お金ってなんなんだろう?

小栗旬が「お金ってなんなんだろう?」と呟くCMがあります。

『お金』という言葉を聞いた瞬間に、大多数の人が思い浮かべるのは紙幣や貨幣です。しかしそういうものは「お金の仮の姿」でしかありません。なぜ大多数の人はそういった勘違いをしてしまうのでしょうか?

お金の神話

お金の話について解説する書籍の多くはお金の成り立ちについて、こんなストーリーを紹介しています。

わたしたちの先祖は、昔は物々交換で暮らしていた。狩猟をしている人は肉をもっている。漁師は魚をもっている。お互いがもっているものを交換するうちに、多くの人にとって必要なもの(米など)が現代の通貨のような役割をもつようになり、いつしか通貨が生まれた・・・・

あなたもこんな話を聞いたことがあるかもしれませんが、お金がはじめて必要とされた状況というのは物々交換とは全く関係のない文脈においてだったのです。

お金の実話

お金が初めて生まれたのはメソポタミア文明でした。労働者に支払う給料を、支配者側の管理者が記録したのが「通貨」のはじまりです。

現代でいうところの打刻と一緒です。ある労働者が1日8時間働いたら、管理者が「お疲れ様。あなたが働いた分をちゃんと記録しておきますよ。」といって記録に残したのです。

面白いのはその記録方法です。当時はまだ流通している通貨はありませんでした。それにも関わらず、労働の対価は仮想の通貨の単位で記録されていたというから驚きです。

つまりお金というものは現代の「暗号資産」が生まれる前から「仮想」だったのです。(仮想通貨という呼び名を廃止し、暗号資産という名称に統一することが2020年3月15日に閣議決定されました。)

ようするにお金は生まれた時から債権・債務の関係がないと成立しないものであり、お金の本質は「データ」(債権と債務の記録)なのであって紙幣や貨幣ではないのです。

このような話を聞いたことのない方にとっては、お金の本質は「データ」であるなどといわれてもピンとこないかもしれませんが、事実として日本政府もわたしたちも債権・債務の関係のなかでお金を生み出しているのです。

事例その1)金融緩和を実行するとき、日本政府は国債を発行し(借金し)、中央銀行は国債の購入費用としてお金を発行します。

事例その2)わたしたちが住宅ローンを借りるとき、わたしたちは借用書にサインし、銀行は借用書を受けとる代わりにわたしたちの銀行通帳に数字(お金)を印字します。