人間関係の悩みを 解消する戦略

【はじめに】

アルフレッド・アドラー(かの有名なフロイト博士やユング博士と並び、精神医学・心理学界の先駆者)は、「すべての悩みは対人関係の悩みである」という言葉を残していますが、古くは古代ギリシャの時代から人間関係をテーマにした文が発見されるほど「人間関係の悩み」は、生きる人にとって最重要かつ永遠のテーマになっています。

そこで本レポートは、あなたを悩ませるさまざまな人間関係・・・・たとえば・・・・親友から裏切られた、肉親と骨肉の争いをしている、意地悪な上司にいじめれてノイローゼ状態、失恋で心が張り裂けそう、配偶者との価値観の違いが原因で夜も眠れない・・・・などといった人間関係の悩みから解放されたい!!!と切に願っている方のために執筆しました。

本レポートでは「こういう場合はこうしたらいい」というような小手先のテクニックを超えた本質的な話をしますので、人間関係の悩みに頭を抱えている方は是非とも最後までお付き合いください。

それでは早速はじめましょう!!!

別の地平に生きる

「あの人はなぜ●●なのだろうか?」と疑問に思ったことがないでしょうか?

●●のなかには「楽しそう」とか「悲しそう」といった感情をあらわす言葉や、「コロナが怖い(怖くない)」というような認識をあらわす言葉が入ります。

そう。コロナ禍において多くの人が、同じ状況に直面しているはずなのに、別の世界に生きているかのような行動をする人たちの存在を自覚したはずなのです。なぜそのような状況が生まれるのでしょうか?

その答えはズバリ、人の数だけ『現実』があるから、です。これは認知科学という学問の成果であり、現代人であれば必ず理解するべきことであり、当然、「人間関係の悩みをスッキリ解消したい!!!」と願うあなたも理解しておく必要があることです。

認知科学「以前」は、一つの現実があり、その一つの現実の上にみんな生きているという常識がありました。しかし認知科学「以後」は、人の数だけ「現実」がある、という理解が常識になっているのです。

【認知科学の常識】

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あなたは驚くかもしれませんが、「地球は平ら」であることを真剣に主張する人たちのグループがあります。反論するのは簡単か?実はそれほど簡単ではありません。なぜならば地球は人間にとっては大きすぎるので、本当に球であることなど宇宙飛行士でもない限り、自分の目で確認することができないからです。

【参考動画】「地球は平ら」?

同様に「コロナウィルスなんてこの世にない」と真剣に主張する人たちもいます。反論するのは簡単か?実はそれほど簡単ではありません。なぜならばコロナウィルスは小さすぎて人間の目には見えないからです。コロナウイルスを顕微鏡で確認した経験のある人はほとんどいないはずです。

しかしあなたは実際に目で見たわけでもないのに、「地球が丸い」ことを信じているでしょうし、「コロナウイルスはある」ことも信じているでしょう。そう。わたしたちは直接この目で確認したわけでもないたくさんのことを信じているのです。

さて・・・人の数だけ現実がある・・・という話をしたわけですが、この話が「人間関係のことで悩みたくない」という悩みと、どのように関係しているのでしょうか?

「情報的」な存在

人の数だけ現実がある、という話をした理由は、「人間は情報的な存在」であることを本当に理解してほしかったからです。そのことを理解してもらわないと、本レポートで伝えたいことが理解できないのです。「人間は情報的な存在」とはどういうことでしょうか?

例えばインドのカースト制度のなかで生きている人は、最下層にいる人たちですらそこから抜け出そうと思っていません。なぜならば「現世で苦しければ苦しいほど、来世で幸せになれる」ということを信じているからです。

人間は頭のなかで構築した世界を「現実」だと認識して行動しているのです。ここで重要なポイントは、頭のなかで構築した現実は、あくまでも「情報」だということです。

生まれた瞬間に「カースト制というものがあって、自分は最下層にいるので、現世では苦労しなければいけない。」とういうことを理解している子どもなどいないはずです。

しかし両親や教師から「そういうものだ。」と教えられて、その結果、「そういうものだ。」と受け入れた情報が、本当に子どもにとっての「現実」になってしまうのです。

人間は本当に情報的な存在なのです。

そう。わたしたち人間は生まれた時にDNAという遺伝子情報を受け継ぎ、成長する過程で、何が真実で何が真実でないか?ということを「教えられて」育つのです。その集大成がわたしであり、あなたなのです。

現実はすぐに変えられる

「人間が情報的な存在」であることを理解すると、とてつもない可能性に気づくことができます。わたしたちの「現実」はすぐに変えられるのです。なぜか?それは「現実」は情報的なものだからです。

背が小さいとか顔が気に入らないなどの理由で、身長を伸ばしたり顔を整形するとなれば、物理的な手術が必要です。しかしわたしたちの「現実」を変えるのに必ずしも物理的な手術は必要ないのです。なぜか?繰り返しになりますが、「現実」は情報的なものだからです。

例えば「眠い・・・・」と感じているときに、あなたが好意をもっている異性から電話の着信があればその瞬間に眠気は吹っ飛ぶでしょうし、人生つまらないと思っていても宝くじが当たったことがわかればその瞬間に楽しいことを考えはじめるでしょう。

そう。あなたが「人生がつまらない」と思っているなら「人生がつまらない」と考えるのをやめればいいし、「生きるのがツライ」と考えているなら「生きるのがツライ」と考えるのをやめればいいのです。

あなたが「やりたいことがわからない」のであれば「やりたいことを設定」すればいいし、「やりたいことがあっても自分には無理だ」と考えているなら「自分にはできる」と考えるようにすればいいのです。

とはいえそれだけのアドバイスでは、「現実」はすぐに変えられるということを実感できないと思うので、もう少し話を続けたいと思います。

電車で騒ぐ子ども

あなたが仕事でクタクタに疲れて電車で帰宅していると、電車内で騒いでいる子どもに遭遇した・・・・という状況を想像してください。当然、あなたは「なぜ誰も注意しないんだ・・・・」とイライラしています。

すると子どもの親らしき男性が、すぐ近くに座っていることに気づきました。「子どもが公共の場で好き勝手に走り回っていいわけがない」、「他の乗客に迷惑をかけていいわけがない」、「子どもがうるさくて仕事のことを考えられない」などと考えれば考えるほど、あなたのイライラは強くなってきます。

あなたは自分と同じようにイライラしている乗客がいないか周囲を見渡しながら、これ以上自分が我慢するよりはむしろ、子どもの親らしき男性に「少し静かにしてもらう」ことを伝えることが自分の使命であるように感じました。「誰も注意しないならわたしが注意しなければ」というわけです。

あなたは子どもの親らしき男性に近づき、「もう少し親としての責任をもって、子どもたちにマナーを教えてあげるべきだ」と伝えました。すると男性はあなたの方を向いてこう答えました。

「申し訳ございません。実は子どもたちの母親がさきほど亡くなって、病院から家に帰るところなんです。これから一体どうしたらいいかわからずボーッとしてしまいました。周囲の方への配慮が足りず、本当に申し訳ございません。」

あなたはつい数秒前まで自分を支配していたイライラした感情がスーッとなくなり、子どもたちと父親に対する感情が、同情や憐みといった感情に変化したのを実感したのでした。

どうだったでしょうか?あなたは『現実』だと思っていたものが、ガラガラと音を立てて崩れていく可能性というものを実感できたでしょうか?

そして実は・・・・目の前の現実を変えるというスキルを応用すれば、仮に現在のあなたが「自分は不幸だ」と感じているとしても、あなたはあなたを「不幸の沼」から救い出すことだって出来るのです。

不幸の根本原因

なぜわたしたちは不幸を感じるのでしょうか?その原因はわかりきっています。わたしたちが不幸を感じるのは「現在の自分」と「成功している仮想的な自分」を比較し、成功している仮想的な自分に軍配を上げるからです。

ハッキリと断言しておきたいのですが「成功している仮想的な自分」というのは存在しません。それにも関わらず、脳が高度に発達した人間だけは「あの時ああしていたら成功していたはずの自分」というものを想像し、それを現在の自分と比べることができてしまうのです。

「現在の自分」と「成功している仮想的な自分」を比較する・・・という高度な能力はサルやチンパンジーにはありませんので、人間ならではの悩みともいえるわけですが・・・・ちょっと考えてみればその不毛さが理解できるはずです。なぜでしょうか?

そもそも「あの時ああしていたら失敗していたはずの自分」もあり得るのに、失敗していた可能性は完全に排除して、わたしたちは常に「成功していた」ことを想定する傾向があります。もっと成功していたはずの自分と現在の自分を比較するのですから、必ず負けるのは明らかです。

【必ず負ける戦い】

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そう。わたしたちは絶対に勝ち目のない比較をすることで、自分で自分を不幸にしているのです。そして勝ち目のない比較をやめれば悩みは消えるどころか、人間関係にもプラスの影響を与えることができるのです。

なぜならば人間は正直なもので、「不幸そうな人」とはなるべく関わりたくないし、どうせなら「幸せそうな人」とつながりたいと考える傾向があるからです。そしてもしあなたが積極的に人間関係にプラスの影響を与えたいのであれば・・・・

職場の陰口

「職場の陰口が多くて本当に息苦しい」と悩んでいる奥さんに、旦那さんが役立つアドバイスをしていました。

『息苦しい』はずの陰口を『意外と面白いもの』に変えるなんて「ありえない!!!」と声を上げてしまいそうになるようなことでも・・・・・心がけ次第で、本当に実現できるのです。

なぜ目の前の現状を変えることができるのでしょうか?もちろん「自分の考え方」を変えたからです。陰口ばかりの同僚を変えるよりも自分を変えるほうがはるかに簡単なのです。

妻の飯がマズい

夫婦が離婚する一番の理由は「価値観の違い」なのだそうです。価値観の違いを乗り越えることができなければ「離婚」するし、価値観の違いを乗り越えることができれば夫婦関係を継続させることができるのです。どうすれば「価値観の違い」を乗り越えることができるのでしょうか?

「妻の飯がマズくて離婚したい」という4コマ漫画があります。(第一話はコチラ

「妻の飯がマズくて離婚したい」は、『食』に関する価値観の違いで夫婦が衝突するストーリーです。妻は「ご飯は手間暇かけないのが正解。お腹に入れば一緒なんだから。」という価値観をもっている一方で、旦那は「安い食材でも手間暇かけて美味しく食べるのが正解。食を楽しみたい。」という価値観をもっています。

夫婦は衝突し一旦は「もう離婚しましょう!!!」というところまで関係が悪化するのですが、最終的にはお互いがお互いの価値観を受け入れることで離婚を回避するに至るのです。

絶対に私が正しい

「他人を変えるのではなく自分が変わる」というシンプルな戦略を実践するだけで、人間関係の悩みは解消できるでしょう。裏を返せば人間関係の悩みを解消できない最大の原因は、「他人を変えるのではなく自分が変わる」ということを実践できない点にあるのです。

なぜ「他人を変えるのではなく自分が変わる」ことを実践できないのでしょうか?ズバリその理由は「絶対に自分が正しい」という固い信念があるからです。「絶対に自分が正しい」と信じる気持ちが強ければ強いほど、自分が変わることが『あり得ないこと』になってしまうのです。例えば・・・・

現世で苦しければ苦しいほど、来世で幸せになれる」ことを信じているヒンドゥー教徒は、最下層から抜け出すことを拒否します。

異教徒は人間ではない。だから殺すべき。」という神の教えを信じたキリスト教徒は、中世の十字軍遠征においてイスラム教徒を虐殺しました。

「絶対に自分が正しい」という信念を捨てきれないがゆえに、自分で自分を不幸にしているだけでは飽き足らずに、他人を不幸にしている人もいます。

自分で自分を不幸にしないように・・・・あなたの「絶対に自分が正しい」価値観で他人を不幸にしないように・・・・・くれぐれもご注意を!!!!

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プロフィール

坂本輝(さかもと あきら) ライフコーチ
「資格や学歴があっても社会で通用する力が身についていなければ意味がない」ことを痛感しているのに突破口が見つからない方のために、【社会で通用する力を鍛える】オンラインコーチングプログラムを提供しています。「このままでいいのか?」という不安を放置しないで、自分・家族・仲間を守る行動を今すぐはじめませんか?