバーが不安そうな顔をしてオーディションに参加するなか、のちにNiziUのリーダーに抜擢されるマコさんだけは自信満々だったことです。
プロデューサーであるJ.Y. Park(本名:パク・ジニョン)はマコさんにこんな言葉を投げかけました。「マコさんはデビューする準備ができているように思います。」と。
サッカーにも芸能にも興味がない方のために、料理の話をします。ドラゴンシェフという番組があります。次世代のスター料理人を目指すべく、若手の料理人が名誉と優勝賞金の1,000万円を競い合う企画なのですが、上位にいる選手は自信満々です。「どんな状況であれ、自分が一番おいしい料理を提供できる」と信じて疑いもしていない表情をしているのです。
どうすれば「準備ができている人」になれるのでしょうか?
実は「準備ができている人」になる秘訣は、願望を実現した未来の自分にどれだけ臨場感をもてるか?にかかっています。
『ゴールを量産している世界最高のサッカー選手』、『世界で活躍しているアイドルグループをけん引しているリーダー』、『優勝賞金1,000万円を獲得した若手ナンバーワン料理人』という状態を自分のなかでどれだけ『当たり前の状態』にできるかが鍵になります。
もし願望を実現した未来の自分を『当たり前の状態』にすることができなければ、それは自分が願望を実現することに臨場感がもてない(≒自分を信じられない)ということなので、願望を実現できない(≒●●したい)という態度になってしまうのです。
例えばクリスチャーノ・ロナウドは実生活でコーラを飲まないことで有名です。参加した大会のインタビュー中に、目の前にあったコカ・コーラをどけて「水!!!」と発言したことで、コカ・コーラの株価が大暴落したというエピソードもあります。
清涼飲料水を飲まないことはわたしにとっては拷問です。マクドナルドにいけばコーラが飲みたくなります。しかしもしもし本当に『ゴールを量産する世界最高のサッカー選手』であることが自分にとって当たり前であると信じることができるなら、迷わず『コカ・コーラを飲まない』という選択をするはずです。
いたずらに自分を痛めつける必要はないのです。とはいえ「好きなことだけをやれば幸せになれる」だなんていうつもりもありません。本当に心の底から実現したいことがあるなら、やるべきことをやっている自分を誇らしいと感じるはず・・・ということを言いたいのです。そう。コカ・コーラを飲まないクリスチャーノ・ロナウドのように。
あなたが心の底から実現したいことは一体どのようなことなのでしょうか?
実は多くの人は知らず知らずのうちに、他人にとって都合のいいように行動しています。例えば高畑充希さんが「今日、ケンタッキーにしない?」と提案するCMを何度も繰り返し見ているうちに、「ケンタッキーが食べたい」という欲求が蓄積されます。
そしてある日、ケンタッキーのことを思い出したときに「そうだ!!今日はケンタッキーが食べたい!!」という強烈な欲求に襲われて、気づいたらケンタッキーでお金を払っているのです。
そう。どのような商品・サービスのCMであれ、その目的は「あなたに不満をもってもらい、不満を解消するためにお金を支払ってもらう」という点にあるのです。なぜCMを観ると不満になるのでしょうか?
それはCMのなかの世界とテレビの前の現実にはギャップがあるからです。CMのなかの世界は幸せそうですが、テレビの前にいる自分が見ている世界は必ずしもそうではありません。
だからCMを繰り返し何度も見れば見るほどストレスがたまるのです。ストレスを解消する方法は唯一「お金を使う」ことだけです。昨今では番組そのものが『宣伝』のようになっています。
ですからテレビをみればみるほど「満たされない欲求」に晒(さら)されて、ひたすらお金を失うリスクを高めることになるのです。
そう。テレビのCMは、「ケンタッキーを食べるのが当然だ」、「マイホームをもつのが家族の幸せだ」、「無駄な脂肪のないカラダをつくるのが当然だ」という意識をあなたに植えつけているのです。
テレビのCMをみれば問題意識(例:痩せなきゃ)をもつことができます。しかしその問題意識は、他人から植え付けられたものです。テレビが無料で視聴できるのはスポンサーがお金を払っているからなのですから、当然といえば当然です。
あなたは他人から植えつけられた問題意識を解決するために人生の時間を使いたいわけではないでしょう。どうすれば知らず知らずのうちに他人の都合のいいように行動するように仕向けられているのに、そのことを自覚していない『奴隷状態』から抜け出すことができるのでしょうか?
テレビコマーシャルに、視聴者の行動を後押しする効果(しかも絶大な)があることは間違いのない事実でしょう。とするなら、あなたも自分のCMをつくってしまえばいいのです。
もちろんCMを他人に披露する必要はありません。あなたが心の底から実現したいことを達成したときに、あなたが経験するであろう状況を、あなたの脳内で再生できれば十分です。
クリスチャーノ・ロナウドであれば、ポルトガル代表に選ばれて、ワールドカップも優勝し、毎試合のように得点を量産し、年間最優秀選手に選ばれて、助手席には美女をのせて高級車をのりまわし、そのために早起きして誰にも真似できないくらいストイックに節制&トレーニングしている・・・・というような映像を自分のために用意するでしょう。
クリスチャーノ・ロナウドにとっては試合に勝つことも得点を決めることも最優秀に選ばれることも「当たり前の状態」なのです。だから試合に負けたり得点を決められなかったりすれば、『こんな状態はわたしにふさわしくない』と激昂し、そのエネルギーを「当たり前の状態」に戻るために使うのです。
あなたはあなたのためにどのような映像を創るでしょうか?どのような状態を「当たり前の状態」にするでしょうか?あなたにとってふさわしい環境とはどのようなものでしょうか?もし実現できなかったら激しい怒りや失望を感じるものとはどのようなことでしょうか?
さて、結果を出すための方法論は「パーソンシステム」と「社会システム」という2つの観点から説明することができると宣言しましたので、ここから先は「社会システム」の観点から「結果を出すための方法」についての説明を続けたいと思います。
「心の底から実現したいことを実現している自分に臨場感をもつ」ことが、あなたが現状から抜け出す第一の関門になるわけですが、第二の関門は「実現する方法を発見する」という点にあります。
そして「実現する方法を発見する」上で重要なポイントは「自然法則や社会法則に逆らわない」です。当たり前の話に聞こえるでしょうが、意外に多くの人がそのことを理解せずに、エイヤとばかりに独りよがりに目標を決めてしまうのです。
歴史を振り返れば、頭のいいはずの人でも独りよがりに目標を設定し、そして無残にも失敗していることがわかります。
例えば戦時中の日本の増産目標。あまりに目標を勝手に決めるものだから、工員やら勤労動員された学生がどれだけ努力したって、どうにも目標が達成できませんでした。
故・森嶋通夫教授(ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス 名誉教授)は、当時を振り返って「なんだか自然法則にさからって動いているみたいだった」と語っています。
戦後の中国もそうでした。毛沢東国家主席は「経済大躍進」(1958~)のとき、当時の経済超大国だったイギリスを上回る工場生産を5年で達成するという目標を掲げました。
イギリスが100年かかってやったことを中国は5年で達成するというのですからとんでもない目標です。では結果はどうなったでしょうか?
ズバリ、大失敗。農民は1日8時間の労働ノルマを完遂したあと自発的に何時間も働いて頑張ったのに、大躍進するどころか破滅にむかって直進していったのでした。
笑うなかれ。コロナ禍にあえぐ日本でも「オリンピック開催前の2021年7月末までに、高齢者へのワクチン接種を終わらせる」という目標を立てたものの大失敗。
まずワクチンが足りない。予約システムに不備がある。ワクチンが届いても接種体制が整わない。大規模接種会場を準備するもワクチンを接種する人がなかなか集まらない・・・・などの問題に、次々に直面したのでした。
「願えば叶う」と信じる態度のことを『念仏主義』といいます。そして現代日本でも念仏主義や根性論がまかりとおっています。確かに何もせずにいるよりも、何かに頑張っているほうが充実感も味わうことができるでしょう。
しかし自然法則や社会法則に逆らえば、すべての努力が水の泡になってしまうことだってあるのです。くれぐれもご注意を!!!
「99%の努力と1%のひらめき」というのは、発明家エジソンの有名な言葉です。どういう意味でしょうか?ほとんどの人は「努力すれば道が開ける」というように理解しているはずです。
しかしエジソンの真意はまったく別のところにあるのです。エジソンが本当に伝えたかったことは「1%のひらめきがなければ、99%の努力はムダになる」ということなのです。ではどうすれば「ひらめき」を得ることができるのでしょうか?
「ひらめき」や「アイディア」に関する本はたくさん出版されており、あらゆる種類のアドバイスがありますが、わたしからのアドバイスは「ズルくなれ」です。「ズルくなれ」とは「卑怯になれ」という意味ではありません。「ズルくなれ」とは「システムの動きを熟知せよ」という意味です。
ここで復習です。『世界体験』(≒あなたが見ている世界)をつくる要素は「社会システム」と「パーソンシステム」の2つあることを説明し、社会システムは「メガネ」、パーソンシステムは「目」に例えました。
そう。アファメーションというテクニックにより「目」を鍛えたあとは、「メガネ」をメンテナンスする必要があるのです。メガネが曇(くも)っていては、あなたが行きたいところまで行く前に、穴に落ちて自滅したり、誰かに騙されたりするかもしれないのです。
例えば仮に「お金に苦労したくない」のであれば資本主義というシステムについて理解しなければいけませんし、仮に「愛を感じたい」のであれば、「愛の歴史」や「感情の働き」などについて理解しなければいけないのです。
くれぐれも自然法則や社会法則に逆らわないように。実現できもしないことを目標にしないように。頑張りさえすれば結果がでると勘違いしないように。
「心の底から実現したいことを実現している自分に臨場感をもつ」⇒「実現する方法を発見する」という2つの関門をクリアしたら次に何をするべきでしょうか?
もちろん答えは「行動」です。「理想の実現に一歩ずつ近づいていく」ことが第3の関門になります。そう。あとはやるだけなのです。裏を返せば「あとはやるだけ」という状態にたどりつくことが重要なのです。
例えば通販で商品を購入し、決済手続きを完了し、配送日を指定したら「あとは待つだけ」です。自動販売機にお金を入れてボタンを押したら「あとは飲むだけ」です。
そう。「あとは●●するだけ」という状態は、実現可能性を強く信じている状態です。「努力しても報われないのではないか?」などというような疑いとは無縁の状態です。
もしあなたが「あとは●●するだけ」という状態になれば、すでにさまざまなストレスや不安とは無縁になっているはずです。むしろ遠足の前日に興奮したときのような充実感に包まれているはずです。
例えば、給料が振り込まれるとわかっていれば安心できるでしょう。旅行の直前はウキウキするでしょう。美味しい料理を目の前にしたら笑顔になるでしょう。
そう。「あとはやるだけ」という状態は、すでに幸せな状態なのです。実現したいことを実現する前からすでに幸せな人が「いつも幸せな人」なのです。
あなたは「いつも幸せな人」になるためにクリアすべき『3つの関門』について理解しました。「あとはやるだけ」のはずですなのですが、なかなか行動できない方のために、もう少しだけ話を続けたいと思います。
先日バスで移動していたらお母さんと二人で移動している子どもが騒いでいました。お母さんは子どもを注意するのですが子どもは騒ぐのをやめません。
困ったお母さんは子どもにこういいました。「周りを見てみなさい。あなたみたいに騒いでいる人は他にいないでしょう?」と。
日本ではこのように「周囲と自分を比較して行動を決める」というのが伝統になっています。そう。日本は「空気の支配する国」なのです。事実、いまだに日本の学校では整列するときに「前ならえ!!」をやっているし、志望校を「偏差値」というモノサシで決められている人も多いのです。
自分で決めているようで実のところほとんど自分の頭をつかわなくても、なんとなく「人生のレール」にのったような気分になれるのです。しかし「人生のルール」というようなものは錯覚です。
いい大学に入りなさい。大企業を目指しなさい。公務員(官僚)になりなさい。結婚しなさい(離婚はするな)。というような「もっともらしい」アドバイスに素直に従えば必ずしも幸せになれるわけではないのです。
学歴なくても収入の高い人はたくさんいるし、大企業でもブラック労働が問題になっているし、東大を卒業した優秀な学生は官僚を目指さなくなっているし、結婚生活に過剰に期待して「こんなはずじゃかった」と悩んでいる人もたくさんいます。
時代はものすごい早さで変化しています。グローバル競争は苛烈で、10年後の社会がどうなっているか誰にもよくわからないような状態が続いています。先行き不透明な非日常が「日常」になっています。
日本ではバブルが崩壊し、オウムがサリンを撒き、東日本大震災があり、東京オリンピック開催の矢先にはコロナ禍が直撃し、まさに「泣きっ面に蜂」の状態です。どうすればいいのでしょうか?
実は「どうすればいいでしょうか?」と他人に質問すれば突破口が見つかるかもしれないと期待すること自体が、日本人の「周囲と自分を比較して行動を決める」という特性を如実にあらわしているのです。
だからといって子どもの頃から「ああしなさい、こうしなさい」とアドバイスされるのが普通の状況にどっぷりとハマってしまったら、『自分の頭で考えなさい』といわれてもなかなか実践することができないのです。
『バカの壁』でも有名な養老孟子さんの講演会で、「自分の頭で考えなさい」とアドバイスした矢先の質問コーナーで「どうすればいいのでしょうか?」というような質問があったことが笑い話にもならないのが今の日本の状況です。どうすればいいのでしょうか?(笑)
中世の時代まで王様でも自由に好き勝手できる権利をもっているわけではありませんでした。なぜか?それは一般人から王様まで全員が『伝統主義』に囚われていたらです。『伝統主義』とは「伝統を大事にする主義」ではありません。
大塚久雄東京大学教授によれば伝統主義とは、「先祖や父母たちがやってきた、そして、自分たちも今までずっとやってきた、そういうことがらを、過去にやった、あるいは過去に行われたという、ただそのことだけで、将来における自分たちの行動の基準にしようとする」主義のことです。
伝統主義をぶち壊すところから近代がはじまるわけですが、日本は伝統主義をぶち壊すことができません。新学期を4月から9月にすることもできないし、ハンコも廃止できません。
コロナ禍でも古い仕組みで対応できないなら新しい仕組みをつくればいいと思うことがたくさんあったでしょうが、日本人は新しい仕組みを導入することよりも「しょうがない」といって諦めることを選ぶのです。
誰もが薄々「何かがおかしい」と気づいてはいます。今すぐ何かを変えなければいけないと感じています。しかし日本の総理大臣はこんなことをいっていました。
2021年4月21日の総理記者会見で「内閣総理大臣の権限を持ってしても、なぜ日本ではコロナの病床数が増えないのか」との質問に対し、「平時に法律を作っていきたい」と発言したのです。
林先生でなくても「今でしょ??」とツッコみたくなったでしょうが、「しょうがない」といわれれば「そんなものか」と納得してしまうのが日本人なのです。
「十で神童、十五で才子、二十歳過ぎれたただの人」という成句がありますが、学生のときは高い志をもった人でも日本では社会人になって3年目も経過したころにはただの人になっているのです。
「どうすればいいのでしょうか?」と質問することばかりに慣れきって自分の頭で考えることを忘れている人ばかりがあふれている日本の現状で、「日本をどうするか?」というような議論をいくらしたところでムダです。
コロナ禍におけるアメリカでは、仕事を失った劇団員がコロナ接種会場で受付をやり、消防士がワクチンを接種しました。緊急事態を乗り越えるために、さまざまな職業の人たちが一致団結したのです。
では日本はどうか?日本では歯科医にワクチンを打たせる案が浮上したものの、歯科医の仕事を休んでワクチンを打ってもらうための補償金について、医師会と歯科医師会で水面下のバトルが勃発。一致団結するまでにタイムラグがありました。
残念ながら・・・日本には・・・長期的な日本全体の利益について議論する人が誰もいないのです。医師としては・・・観光業としては・・・飲食業としては・・・中小企業としては・・・大企業としては・・・スポンサーとしては・・・と、お互いがお互いの利権のために戦うバトルロワイヤル状態です。
あなたはバトルロワイヤルを生き残ることができるでしょうか?
お互いがお互いの足を引っ張り合うのがバトルロワイヤルの特徴ですが、コロナ禍でバトルロワイヤル状態であることが「見える化」されただけで、実はもう何十年も前から日本はバトルロワイヤルに突入していたのです。
事実、日本経済は平成の30年間ほとんど成長することなく低空飛行を続けました(デフレ経済!!!)。2019年の「一人当たり生産性」はOECD加盟37カ国中26位。実はもうすでにお隣の国、韓国にも抜かれているのです。(日本:824万円、韓国835万円)
社会を削って(単身赴任、サービス残業、非正規雇用)経済の穴をなんとかして埋めてきましたが、もうこのままの状況を続けても明るい未来はないことはみんなが薄々気づいているでしょう。だから将来のことが不安になるのでしょう???(例:老後資金2,000万円問題)
そしてコロナ禍においても、日本は低空飛行を続けました。コロナの新規感染者は欧米よりも少なかったのに、医療はアッサリと崩壊し、コロナ病床の増加も叶わず、ワクチン接種も出遅れて経済を回すどころの話ではありません。
日本のバトルロワイヤル状態はこのままも続くでしょう。そしてこのままの状態がずっと続くのであれば、いずれ日本の経済や社会が崩壊するのは目に見えています。南無阿弥陀仏。。。。。
気分が暗くなる話をしました。事実であっても「聞かなかったことにしたくなる」ほど残念すぎる話だったと思います。
しかしもしあなたが「暗い話はもうたくさん!!!」と思ったなら、わたしが暗い話をした意味があったというものなのです。
暗い話をされたから暗い気分になる。明るい話をされたから明るい気分になる。のであれば、実はそのこと自体が、「あなたが空気に支配されている」何よりの証拠なのです。
日本が沈むとしてもあなたまで沈まなければいけないわけではありません。確かに下を見たり(現実を直視)、横をみたり(周囲の価値観に縛られる)するなら、あなたも同様の運命を辿るでしょう。
しかし「上をみて生きる」ならあなたの運命は「現状維持の既定路線」とは異なるものになるはずです。心の底から実現したいもののために、目標を立てて、計画を立てて、実行し続けることができるかどうかがあなたの未来を決めるのです。
最後に一言。東日本大震災の教訓をあなたに。
宮越田老地区には高さ10メートル以上のギネス級の堤防がありました。しかし住民の98%が亡くなりました。その一方で高さ5メートル前後の堤防しかなかった釜石市は、小学生六百数十人が一人を除いて助かりました。なぜこのような「差」が生まれたのでしょうか?
釜石市の小中学校全14校では、防災危機管理アドバイザーで群馬大学名誉教授の片田敏孝(かただ としたか)教授が、「津波てんでんこ」の大切さを学んでもらうと2005年から特別教育を実施していたのです。「津波てんでんこ」とは、「津波のときは、てんでんバラバラに逃げろ」の意味です。三陸沿岸の言い伝えです。
「津波のときは、てんでんバラバラに逃げろ」なんて当たり前のアドバイスのように感じるかもしれません。しかしそうではないのです。日本は「空気の支配する国」なので、「我先に逃げるなんてかっこ悪い」という空気が充満したら最後。その空気にあらがうのが難しいのです。
「このままじゃダメなことがわかってはいるが、今さらやめられない」という態度を方向転換できなければ、あなたの悪い予感はきっと当たるでしょう。そして将来のあなたは「なんであの時に行動しなかったのか」と過去の自分を責めるに違いありません。
あなたは「あなたの人生の経営者」なのです。だとすれば空気を読んでいる暇はないはずです。
結果を出すためのコツについて説明してきましたので、これまでの内容をまとめておくことにします。
まず結果を出すためのコツは「結果を出したい」と願うことではなく、結果を出している自分を「当たり前」だと信じることにあります。
とはいえ「願えば結果がでる」わけではありません。頭の中で思い描いた理想を実現するためには、「自然法則や社会法則に沿って行動する」必要があるのです。
例えばプロのスポーツ選手がルールを熟知するのは当然です。同様に、あなたもあなたが勝負するゲームにおけるルールを熟知する必要があるのです。
さらに「津波てんでんこ」の言い伝えについても紹介しました。周囲の顔色をキョロキョロみて行動してばかりでは、チャンスを逃すかもしれません。くれぐれも空気を読みすぎて、タイミングを逃さないように!!!
「どうしたらいいのでしょうか?」と質問しなくては前に進めない自分をやめることが、結果を出し続ける秘訣です。
「どうしたらいいのでしょうか?」と質問する自分をやめるプロセスをまとめると、「心の底から実現したいことを実現している自分に臨場感をもつ」⇒「実現する方法を発見する」⇒「理想の実現に一歩ずつ近づいていく」となるでしょう。
とするならあなたが常日頃から意識するべきことは「自分が心から実現したいことはなにか?」、「そのためにどのような目標(ハードル)をクリアするべきか?」、「具体的に今やるべきことは何か?」の3点になるはずですので、それらを『結果を出す戦略図』として1枚の図にまとめておくことをおススメします。
☆のなかには「あなたが心の底から実現したいこと」具体的には「自分専用のCM映像」が入ります。そして〇のなかには、あなたが達成するべき目標が入ります。その上で、「今するべきこと」をやるのです。
【結果を出す戦略図】は、「心の底から実現したいことを実現している自分に臨場感をもつ」⇒「実現する方法を発見する」⇒「理想の実現に一歩ずつ近づいていく」というプロセスを常に忘れないため工夫のひとつとして提示したものです。
きっと「現在のあなた」と「理想を達成しているあなた」の架け橋となるはずです。
もしかしたら今のあなたにとって「自分が心から実現したいことはなにか?」、「そのためにどのような目標(ハードル)をクリアするべきか?」、「具体的に今やるべきことは何か?」のそれぞれについてよくわからないかもしれませんが、「継続は力なり」というではありませんか。
あなたの「どうすればいいのでしょうか?」という疑問に、あなた自身の手で答えを出すために是非ともご活用ください。
【最後に】
「自分の人生の経営者」であることに気づいたあなたには、日本人でもっとも有名な経営コンサルタントである大前研一氏のアドバイスを授けます。
大前研一氏は起業家の卵にこんなことをアドバイスしています。「起業してから1年後までに自分が書くであろう日記を、今の時点で書いておきましょう」と。
ようするに大前研一氏は「未来の記憶」をつくることを推奨しているのです。大前研一氏自身もサラリーマン時代には、週末の予定は2年先まで埋めていたといいます。
2年先まで楽しい予定が埋まっているのですから、日々の生活が充実しないわけがありません。あなたも【結果を出す戦略図】を眺めながら、未来の予定を埋めてみませんか?
きっと「どうしたらいいでしょうか?」と誰かに質問しては、思うような答えがなかなか得られずに悶々(もんもん)とするといったストレスから解放されるはずです。