「社会で通用する力」を鍛えるためには、そもそも社会とは何か?そもそもお金とは何か?自分は何がしたいのか?という基本的なことを理解しなければいけない・・・ということは前回までのレポートで解説しました。
しかし社会のカラクリを理解しても・・・・・お金を使ってさまざまな道具を上手に活用できても・・・・・自分は何がしたいのかよく理解していても・・・・・それだけでは社会で通用しないのです。社会で通用するためには何が足りないのでしょうか?
前回のレポートで紹介した19歳で麻薬王になったドイツ人男性と、18歳で司法試験に合格した大槻凜さんを比較すればその答えが「社会性」であることは明らかです。
社会性といわれてもよくわからないかもしれませんが、ひらたくいえば「あなたは、誰のために、何をするのか?」ということを考えることが、社会性について考えるにつながります。
例えば19歳で麻薬王になったドイツ人男性は社会性はほぼゼロでした。薬物を売りさばくことに罪の意識はなく、極端な話、『儲けることが重要だった』というような話を本人が語っています。
その一方で18歳で司法試験に合格した大槻凜さんは、「目の前にいる被告人や当事者、依頼人と心から向き合うことを忘れない。そんな法律家になりたい。」と語っています。(引用:読売新聞)
あなたは、誰のために、何をするのでしょうか?
誰のために何をするのか?というと、大袈裟な質問のように聞こえるかもしれませんが、日常生活においても考える必要のあることです。例えば・・・
「妻の飯がマズくて離婚したい」という4コマ漫画があります。兼業主婦として3人の子どもを育てるミナミさんは、子どもの頃から実の母親に「食事なんてお腹に入ればみんな同じ!」と繰り返し伝えられた結果、それが『世間の常識』だと信じています。
その一方で旦那さんは「食事がお腹に入る前に五感で楽しみたい。食事も人生の楽しみの一つ。」と信じているミナミさんと真逆のタイプなので、次第にミナミさんと衝突するようになり・・・・ついには「離婚」の二文字が夫婦の会話に登場するようになってしまうのです。
結果的にミナミさん夫婦はお互いが歩み寄ることで離婚を回避するのですが、歩み寄るためには「自分は常識」は「世間の常識」ではないことに気づき、その上で、自分は誰のために、何をするのかを考えて実行する必要があります。
ミナミさんの場合は、「食事なんてお腹に入ればみんな同じ!」という気持ちをちょっと横に置いておいて、夫が喜びそうな料理をつくることにしました。
あなたにとって、自分の考えはちょっと横に置いて、他人のためにしたいことはどのようなことでしょうか?
もしあなたが「他人のためにわたしは何をするか?」と自問自答することを怠れば、きっと痛い目にあうでしょう。なぜならば・・・・・
サーフィン中に潮に流されたとき、わたしは完全に「ひとりでは自然には逆らえない」ことを悟りました。自然の力も絶大ですが、社会の力も絶大です。強大な力をもつ社会にひとりで立ち向かうのは、Tシャツと短パンで真冬の富士山に挑戦するぐらい無謀なことなのです。
だからちっぽけな個人が社会でサバイバルするためには、他人とつながる必要があるわけです。例えばサラリーマンは上司や同僚から評価されないと昇進できません。政治家は国民に支持されなければ失職するでしょうし、起業家だって投資家や消費者を無視するわけにはいかないのです。
同様に、あなたも他人を軽んじたり無視すれば痛い目にあうのです。例えば「ひきこもり」というと孤独なイメージがあるかもしれませんが、ひきこもりだって周囲の人間に助けてもらわないとどうにもならないのです。
進学、結婚、離婚、転職、起業、政界進出、引越し、定年などの、さまざまなイベントが人生の転機になるのは、必然的にそれらのイベントが「新しい人間関係」の構築を促すからです。
あなたは誰とつながりますか?(あなたは誰のために何をしますか?)