日経平均3万円 ~ 株の値上がりを素直に喜べない理由

日経平均3万円 ~ 株の値

2021年2月15日、日経平均株価が日経平均株価がついに1990年8月以来、3万円の大台を突破しました。たまたまつけたテレビ番組では、たまたま街を歩いていた投資家に「今の気持ちは?」と質問していました。わたしにとって印象的だったのは、投資家がそれほど嬉しそうではなかったということです。

なぜ?株価が上がっているのも関わらず、この投資家は素直に喜ばないのでしょうか?

もしあなたがこの質問に対して、即答できないのであれば、、、、断言してもいいですが、あなたは株式投資に挑戦するべきではないでしょう。今日はその理由についてなるべく簡単に解説したいと思います。

なぜ値上がりするのか?

テレビをつければ緊急事態宣言により、客足が遠のいて売り上げ減少に悩む飲食店経営者の嘆きの声が聞こえてきます。とてもじゃないですが、今の日本は景気がよいとはいえません。それにもかかわらず、なぜ?株価は上がり続けるのでしょうか?

さきほどテレビに取材されていた投資家はその答えを知っていました。投資家は「お金の行き先がここ(株式市場)しかないからじゃないですか。」と冷静に分析していました。

そう。株価が上がっているのは、株式市場にお金が集まっているからです。誰かが株を買うから株が値上がりする。誰かが株を売れば株が値下がりする。基本的なカラクリは単純なのです。

だから投資家は株価が値上がりしても素直に喜べないのです。投資家は知っているのです。「値上がりした株価は、必ず値下がりすること」を。

つまり「なぜ?株が値下がりするのか?」という質問すること自体がナンセンスであり、ハッキリ言ってしまえば勉強不足なのです。なぜ?株が値下がりするかって?その答えは単純。「株が値上がりしたから」なのです。

当たり前の話から

「株が値下がりするのは、株が値上がりしていたから。」ということは少し考えてみれば当たり前のことなのですが、ここで多くの人が「なぜ?値上がりするのか?」と疑問に感じるはずです。

株が値上がりするのは、誰かが株を買うからです。当たり前ですよね?例えば今日の日経平均が昨日よりも値上がりしたのであれば、そのことが意味することが、今日の株式購入額は昨日よりも多かったということです。

もう一つ当たり前の話をします。株式を購入するためには何が必要でしょうか?そう。現金ですよね。これも当たり前の話です。ということは・・・・株価が値上がりするということは、株式市場にそれよりも多くの現金が投入されるということを意味します。

ここで新たな疑問。その現金はどこからやってくるのでしょうか?

話はさかのぼる

2020年2月24日、米国株式市場は、突然暴落しました。まるで1987年のブラックマンデーの再来かと思われました。

ニッセイアセットマネジメントの週間市場レポートにはこう書かれています。「新型肺炎の世界的な感染拡大による企業業績などの実体経済への影響懸念から、投資家のリスク回避姿勢が急速に強まり大幅に売られました。」

つまり株式市場が暴落した原因は「コロナ」だというのです。しかし今日の話を聞いているあなたであれば、大事なことに触れていないことにすぐに気づくのではないでしょうか?

そう。株価が下がるのは、株価が上がっていたからです。とすれば、過去10年間のスパンでみれば値上がりし続けてきた米国株式市場に流れていたお金は、どこからやってきたのでしょうか?

答え:「世界的なかつ異常な規模での金融緩和」です。お金が世界中に溢れていたのです。

ではなぜ?お金が世界中に溢れているのでしょうか?なぜ?異常な規模の金融緩和なんてことをやったのでしょうか?

答え:「リーマンショックに対応するための量的緩和」。米国は2008年の世界金融危機への緊急対策として量的緩和を開始しました。欧州中央銀行も大規模の量的緩和をやりました。

サブプライムローンの乱発にはじまったサブプライムバブル(リーマンショック)崩壊処理を先送りするために、皮肉にも新たなバブルをつくることで対処したのです。そして歴史は繰り返すことになります。

歴史は繰り返す

日本政府はコロナ対応で何をやったでしょうか?

2020年6月12日、第二次補正予算が成立しました。政府の直接の支出は、第一次補正と合わせると、約60兆円にもなり、まさに空前絶後の大規模な財政出動をやることになりました。

具体的話をするなら、(あくまで一例ですが)エリートサラリーマンにも年金暮らしの高齢者にも生まれたての赤ちゃんにも10万円を配りました。そう。コロナ禍に対応するためにお金をバラまいたのです。

もちろんコロナ禍で経済的に苦しんでいる人がたくさんいることは知っています。しかしマクロ(経済全体)でみれば、コロナ禍における財政出動(政府による支出)により、お金が余り、その余ったお金は、銀行(貯金)と投資に向かったのです。

冒頭で紹介した投資家はそのことを知っているのでしょう。だから「いずれ値下がりすることがわかっているのだからそれほど喜べない」という心理になるのは当然のことなのです。

本当の論点

以上のカラクリを理解すれば、(ちゃんと勉強している)投資家にとっての本当の関心事が「あと何回同じようなことが繰り返されるのだろうか?」という点にあることに気づけるのではないでしょうか?

過去において世界中で、危機に直面するたびにバブル(金融緩和や財政出動)をつくりだし、それがまた新たなバブルをつくりだし、また危機に直面したら・・・ということを繰り返してきました。例えば・・・・

ITバブルもテロ(9.11)やエンロン事件(粉飾決算事件)により崩壊し、世界的な金融緩和によるバブルもリーマンショックで崩壊し、リーマンショックから回復するための量的緩和バブルもコロナで崩壊し、コロナ禍における財政出動によりまたバブルが・・・・といった具合です。

危機に直面し、バブルをつくりだすことで危機を回避するという、お決まりのパターンは永遠につづくのでしょうか?

わたしの意見はここではあえて明らかにしませんが、もしあなたが「続く」と思うなら長期的な視点に立って(株価が上がったり下がったりすることを前提にして)株をやってみるのもアリでしょう。(参考:お金は銀行に預けるな。)

しかしもしあなたが「続かない」と思うなら、株に手を出すべきではありません。株式市場にお金を預けてそのお金が増えることを期待するよりも、自分でそのお金を使って増やすことに時間と労力を投入することをおススメします。

あなたはどちらの道を選びますか?