おしえて!イチロー先生

「おしえて!イチロー先生」というシリーズのなかにショッキングな動画がまぎれていました。

なぜ?わたしがショックを受けたのか説明しましょう。

お金を使うことに戸惑う子ども

わたしの場合、子どもの頃、好きなものを買うときに「何を買おうか?」と悩むことはあっても「戸惑う」ことはありませんでした。

そもそもなぜ?「好きなものを買っていいよ」といわれているのに子どもは戸惑うのでしょうか?

おそらくその答えは「好きなものを買っていいよ」といっている母親が実は「好きなものを買ってはいけない」という暗黙のメッセージを子どもに与えているからでしょう。

メッセージには2タイプあります。言語によるメッセージと、非言語によるメッセージです。言語のメッセージは「好きなものを買っていいよ」、非言語のメッセージは「不機嫌になる」、「無口になる」、「怖い顔をする」などが該当します。

あなたも恋人や配偶者が言葉では「怒ってないよ」といっているのに、表情やしぐさを観察するとどうみても怒っているようにしか見えなくて戸惑ってしまう・・・・・という経験があるのではないでしょうか?

子どもには親がお金のことで、言語と非言語で異なるメッセージを自分に伝える理由がわからないのです。だから戸惑っているのです。以下、この戸惑いが子どもに与える影響についてもう少し考察しておきます。

言語と非言語の矛盾

子どもにとって親は「神」のような絶対的な存在です。小さい子どもの場合は、自分の価値観のほとんどすべてを親からのゆずり受けるといってもいいでしょう。

子どもにとっての神である親が言語では「好きなものを買っていい」といい、非言語では「好きなものを買ってはいけない」というメッセージを発しているのです。子どもが混乱しないわけがありません。

しかしそのような混乱した状況も子どもは乗り越えます。どう乗り越えるのかというと・・・・「忖度」(そんたく)することによって・・・です。つまり「親の顔色をうかがう」という術を身につけることによって、軋轢を生まないコミュニケーション力を獲得するのです。

とはいえ、子どもなら「お金があれば使う」のが基本でしょう。そしてお金を使った後になって「こんなのもの買うんじゃなかった」と反省し、少しずつお金の使い方が上達する・・・のが一般的には「成長する」ということなのですが、現代ではその当たり前の学習機会すら奪われているのです。

「受験勉強を優先して恋愛するな!」というアドバイスも、「将来のためにお金を使わずに貯金しろ」というアドバイスも、根っこは同じです。そう。親は子どもに失敗してほしくないのです。しかし子どもに子どものうちに失敗させないことが子どものためになるとは限りません。

失敗に弱い子どもの大量生産

しかし「勉強しろ!」と親からいわれつづけて受験戦争ばかりして大人になった人間が、素敵な恋愛や愛のある結婚生活を実現できるとは思えないし、子どもの頃からお金の使い方を間違えなかった人間が、ある日突然、「上手にお金を使う」人間に目覚めるとは到底思えません。

そもそも恋愛やお金の使い方などあらゆる面で「失敗」しなかった人間は、驚くほど「失敗」に弱くなります。社会人になって上司からちょっと怒鳴られたぐらいで「パワハラだ!」と騒ぐような大人になります。

テクノロジーが発展し、キャバクラも「オンラインキャバクラ」、飲み会も「ZOOM飲み会」、出前も「置き配」、支払いも「キャッシュレス」の時代では、意識しずらいですが、本来社会で生きる以上、多少の「摩擦」はあって当然です。

自分が幸せにしたい異性を選べない人は「AI婚活」を選ぶでしょうし、自分でお金の使い方を決められない人間は「おススメ商品」を選ぶでしょうが、それで人間は幸せになれるのでしょうか?

もし幸せになれるとしたら「他人に決められた人生しか知らない人間」でしょうが、そういう人間はまさに「ロボット人間」、「奴隷」、「人間もどき」のような存在でしょう。合理的に生きているつもりになっているバカ(アメリカ的なもの)のケツをなめつづける「JAPANドットコム」の社員(西部邁の言葉)が、今のハチャメチャな日本をつくっているのです。