作兵衛さんと日本を掘る

「作兵衛さんと日本を掘る」という映画を観てきました。素晴らしい映画でしたので紹介したいと思います。

予告動画

参考 劇場情報作兵衛さんと日本を掘る

作兵衛さんとは、筑豊炭田の元・炭鉱夫として働いていた方です。作兵衛さんが60歳から残した絵は、2011年にユネスコ記憶遺産に登録されました。映画では作兵衛さんの関係者や、筑豊炭田で働いていた方にインタビューしながら日本という国を掘っていきます。

ある映画批評家は「この映画はミステリーだった。どこまで日本を掘るのか?」と評しました。また東京大学の祝辞(2019年)で話題になった上野千鶴子さんは「炭鉱の問題は、石油にも、原子力にも受け継がれていることを発見した」と評しました。そもそもなぜ?日本を掘る必要があったのでしょうか?

なかったことに熱心な人たち

それは「なかったことにする」ことに熱心な人がいるからです。例えば「筑豊」という地名には、差別的な意味合いがあるとして、「筑豊」という言葉をなるべく使わないようにするという動きもあるそうです。

また熊本県の「水俣」という地名もネガティブなイメージがあるから消そうという動きも活発です。水俣市は「公害環境対策特別委員会」の名称から「公害」の二文字を消そうとしています。さらに視点を日本全国に広げてみれば、あなたは「年金報告書、受け取り拒否」問題に気づくはずです。

そして日々のニュースでも「なかったことにされたこと」は、私たちが知ることはできません。なぜ?なかったことにしたがるのでしょうか?

なかったことにしないと都合の悪い人がいるからです。そして「なかったこと」にされて一番困るのは、わたしたち一般市民です。権力者は「国民を不安にさせたくない」という理屈で都合の悪いことを隠すのですが、皮肉にもわたしたちが抱えている「得体の知れない不安」は「知らされていないこと」にあるのです。

麻生太郎財務大臣も、「国民を不安にさせる報告書を受け取るわけにはいかない」という趣旨の発言を堂々としているではありませんか。現場でいろんな人にインタビューをしているジャーナリストなどは、何が知らされていないか一番よく知っています。

ちなみに今回紹介した作品の監督さんである熊谷博子さんも「今後も国民が知らされていないことを掘っていきたい」とおしゃっていました。わたしたちも「知らないことがあるかもしれない」という姿勢を常に貫きたいものです。