目標を達成することを目的にするなかれ ~ 1日307万円のお小遣い

目標を達成することを目的にす

参院予算委員会(2021年1月27日)での菅義偉首相を追求した蓮舫氏(立憲民主党)に「中身がない」という批判が渦巻いています。

蓮舫

あのね。SNSで『国会議員は上級国民』と拡散されているんですよ。えらい迷惑ですよ、私たち

申し訳ない。

菅義偉

蓮舫

そんな答弁だから、言葉が伝わらないんです。国民に危機感が伝わらないんですよ。あなたには総理としての自覚や責任感、それを言葉で伝えようとする、そういう思いはあるのですか

少し失礼じゃないでしょうか。

菅義偉

私は、少なくとも総理大臣に昨年の9月に就任してから、なんとかこのコロナ対策、1日も早い安心を取り戻したい、という思い出全力で取り組んできた。できることはさせていただいている。私自身は精いっぱい取り組んでおるところであります。

菅義偉

そして参院予算委員会と同日の1月27日に、蓮舫氏の息子でありアイドルグループ「VOYZ BOY」のメンバーでもある村田琳さんが、「もう今日で母親のことを気にして生きるのは止めたいと思います。」とYouTubeチャネルで宣言し、話題にもなりました。

このような国会でのやり取りから、わたしたちは何を学ぶべきでしょうか?

政府官房機密費

もちろん野党の追及がすべて「中身がない」というわけではありません。例えば蓮舫氏が菅総理を追求した翌日の国会では、興味深いやり取りがありました。

小池晃(共産党)が、菅総理大臣が官房長官時代に1日あたり307万円という使い道のわからないお金を使ってることを明らかにし、「公助よりも自助を推奨するあなた(菅総理)が、誰よりも公助(税金)に助けられているのでは?」と追及しました。

小池晃

新聞赤旗が、情報公開請求で入手した資料をみますと、菅官房長時代の官房機密費総額95億円、そのうち、官房長官本人が自身に支出した政策推進費は、7年8カ月で86億8,000万円。

1日(あたり)307万円です。政策推進費は、官房長官自身(菅義偉)しか使い道を知らない。何に使ったんですか?政治家や官僚に配っていないんですか?

ご指摘の政策推進費を含めて、内閣官房の報酬費は、国の機密保持情報(なので)その支出を明らかにすることは適当ではない性格の経費として使用されてきており、その個別具体的な使途に関するお尋ねについては、お答えを一切、控えさせていただいているところであります。

いづれにせよ、報酬費はわたしが官房長官在任中を含め、取扱責任者である官房長官の判断と責任のもとに、厳正で効果的な執行を行っているところであり、国民の不信を招くことのないよう適性な執行に努めているところであります。

菅義偉

小池晃

総理は日本学術会議について、「年間10億円を使っている。国民に理解される存在でなければならない。閉鎖的で、既得権益のようになっているのではないか?」という風に言っていますが、総理は毎年11億円ですよ。

学術会議に対するよりも、あなた一人に対する支出のほうが多いじゃないですか?これこそ閉鎖的で既得権益ではないですか?国民の理解が得られると思いますか?

小池晃

また政策推進費の昨年9月1日時点での受け払い簿によれば、空になった金庫に9,020万円が入れられています。そしてその9月1日の翌日、菅総理あなたは総裁選に出馬表明をしました。

そして9月16日、総理に就任したその時、金庫に残っていたのは4,200万円です。9月1日から16日までに差額、4,820万円が使われたことになります。総裁選に全力を集中していた時に、あなたは官房機密費を何に使ったんですか?重要政策があったんですか?これ(4,820万円)は、総裁選のために使ったといわれても仕方がないのではないですか?

そのようなことは一切ありません。

菅義偉

小池晃

じゃあ、総裁選に使っていないというのであれば、何に使ったんですか?

今回のやり取りの肝となる部分は、「官房機密費は、官房長官しか使い道を知らず、国民への報告義務も永遠にない。」ということです。

そして今ご紹介した小池晃と菅義偉とのやり取りを知ったあなたは、「菅義偉は、一体、何にお金を使ったんだ?」と疑問に思うでしょうが、わたしが今回あなたに伝えたいことは単なる政権批判ではありません。

野党は何をやっていたのか?

わたしが疑問に思うことは、2009年8月30日に政権を奪取した時、民主党は何をやっていたのか?ということです。

民主党も官房機密費の問題にメスを入れることができたはずです。確かに国民にイチイチ報告するべきでない性質のお金もあるでしょう。しかしそれを「永遠に知らせない」というやり方は、民主主義に対する挑戦でもあります。

なぜならば「いずれはお金の使い道が国民にバレる」という意識が、お金を使う側に対するブレーキになり得るからです。しかしお金を使う側はそのブレーキを取り除いてしまったのです。

先日、「女性入る会議は時間かかる」と発言して物議をかもした森喜朗も、(自分の発言を知った)「孫が会社で倒れたらしい」というようなことをいっていました。そう。「もしかしたら将来の自分のやったことで、子孫に迷惑をかけるかもしれない。」という意識は、ブレーキになり得るのです。

さて、ここからが本題です。

望みを叶えたあとどうする?

民主党は政権を奪取した時、野党時代にいろいろと主張していた改革をスムーズに実行できませんでした。あなたは不思議に思うでしょう。「ようやく与党の座についたのだから、やるべきことをやればいいのに。」と。なぜできなかったのか?

わたしは「与党の仲間内で、意見が分かれたから」という説を支持しています。野党時代には反対していなかった人たちが、いざ本当に与党になって権力を握った途端に日和(ひよ)ってしまったのです。

あなたもいろいろなストレスを抱えていることでしょう。お金の不安があるとか、愛を感じられないとか、もっと自由な時間があったらいいのに。。とか、いろいろと不満があるはずです。

しかしここからが興味深いのですが、わたしの経験上、本当にお金を手に入れたり、自由を手に入れたりすると、逆に戸惑ってしまう人は少なくないのです。そう。過去の民主党政権のように。

チャップリンは、お金持ちになってから「お金をどう使えばいいのかわからない」と嘆いたそうですが、同様に、「定年退職して悠々自適な生活がやってくることを夢見ていたが、実際に定年退職してみると、やることがなくて家でダラダラしている。」という人は珍しくありません。

くれぐれも目標を達成すること自体を目的にしないように