お願い営業

お願い営業

友人の会社の同期(ここでは田中さん:仮名)の話です。

田中さんは同期の人気者でした。自然と同期が集まってきて、「あいつは将来出世する」と同期から思われるような存在でした。しかし入社から3か月後、田中さんは左遷されてしまうのです。

左遷の原因

田中さんは銀行マンでした。田中さんは入社後支店に配属され、営業で現金を扱う仕事をしていました。田中さんがある日営業後に支店に戻ると、大変なことに気づいてしまいました。

あれ???1円足りない・・・・」銀行は顧客向けの支店業務を締めた後、お金の計算をします。1円単位でもお金の計算が合わないと、全員で這いずり回ってでもお金を探します。全員が残業して1円を探し出すまで帰れません。

田中さんは「みんなに迷惑をかけるわけにはいかない・・」と思って、じぶんの財布から1円を補充してしまったのでした。「1円だし大丈夫だろう・・・」と思ったのです。

しかしその1円が田中さんの人生の歯車を変えることになるのです。田中さんにとっては運の悪い(?)ことに、紛失したはずの1円が見つかってしまうのです。田中さんが1円をごまかしたことが発覚し、田中さんには誰がどう考えても左遷としか思えない人事が下るのでした。

ヤバいカルチャー

そうなんです。銀行には「やばい」カルチャーがあるんです。やばいカルチャーにマジメな人ほどついていません。マジメな人はこのように考えてしまうのです。「わたしの仕事は人の役に立っているのだろうか?」と。

現実は残酷です。ある銀行の営業マンはこう告白しています。

販売手数料が高く、顧客にとってメリットが少ない商品を“お願い営業”で買ってもらわなければ、ノルマを達成できない。まじめな人ほど、耐えられずに辞めていく。

【引用:東洋経済

このような構造は証券会社でも一緒です。同期の飲み会になると、「俺たちこんなことやってて大丈夫かな?」という話になるそうです。でもそういう青臭い話は、気づいたらパッタリなくなります。

なぜならば、会社のソルジャーになるか、魂を売れない人は勝手に辞めていくからです。もうわかりますね。銀行や証券会社から紹介される金融商品は彼らが売りたい商品であることに。

もし勧められた金融商品を購入した結果、資産が減少しても彼らは責任をとってくれません。「わたしも仕事ですから。会社から指示された商品をルールに沿って販売しただけです。」と反論されてしまうでしょう。

役に立たない資産形成?

もしあなたが本当にお金持ちになりたいのであれば「よくわからないもの」に投資しないことです。世界一の投資家であるウォーレン・バフェット氏は、1年に1回のいい決断のために毎日8時間勉強しているそうです。

金融庁長官ですら銀行に対して「顧客本位”でない商品が作られ売られてきた」、「国民の資産形成に役立たない」と苦言を呈しているのが現状です。

参考 資産運用ビジネスの見直し~森金融庁長官の苦言日本ベル投資研究所

こんなニュースも耳に入ってきました。丸井グループやLINEなどが金融事業に参入することが正式に発表されました。

参考 ファッションの丸井、「証券事業」参入の思惑東洋経済 参考 野村とLINE、6月に「LINE証券」設立へMONEYZINE

スマホを通じた非対面式の「営業」攻撃がわたしたちを待ち受けています。人間の営業マンに「良心」はありますが、AIには良心もへったくれもありません。

「この人たちにはこういう風に営業したら売れる」というパターンデータが蓄積されて、ひたすらあの手この手で営業されるでしょう。もしマネーゲームで勝ちたいなら、じっくり勉強してわからないものに手を出さないことが重要です。