シャドー・ディール 武器ビジネスの闇 ~ 政治家も武器のセールスマンであると知る

武器ビジネスと政治というのは密接な関係にありますが、それを語る人はほとんどいません。しかし武器ビジネスが成り立つのは「安全保障」の枠組みを政治が担保しているからであることは明白です。そこで今回は武器ビジネスと政治の関わりを赤裸々に暴露している映画を紹介したいと思います。

予告動画)シャドー・ディール

武器ビジネスと日本

この記事を読んでいるあなたは「武器ビジネスと日本はあまり関係がないのではないか?」と考えているかもしれません。おそらく多くの日本人の認識はそうでしょう。日本がアメリカ米軍の沖縄駐屯費用を「思いやり予算」として捻出していることはなんとなく知っていても、「日本は軍事産業と直接の関係はない」と固く信じていることでしょう。

しかしそうではないのです。日本の政治家たちも軍事産業からワイロをもらって、軍事産業の売り上げのために飛行機やらヘリコプターやらを購入する手助けをしているのは歴史的な事実なのです。そう。一定年齢以上の方であれば「ロッキード事件」のことを思い出すことでしょう。

ロッキード事件

ロッキード事件とは(狭義には)「ロッキード社の旅客機を全日空に売るために、ロッキードが日本の政治家や大物右翼などにワイロを渡した事件」のことです。

そもそもロッキード社が必死になっていたのはなぜでしょうか?「ベトナム戦争が終わりに近づいて売り上げが下がってきたため、なんとしてでも旅客機を世界中の国々に売らなければいけなかったから。」

そう。日本人はロッキード事件というと「アメリカ対日本」の1対1の関係を想像するでしょうが、そうではないのです。ロッキード社は、西ドイツ、イタリア、カナダ、オランダ、サウジアラビア、ヨルダン、メキシコなどの国々とも「公にしたくない関係」を続けていたのです。

日本では総理大臣経験者の田中角栄や、大物右翼の児玉誉士夫(こだまよしお)などの名前が挙がっていますが、世界に目を広げれば、元西ドイツ国防相(フランツ・シュトラス)、オランダ女王の夫(ベルンハルト殿下)、サウジアラビアの有名フィクサー(アドナン・カショギ)などもやり玉にあげられていたのです。

そして本題はここからです。現在進行形で日本だけでなく世界中で軍事産業を維持するために一肌脱いでいる(可能性が高いと推測できる)わけですが、この度、日本政府は直接「武器輸出」に踏み切る決断をしました。

国是の変更

戦後日本は武器の輸出を原則禁止していました(武器輸出三原則)。しかし安倍総理(当時)は2014年4月の閣議決定において「武器輸出三原則」をなくし、武器や軍事技術を海外に輸出できる「防衛装備移転三原則」に国の方針を変更しました。

現在日本は、オーストラリア政府と武器輸出について商談中です。12隻の潜水艦を共同開発・生産するパートナーとして、豪政府が日本の三菱重工を選び、「そうりゅう型」潜水艦を採用する可能性が高まっているのです。受注額は、設計、建造、メンテナンスを含めて4兆4000億円といいますから「超巨大案件」であることは間違いありません。

三菱重工といえば、先日紹介した「狼をさがして」という映画を思い出します。東アジア反日武装戦線の「狼」なるグループは、三菱重工を日本帝国主義の中枢部であると批判して無差別テロをやったわけですが、まさか46年後に三菱重工がふたたび軍事企業の存在感を取り戻すとは「狼」のメンバーも予想してなかったのではないでしょうか。