■ はじめに
本レポートは「とにかく将来が不安。 投資したいがリスクも怖い。どうしたらいいですか?」という悩みを抱えている方に向けて執筆しました。
なるべく専門用語を使わずに執筆しましたので、あなたが経済や投資の話に馴染みがなくても大丈夫です。是非とも最後までお付き合いください。それでは早速はじめましょう!!!
あなたが投資に興味をもっているのは『資産を増やして将来に備えたいから』とか『いざという時に備えたいから』でしょう。しかし・・・・現実は甘くありません。
投資をはじめたくても「そもそも元手がない」とか、「リスクが怖い」という悩みを抱えている人がとても多いのです。
本レポートは「そもそも元手がない」・「リスクが怖い」という2つの悩みを同時に解決するために執筆しました。
なぜ同時に解決できるのかといえば、「そもそも元手がない」・「リスクが怖い」という悩みの根本は同じだからです。それは・・・
「そもそも元手がない」・「リスクが怖い」という悩みの根本は、「伝統的な投資」と「一般的な投資」を混同しているという点にあります。
現代人が「投資」という言葉から想像するのは「株式投資」、「投資信託」、「仮想通貨」、「不動産投資」、「国債、社債」、「NISAの利用」、「iDeCoの利用」、「FX」などでしょう。
しかし伝統的な意味での【投資】は、まったく別のことを意味する言葉なのです。伝統的な意味での【投資】とは、一体、どのようなものなのでしょうか?
本来の意味での【投資】を理解する手掛かりは、伝統的な経済学における「国内総生産」という指標のなかに隠れています。
国内総生産の内訳は【消費】と【投資】です。そして経済学における【投資】とは「生産財の購入のこと」なのです。
例えば機械を買ったり、工場の建物を建てたりすることを【投資】というのであって、株や債券などの金融商品を購入することを投資というのでは「ない」のです。
かつて一般的な「投資」の世界は、『虚経済』といわれていました。しかしいつの間にか『虚経済』という言葉は死語になり、投資といえば虚経済における「投資」のことを指すのが一般的になりました。
しかし伝統的な【投資】の世界(以下、実体経済)と、一般的な「投資」の世界(以下、虚経済)では、ゲームのルールが異なるのです。
実体経済における投資の成功とは、「誰かの役に立つことでリターンを得ること」による利益の増加です。例えば「今までできなかったことができる」ようになったり(イノベーション)、「今までできたことを効率よくできる」ようなった結果として利益を増やすことが、実体経済における投資の成功です。
一方で虚経済における投資の成功とは、「お金でお金を増やすこと」ことです。例えば「値下がりした時に購入した株を、値上がりした時に売る」ことが虚経済における成功なのです。
実体経済における投資で成功を目指す人も、虚経済における投資で成功を目指す人も同じ『投資家』という言葉で一括りにされていますが、あなたはどちらの投資に挑戦するべきでしょうか?
これまで解説してきた情報を前提にして、「将来が不安だから投資に興味があるが、まだ挑戦していない」という人の状況を整理してみましょう。
そもそもなぜ将来が不安なのでしょうか?
答えは「景気が悪くて先行き不透明だから」でしょう。景気というのは一般的にGNP(つまり実体経済)の世界のことです。GNPの内訳を意識しながら、説明を聞いてください。
商品・サービスの売れ行きが悪く(つまりCの数値が悪い)、先行きが悪いという理由で企業が【投資】を控えれば(つまりIの数値が悪い)、結果としてGNPの数値は悪くなります。
GNPは医者にとっての患者の顔のようなものなのです。医者は患者の顔色が悪ければ、詳しい原因はわからなくても「この患者は具合が悪いんだな」と判断できます。
同様に経済学者だけでなく一般の人もGNPが悪ければ、詳しい原因がわからなくても「この国は景気が悪いんだな」と判断できるのです。
景気が悪ければ賃金は上がらないし、賃金が上がらなければ将来に不安をもつのは当然だし、将来に不安をもてば消費や【投資】を控えるのが当たり前なので、結果としてますます景気の先行きは不透明になるわけです。
つまり「不安」と「原因」をまとめると以下のようになります。
多くの日本人が「将来の不安」に悩んでいます。原因は「景気が悪い状態が続いている」ためです。日本人は何をしたでしょうか?
結論からいえば・・・・平成の約30年間、大多数の日本人は「投資」も【投資】もしませんでした。日本は突破口を見つられずに・・・・少しずつ少しずつ沈み続けてきたのです。
大多数の日本人がやったことは銀行への「預金」でした。銀行に「預金」することは『安全・安心』というイメージがあります。しかし・・・低金利の時代、貯金するだけではお金を増やすことができないので、「虚経済への投資に挑戦したらどうか?」というのが金融業界からの提案です。
金融業界からの提案は、一見するともっともらしい提案です。しかし「将来の不安」を生み出した原因が「GNPの低成長」であることを考えると、これほどトンチンカンな提案はないのです。
たとえば頭痛の原因が「脳腫瘍(のうしゅよう)」である場合は、手術をして脳腫瘍を取り除くのが当たり前の解決策でしょう。もし友人から「頭痛薬でも飲んでみたら??」といわれても無視するのではないでしょうか?
しかし「GNPの低成長」という根本原因に直面した日本人は・・・・驚くべきことに・・・・根本的な原因に何も対処できなかったのです。繰り返しになりますが、景気をよくするために消費も【投資】もしませんでした。日本人がやったことは「ひたすら貯金」だったのです。
あなたの貯金をたくさんの人が狙っています。あなたが貯金を切り崩して、消費でも【投資】でもいいのですが、とにもかくにも何かを買ってもらうことを願っているのです。
しかし「ひらすら貯金」を続ける人は「将来の不安」を抱えているので、「とにもかくにも何かを買ってください!!!」というような「お金を減らす」提案には、どうしても慎重になりがちです。
そこに目をつけたのが政府や金融業界にいる人たちです。株式を購入することも、債権(国債や社債)購入することも、他国の通貨を購入することも、実際には「お金を減らす」提案です。
当たり前の話ですが、株式も債権も外貨も日本円ではありません。株式・債権・外貨のどれを購入しても、手持ちの日本円は減ってしまうのです。しかも株式・債券・外貨を購入したとしても値上がりする保証は一切ありません。
事実、わたしの母親の知り合いのうち、わたしも会ったことのある狭い範囲だけでも・・・・「将来のために」という金融機関からの提案に飛びついた結果、数百万円~1,000万円のお金を1年以内に溶かしてしまった人が2人もいるのです。
なぜ退職金が振り込まれたことを察知した銀行は「将来のための投資の提案」をしてくるのでしょうか?答え:「手数料で儲けるため」です。
なぜ政府はNISAやiDeCoを積極的に推進するのでしょうか?答え:「政権を維持するために株高を演出したいから」です。
あなたのお金が銀行に眠っていても嬉しいのはあなただけです。だから政府も金融業界も、あなたのお金を狙っているのです。
銀行にしても証券会社にしても、あなたが投資に失敗しても責任をとってくれません。責任はすべてあなたに押しつけることができます。銀行も証券会社も、あなたが投資に成功しようが失敗しようが、手数料で儲けることができればそれでいいのです。
また政府だってあなたが成功した場合には、儲けを確定させた時点で税金を徴収できる権利を手に入れることができるし、あなたが失敗した場合でも眠っていたお金が別の誰かの手に渡るだけなのですから、あなたには積極的に投資に参加してほしいのです。
つまり・・・・失敗しても責任はすべてあなたに押し付けることができ、成功すれば銀行・政府・あなたで利益を山分けできるかもしれないというのが「虚経済への投資」の実態なのです。
念のため断っておきますが、わたしは政府や金融機関を悪者にしたいわけではありません。
本来なら銀行だって【投資】(実体経済における投資)に貢献したいのです。企業や預金者にお金を貸して、その金利で儲けたいのです。しかし現実には銀行から借金してくれる企業や預金者が減っているのです。空前絶後の低金利でも・・・・喜んで借金してそのお金を投資してくれないのだとすれば・・・・銀行はどうしたらいいのでしょうか?
政府だって国民には積極的に消費をしてもらって、好景気を実現した結果として税収を伸ばすことが望ましいことぐらいはわかっています。しかしコロナ禍で10万円をバラまいた結果わかったことは、お金をバラまいてもそれほど消費は増えないということでした。お金をバラまいても・・・・消費が増えないのだとすれば・・・・政府に打つ手があるのでしょうか?
強調したいことは政府も銀行もあなたも自分の身を守るために、合理的な判断を下しているのです。しかしだからこそ・・・・・実体経済にお金は回らずに、いつまでもジリ貧から抜け出せないというジレンマが続いているのです。
このあたりで伏線回収をしておきます。「そもそも元手がない」のはなぜでしょうか?
答え:「景気が悪く虚経済に回すお金がないから」です。そもそも景気がよかったら将来に悲観することもないし、わざわざ虚経済にお金を回して「老後に備えたい」なんて思わないでしょう。
「リスクが怖い」のはなぜでしょうか?
答え:「虚経済への投資はギャンブル性が強いから」です。「虚経済に投資をすれば長期的にプラスになる」と信じている人もいるかもしれませんが、実体経済が成長していない日本でそれが実現しているように錯覚するのは理由があります。
ズバリ・・・・実体経済の良し悪しとは関係なく、NISAやiDeCoなどの制度に後押しされて株式や投資信託を買ってくれる「新規顧客」や「大口顧客」(日本銀行や年金機構)がいるからです。
「株や投資信託がこれからもずっと値上がりつづける」と人々が信じるような状態を『バブル』といいます。株や投資信託が値上がりつづけるのであれば、これほど喜ばしいことはありません。しかし残念ながら・・・・株価というものは値上がりすることもあれば値下がりすることもあるのです。
金融業界で虚経済への投資を生業にしている人にとっては当たり前の事実です。だから自分たちがなるべく「損をしないため」に・・・・「儲けるため」に・・・・風船に空気を入れてくれる人を(つまり虚経済にお金を回してくれる人を)必死に探しているのです。
アメリカで出版され日本でもロングセラーになった『となりの億万長者』という本があります。2022年には『となりの億り人』というタイトルをパクった本が日本でも出版されています。
『となりの億万長者』と『となりの億り人』には、億万長者のインタビューや相談実績の結果わかったことが書かれているのですが、どちらにも「億万長者の多くは、普通の人である」ということが書かれています。
『となりの億り人』によれば、億り人の8割~9割はサラリーマンであり、以下のような特徴があるそうです。
もちろん億り人は「投資」もしています。しかし「投資」で資産を構築したのではないのです。労働からの収入だけでも余裕のある生活ができるから、余ったお金を投資に回しても「普通」の生活ができている・・・ということなのです。
もしあなたが「投資」にお金を回しても「普通」の生活ができるのであればよいのですが・・・・・「投資にお金を回して普通の生活ができるなら、最初から悩んでないよ!!!」という意見に共感するなら、もう少しお付き合いください。
実体経済が停滞し続けていることにより、「投資」にお金を回して「普通」の生活を維持すること自体が難しくなっています。
そもそも・・・・源泉徴収される年金や社会保険料ですら「投資」に回されているし、保険の掛け金も「投資」に回されているし、銀行の預金ですら「投資」に回されているのです。
給料をもらう前から差っ引かれるお金(源泉徴収)も投資に回され、いざというときの保険の掛け金も投資に回され、節約して貯金したお金ですら投資に回されているのが実態です。
多くの人から集めたお金で年金機構が投資で成功して結果を出しているなら・・・・・そもそもわたしたちが個人で「投資」する必要があるのでしょうか?
たくさんの人からたくさんのお金を集めてプロが運用しても利益がでることもあれば、損することもあるのが「投資」の世界です。それにもかかわらず、ちっぽけな個人に向けて「さらに投資せよ・・・・・」だなんて、そんなバカなアドバイスがあっていいのでしょうか?
本レポートをここまで読んだあなたは、「虚経済に投資したらどうか?」という提案を鵜呑みにすればするほど、将来への不安が強まることがわかるのではないでしょうか?
日本人の個人資産が、消費や【投資】に回れば景気はよくなるでしょう。しかし「将来への不安」のために、「ひたすら貯金」しているのが日本人の現状であることはすでに説明しました。
「将来の不安」のために、虚経済に投資したらどうなるでしょうか?
本来、消費や【投資】に回るべきお金が虚経済に流れれば流れるほど、景気は停滞する一方で、株価は上昇します。
景気が停滞しているのに株価が上昇すれば「虚経済に投資したらどうか?」というアドバイスの魅力がどんどん増してきます。むしろ「虚経済に投資をしないほうがバカ」に思えるような状況が完成します。
第2回ノーベル経済学賞を受賞したサムエルソン博士は、1929年のアメリカ大恐慌について「世の中全体が狂っているときには、正気であることのほうが馬鹿げている」との言葉を残していますが、まさに今世界中がそうなっているのです。
将来の不安を払拭しようとして「投資」にお金を回せば回すほど、実体経済は停滞し、ますます将来の不安が増すという状況を理解すれば、「やっぱり貯金するのが安全」という気持ちになるのではないでしょうか?
しかし貯金にも落とし穴があるのです。わたしたちが貯金しているのは「日本円」です。平成の30年間、「日本円」の価値は守られてきました。しかし令和になりコロナ禍に直面した日本人が直面しているのは「コロナ敗戦」です。
世界の先進国は、経済と社会を守るために必死に努力しています。しかし日本はいつまでたっても「ステイ・ホーム」から抜け出せません。コロナ対策の基本中の基本となる「感染者数」ですら把握できなくなっています。なぜでしょうか?
保健所はいまだに「ファックス」に頼っているからです。医療機関からファックスで送られてくる情報を、保健所の職員が手入力で情報をデジタルデータにしているのですが、作業が追いつかないので、東京都は「みなし感染者」という概念を生み出し、神奈川県は「コロナ感染者数の発表を一旦停止する」という残念な状態に陥っています。
オミクロン株の感染拡大を受け、医療機関等の業務がひっ迫しています。検査数の把握が困難となっていますので、一旦、検査数・陽性率の公表を停止します。ご理解のほど、宜しくお願いいたします。
— 黒岩祐治 (@kuroiwayuji) February 8, 2022
バブルが崩壊する前の日本経済は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれるほど強力でした。しかし日本の実体経済が停滞し続けた30年間で、日本経済は「ジャパン・ナッシング」といわれるほど凋落しているのです。
コロナ禍の日本では2022年に入ると、不景気なのに物価が上昇し続けています。なぜ物価が上昇しているのか?答えは単純です。「日本円の価値(国力)が下がっているから」です。
日本円の価値が下がれば、他国から輸入するエネルギー資源の価格が上昇します。エネルギー資源の価格は全産業に影響を与えます。
結果、スーパーには「原材料の価格が軒並み値上がりした結果・・・」という張り紙が貼られ、日用品などさまざまな商品の値上げが現実のものになっています。
わたしたち労働者の血と汗と涙の結晶である給料は「日本円」で支給されます。しかし「日本円」の価値が下がっているため、銀行預金の残高が実質的に目減りしているのです。
銀行預金の残高は実質的に目減りしていく・・・だからといって預金を虚経済への投資に回しても安心は得られない・・・・という状況から抜け出して、「安心」を勝ち取るには一体、全体どうすればいいのでしょうか?
安倍総理・菅総理・岸田総理も一貫して「賃上げ」を民間企業に要請してきました。しかし賃上げはそれほど期待できないでしょう。
経団連が平成の30年間で何をやってきたか冷静に観察すれば、それほど期待できない理由がわかります。経団連が必死になってやってきたのは一貫して「労働者の賃下げ」だからです。
「非正規社員」という概念は、先進各国を見わたしても日本にしかない被差別階級です。そして「わざわざ正社員を雇う必要があるのか?」という状況が生まれることで、結果として正社員の賃金も下がっているのです。
しかしそれでも日本企業は国際競争力を維持できないので「外国人留学生」を労働者として扱い、安い賃金で働かせています。「外国人留学生」を積極的に受け入れることで「わざわざ日本人を雇う必要があるのか?」という状況が生まれ、結果として日本人労働者の賃金も下がっているのです。
労働者の賃金が下がるとどうなるか?
日本人労働者の将来への不安はますます強まり、消費をする意欲も投資をする意欲も減退するどころか「家庭をもって子どもをつくるのも厳しい」という空気が蔓延し、人口は減少し、ますます将来への不安が強まっているのです。
預金すれば・・・「投資」すれば・・・政府に頼れば・・・制度(年金や福祉)に頼れば・・・それで安心というわけではないのです。むしろ「●●すれば安心」という図式を信じる強さが、不安を生む原動力になっているのです。
もちろん預金するな、「投資」するな、政府に頼るな、制度に頼るな、などと主張したいわけではありません。わたしがあなたに伝えたいことは、何事にも前提があるということです。
預金することが有利になる前提がある(例:日本円が強い)、「投資」するのが有利になる前提がある(例:金融資本主義の成長)、政府に頼るのが有利になる前提がある(例:大企業や富裕層からちゃんと税金を徴収できる)、制度に頼るのが有利になる前提がある(例:制度に頼ってやる気を失わない)。。。ということなのです。
つまり前提が変われば、前提に合わせて動きを変えなくてはいけないのです。お金の話に限って言えば、前提の変化に合わせてお金の使い方を変える必要があるということです。
特別難しいアドバイスをしたいわけではありません。日本円の価値が下がるなら日本円を売る、株価が下がったら株を売る、賃金が上がらないなら転職する、政府が増税するなら移住する・・・・など前提の変化に応じて、自分ができる範囲でできることを毎日真剣にやっていくしかないのです。
そして毎日真剣にできることをやり、自分が成長することで生存確率を上げていくことでしか「本当の安心」というものは得られないのです。
貯金をおろしたり、株を売り買いするのは簡単だけど、転職したり移住するのはめんどくさくてなかなかできない・・・・と思った方は、最後までお付き合いください。
そう。「めんどくさい」ことは、誰だってやりたくないのです。
有望な融資先を発掘するなんてことは、金融機関にとってはめんどくさいしリスクが高いのです。退職金が振り込まれた人に電話をかけて「投資はいかが?」と提案するほうがずっと楽チンです。
日本の産業構造改革を推進して、日本企業の国際競争力をあげるなんてことは政府にとっては難事業です。日銀総裁やゆうちょ銀行の幹部に政府の意向に従順な人材を送り込み、投資の世界にお金をぶっこんでもらって日経平均株価を上げることで好景気を演出するほうがずっと簡単です。
民間企業にとって優秀な人材を育てるなんてことは、めんどくさいしリスクがあります。すでに実績のある優秀な人材をリクルートするのが確実・安心・簡単です。
一般市民にとっても「稼ぐ力」を鍛えるなんてことはめんどくさい作業です。「投資はいかが?」という提案を鵜呑みにして、定期的に金融商品を買い増して長期保有有しておくのが楽チンです。
「めんどくさいのが嫌い」なのはみんな一緒です。「つまらないことはしたくない」のもみんな一緒です。「リスクのあることはしたくない」のもみんな一緒です。
だったら「めんどくさくないこと」、「楽しいこと」、「リスクをコントロールできること」をやればいいのはないでしょうか。ズバリ「【投資】をしたらどうか?」というのがわたしからの提案です。
「【投資】をするのは難しい」と思うかもしれませんが、【投資】をすることでリターンを得るのはそれほど難しいことではありません。例えば・・・
都内で賃貸マンションに住んでいるある女性は、ほんの少しの【投資】で更新費用を大幅に値下げしてもらうことに成功しました。
大家さんは賃貸マンションの1階に住んでいて、2階から上を賃貸マンションにして他人に貸し出しているのですが、居住者と大家さんが会話をしている様子をあまり見たことがなかったそうです。
大家さんは高齢で、アルツハイマー型認知症の奥さんを介護しながら生活しているのでなかなか外出もできないという状況らしく、「さみしそうだな・・・」と感じていたそうなのですが、ある日、仕事で銀座にいったついでに大家さんが好物だといっていた饅頭を買ってお土産で渡したそうです。
もちろん大家さんは大喜びしてくれて、それから出勤する朝や夕方にみかけたら軽く挨拶するような間柄になったそうです。そして2年に1回やってくる賃貸マンションの「更新のおしらせ」をみてビックリ仰天。なんと・・・・
家賃の1か月分請求されるはずの更新費用が「大幅に値下げ」されていたそうなのです。何かの間違いじゃないかと思って大家さんに話を聞いたら「いつも気にかけてくれるから」と伝えられたそうです。
また都内に住んでいる自営業のある男性は、奥さんの出産を機に、じぶんの仕事をセーブして子どもの世話をしながら奥さんのサポートをすることを決断しました。
料理をつくるのが大好きだった男性は、毎日手料理に勤しんでいたのですが、どうしてもたくさん作りすぎるので、周囲の人たちに配ることにしたそうです。
また子どもの世話をしている最中に、「子どもの世話をするなら一人でも二人でも三人でも一緒」と思いつき、近所の子どもたちを自宅に招いて一緒に遊んでいたそうです。
するとある日、仲良くなったお母さんから「うちも料理をつくったんだけどどうですか?」と逆に料理をもらうようになったり、自分が忙しいときは自分の子どもをみてもらえたりするようになったそうです。
交友関係の輪を広げることで、結果的には、自分が料理をつくる手間が軽減し、子どもたち同士が仲良くなって勝手に遊んでくれるので、子育てがものすごい楽になったそうです。
お金を消費するのは簡単です。しかし消費するだけでは資産は増えません。買った饅頭を自分で消費するだけなら資産は増えません。料理をつくって家族に喜んでもらうことだけでも素晴らしいことですが、それだけでは資産は増えません。
消費は自分が喜ぶためにすることです。【投資】は他人が喜ぶためにすることです。もちろん他人のためにお金を使えばいいというわけではありません。最低限、他人に喜んでもらう必要がありますし、感動してもらえるならもっといいのです。
たとえばわたしの妹はお金の使い方が下手です。わたしが何かをするたびにお返しを贈ってくれるのですが、いつも「丸大食品」のハムなのです。もちろん「丸大食品」のハムは美味しいので、妹に文句をいったことはありません。「いつもありがとう」とは伝えています。
しかしわたしの本音は「また丸大食品のあのハムが送られてくるのかな(汗)・・・・」なのです。以前、妹に直接「なぜいつも丸大食品のハムなのか?」とさりげなく聞いたことがあるのですが、妹の答えを聞いてこれまでの疑問が氷解しました。
妹曰く、「ハムを送られて困る人はいないでしょ?」とのこと。そう。妹がプレゼントを贈るときの基準は「他人の迷惑にならない」なのです。そう。。。。相手を喜ばせようとか、感動してほしいという気持ちよりも「他人の迷惑にならないようにしたい」という自分の気持ちを優先させているのです。
もしあなたが【投資】を成功させたければ、他人を喜ばせる(できれば感動させる)必要があります。せっかく本レポートをここまで読んでくれたあなたには頭の片隅に入れておいてほしいのですが、「他人の喜びや感動のためにお金を使う能力の高い人にお金は集まる」のです。
たとえばわたしの生活圏内に「二郎系インスパイア」の本家本元「ラーメン二郎 三田本店」があるのですが、600円で美味しいラーメンを食べることができるので、いつも行列ができています。
もし600円で「ラーメン二郎三田本店」にいくよりも喜ばしい体験ができるなら、行列に並んでまで「ラーメン二郎 三田本店」でラーメンを食べようとは思わないでしょう。山田総帥(ラーメン二郎の創業者は、ラーメン二郎のファンからそう呼ばれている)は、お金の使い方が上手なのです。
お金の使い方を上達させるために特別なスキルは必要ありません。わたしがサラリーマン時代の22歳か23歳だった頃の話です↓↓↓
偉い上司から「フラペチーノ的なものが飲みたい」といわれたわたしは、一番近くにある自動販売機にチンタラ歩いていくのではなく、東京丸の内のオフィスビルをダッシュで駆け抜けてスターバックスのフラペチーノを買って戻りました。
いつもお世話になっている上司が、缶コーヒーの「WONDA 金の微糖」を愛飲していることは知っていました。その上司がわざわざ「フラペチーノ的なものが飲みたい」と注文してきたのですから、その時飲みたかったのは「WONDA 金の微糖」ではなかったのだと思いました。
わたしは上司の気持ちを想像し、「いつも飲んでいるWONDA 金の微糖ではなく、ちゃんとしたフラペチーノが飲みたいのだな」と考えて、ダッシュでちょっと遠くにあるスターバックスにいったのです。
もしわたしが「ダルイな。自分の飲み物ぐらい自分の足で買いに行けばいいのに。」とか、「フラペチーノ的なものが飲みたいっていわれてもな・・・」などと考えていたら、上司に喜んでもらうチャンスを逃していたでしょうし、可愛がってもらうこともなかったでしょう。
さきほど1990年代前半の「ラーメン二郎 三田本店」の動画を紹介しましたが、現在の店舗は動画とは別の場所にあります。道路の拡張工事により、行政から立ち退きを要請されたのです。
「ラーメン二郎がなくなるかもしれない」という危機に立ち上がったのは、今までラーメン二郎にお世話になっていた慶應OB・OGでした。慶應OBのなかには「慶應大学の食堂の一画で、ラーメン二郎を営業させられないか?」と大学側と交渉した人もいるそうです。
結局のところは「特定の事業者を優遇するわけにはいかない」という理由で慶應大学から断られたそうですが、何がいいたいのかというと・・・・お金の使い方が上手な人はくいっぱぐれないということです。
なぜお金の使い方が上手な人はくいっぱぐれないのかといえば・・・・
お金の使い方が上手な人はくいっぱぐれない理由はシンプルです。お金の使い方が上手な人はほとんどいないからです。お金を上手に使うことの重要性に気づいている人すらほとんどいません。ほとんどの人が考えていることは、「自分がお金を使わないで、他人がなんとかしてくれないだろうか?」ということだったりします。
カルト宗教は信者に対して「お金を使うな。寄付しろ!」と要求します。また日本政府が富裕層の節税対策として寄付を認めていないのは「富裕層の自己判断で寄付する相手を決めるよりも、役人のほうがお金を上手に使うことができる」という論理がもっともらしいからです。
あなたが貯金するにせよ、「投資」するにせよ、保険をかけるにせよ、税金を支払うにせよ、宗教団体にお布施するにせよ、あなたの資産が増えるためには、銀行・証券会社・保険会社・政府・宗教団体が、本当にお金の使い方が上手で、なおかつその利益をあなたにちゃんと還元してくれる・・・という条件が絶対に必要です。
あなたは「誰」を信じるでしょうか?
わたしは・・・・「あなたのお金を預けてくれれば、わたしたちがあなたの資産を増やします」と提案してくれる人を信じる生き方をするのではなく、他の誰でもないわたし自身がお金を使った結果として、喜んでもらったり感動してもらった人のほうを信じることを選びました。
もちろん他人のためにお金を使った結果、仮に他人に喜んでもらったり感動してもらったとしても、資産が増える保証はありません。喜んでもらったり、感動してもらった対価として「お金をください」と提案して、ちゃんと利潤を確保する「ビジネスの仕組み」も必要であることは説明するまでもないでしょう。
しかし「ビジネスの仕組み」があったからといって、くいっぱぐれないかというとそんなことはないのです。コロナ禍を経験してわたしのなかでハッキリしたことは、コロナ禍でもくいっぱぐれない人は、「コロナ禍だから」といって人が離れていく人ではなく、「コロナ禍だからこそ応援したい人」なのです。
高級タワーマンションに住んでいても孤独死する人が一人や二人ではないのです。お金があれば幸せになれるというのは本当に幻想です。お金を上手に使って、他人に喜んでもらって、その対価としてお金を得て、その得たお金でもっとたくさんの人を喜ばせるのが(伝統的な意味での)「投資家」の生き方です。
あなたはあなたのお金を、誰をどのように喜ばせるために使いますか?