狼をさがして ~ すべてのテロは勘違いであることを知る

狼をさがして

先日、「狼をさがして」という東アジア反日武装戦線「狼」のことをテーマにした映画が公開されました。『テロ』について考えるキッカケになる作品だと思ったので紹介しておきます。

予告動画)狼をさがして

三菱重工爆破事件

『三菱重工爆破事件』をご存知でしょうか?東アジア反日武装戦線「狼」による無差別爆弾テロ事件のことです。1974年8月30日、「狼」は三菱重工ビル(東京丸の内)前の道路に時限式爆弾を仕掛け爆破させました。(負傷者376人、死亡者8人)

注意

狼、大地の牙、さそりが同一グループ内の別チームであるかのような編集をしていますが、事実とは異なります。

そもそも「狼」が三菱重工ビルを爆破した動機はどのようなものだったのでしょうか?

狼の主張

狼の主張をひらたくいうと「日本の大企業は海外に経済侵略をしている。大企業の集まっている丸の内は、日本帝国主義の中枢部である。だから丸の内で働いている人間も、植民地の弱者を搾取している日本帝国人であるから同罪である」という論理です。

あなたは狼の主張にどのように反論するでしょうか?

もちろん狼の実質的リーダーの大道寺将司(2017年5月24日に獄中死)ですら自分のやったことが間違いであったことを認めています。しかし「なぜ間違えたのか?」、「どのように間違いであったのか?」という具体的な説明はわたしの知る限りはありません。

その答えはあなた自身にも考えてほしいのですが、わたしなりの答えを紹介しておきましょう。わたしの答えはシンプルです。ズバリ「勘違いだったから」です。

すべてのテロは勘違い

大道寺将司氏についてこんなエピソードがあります。大道寺将司氏は獄中で『豆腐屋の四季』(著:松下竜一)という本を読んでとても感動したそうです。『豆腐屋の四季』という作品は、九州の片田舎の中津で、進学しないで家業である豆腐屋を継いで病弱なカラダを酷使して働いていた松下さんが、日々の生活の中から生み出した文章です。

なぜ大道寺将司氏は『豆腐屋の四季』に心を動かされたのでしょうか?

大道寺将司氏は反日組織の実質的なリーダーとして闘争していた時に考えていた「人民」というのは抽象的な概念でしかなかったのです。しかし『豆腐屋の四季』を読むことで、具体的な「人民」の世界に触れることができたのです。

そう。大道寺将司は爆弾を仕掛けておきながら、自分たちがこれから命を奪う人たちがどのような人たちであるかということについて無頓着だったのです。

勘違いの連鎖を止める

おそらくあなたは「テロリストに同情の余地はない。複数人の命を奪ったのだから死刑は当然。テロリストたちの支援者もどうかしている」という先入観をもっているはずです。しかし映画「狼をさがして」を観れば、きっと加害者や加害者の関係者にも一定の理解や共感といったものを覚えるでしょう。少なくとも「思っていたような人たちではないな。」と思うはずです。

しかしもしそうだとするなら、実はわたしたちもテロリスト大道寺将司氏と『勘違いしている』という面では一緒なのです。テロリスト大道寺将司氏は見ず知らずの人を「死んで当然」だと信じて爆弾を仕掛けました。同様に、わたしたちも大道寺将司氏のことをほとんど知らないのに「死刑になって当然だ」と信じて死刑執行を待っていたのです。

結論。『自分が正しい』と信じて疑わない人間が過ちを犯すのです。