あなたと(子どもは) 社会で通用しますか? 【1/7】

わたしが大学を卒業するまでにかかった学費は2,000万円以上でした。母は高卒、父は専門学校卒だったので、「自分の子どもには学歴で苦労してほしくない」、「せめて人並みの生活をさせてあげたい」という気持ちが強かったのでしょう。

SAPIX・河合塾・駿台予備校などでしっかり受験対策したおかげで、筑波大学付属高校(東京:文京区)・慶応義塾大学理工学部を卒業し、外資系の経営コンサルティングファームの戦略部門の内定を勝ち取ることができました。

しかし驚くべきことに・・・・・2,000万円以上ものお金をかけてもらってマジメに勉強したにも関わらず、社会に出た時点におけるわたしの「社会で通用する力」のレベルはほとんどゼロだったのです。

社会人になって働き始めたとき、わたしは ロールプレイングゲームをLv1(レベル1)からスタートする主人公のような状態だったのです。だから会社では死ぬほど怒られましたし、自分がいかに社会で通用しないか思い知ったときはトイレでこっそり泣いたこともありました。でもそんなことは・・・・

大人はみんな知っている

「社会で通用する力」のレベルがほとんどゼロだったわたしが「社会で通用する力」を少しは手に入れたかもしれない・・・という実感をもつことができたのは、就職してから5年ほど働き、脱サラしてからストレスMAXの日々を5年ほど過ごして、人生ではじめて「金銭的・時間的な余裕」を手に入れたタイミングでした。

もちろんはじめから順調だったわけではありません。就職してからは本当にいろいろな苦労がありました。自分を完全に見失って心を病んだり、お金の(深刻な)問題に直面したり、人間関係がハチャメチャになったりして、はじめて「うつ病」・「ひきこもり」・「多重債務者」になる人の気持ちがわかったのです。

すべての問題を乗り越えたわたしは、ある日ふとこんな疑問を抱きました。「わたしが生まれて社会人になるまでの22年間、なぜ誰も『社会で通用する力』を鍛えるようにアドバイスしてくれなかったのだろうか?」と。

保護者の問題意識

「学歴があるからといって、社会で通用するとは限らない」ということは、社会人の「常識」でしょう。事実、ベネッセの調査によれば保護者の95%以上が「学歴があっても社会で通用する力が身についていなければ意味がない」と考えているのです。

【ベネッセの調査①】

【出典:ベネッセ

保護者は子どものために何を伝えているのでしょうか?ベネッセのアンケート調査によれば↓↓↓

【ベネッセの調査②】

【出典:ベネッセ

家庭教育のなかで保護者が子どもに、もっとも伝えていることが「睡眠をじゅうぶんとること」なのです。冗談のような事実です。確かにわたしの母も会うたびに「ちゃんと寝てる?健康に気をつけて頑張ってね」と声をかけてくれます。

とはいえ、もしタイムスリップして社会人になる前のわたしに会えるなら「睡眠をじゅうぶんとること」以外に伝えたいことがたくさんあります。もし「社会で通用する力」のほんの一部でも過去のわたしに伝えることができたなら・・・・・自分の人生は間違いなく変わっていると断言できます。

あなたの子どもにも「社会で通用する力」を伝えてあげるべきだと思います。しかし「社会で通用する力」をわたしが伝えることができません。なぜならばあなたの子どもをわたしは知らないし、あなたの子どもへの影響力もないからです。

ここで質問です。あなたの子どもを知っていて、あなたの子どものために何か特別なことをやってあげたいという気持ちがあって、あなたの子どもに影響力があって、なおかつ長い時間一緒にいるのは一体誰でしょうか?

答えはわかりきっています。そう。『あなた』です。

子どもの基準

あなたが子どもの「基準」になります。例えばわたしが幼稚園児だった時、親から「好きなことをしなさい」といわれたので、当時通っていた公文式を「辞めたい」とお願いしたら、大変なことになりました。

「公文式を辞めたい」とお願いしたその日の夜に、物々しい雰囲気のなか父親と母親の前で正座させられて「勉強しない子はうちの子じゃありません!!!」と叱られたのです。

「おしえて!イチロー先生」という企画で、女の子が「なぜ(お母さんから)好きなものを買っていいよと言われると戸惑うのですか?」と質問している回があるのですが、動画を観ればわたしのいわんとしていることが一発でわかるはずです。

90秒ほどの短い動画なので是非ともチェックしてみてください↓↓↓↓

親が子どもに「好きなことをしなさい」といっているのに、現実にはそれを許さないという態度が繰り返されるうちに、子どもは本人も親も気づかないうちに少しずつ少しずつ親に『調教』されていくのです。

現在、日本の中学生の7割に反抗期がないそうです。調教はうまくいっているのです。しかし調教し続けることは容易ではありません。いつか子どもは親の手を離れて社会に出ていきます。しかし『調教』され続けた子どもは「社会で通用するスキル」を何も身につけていないので苦労するハメになるのです。

事実、就職活動が終わったあとの学生の関心事はもっぱら「会社で働くその日までに何をしたらいいか?」なのです。22年以上も生きてきて、「自分が何をするべきか?」ということすら自分で決めることができないのです。

不安が現実に?

もちろん保護者も自分の子どもが社会に出たら苦労するであろうことに薄々は気づいています。事実、さきほど紹介したベネッセの調査によれば「子どもが大人になったとき自立できるか不安である」と回答している保護者が約5割もいるのです。

残念ながら・・・・保護者の不安が的中する可能性は年々高まっています。

日本では100万人以上が「ひきこもり」状態で、100人のうち約6人が生涯のうちにうつ病を経験するそうです。また「あなたがいま最も不安に感じているお金の問題は何ですか。」という質問に対して、「理由はわからないが不安」という人が11.9%もいるのです。

【FPパートナーの調査】

【出典:FPパートナー

またAI技術によってホワイトカラーの仕事はこれからもどんどん奪われていきます。大学を卒業したからといって高い学費に見合った仕事が与えられる保証は一切ないのです。

どうすればあなた(やあなたの子ども)は「ひきこもり」にもならずに、「うつ病」にもならずに、「お金の不安」にも怯えずに、AIには出来ない仕事を勝ち取り、社会をサバイバルすることができるでしょうか?

学級崩壊

社会をサバイバルする上で非常に役立つ話があります。社会学者の宮台真司さんの中学時代の話です。

宮台真司さんが麻布中学(東京にある名門私立)に入学すると、学園闘争のあおりで半年近くロックアウト(学内進入禁止)で通常の授業がなく、野球をすれば一学期分の英語の単位がもらえ、公園を散歩すれば理科の単位がもらえるという状態だったそうです。

そして授業再開後も前方2列を除けば、紙マージャンを花札をしたり、教室にラーメン屋の出前がきたり、壁に隣の部屋に突き抜ける穴を掘っているなど荒れ放題で、教員集団から完全に見放されていたそうです。

しかしフタを開けてみれば、もっとも荒れていたはずの宮台真司さんの学年は、東大合格者実績がいまだに『歴代2位』なのです。なぜ直観に反する不思議な結果になったのでしょうか?

宮台真司さん曰く、「僕らの学年は、学校に依存できなかったぶん、自立するしかなかったからです。試行錯誤をくり返して、必死で勉強と遊びの両立を図りました。(中略)親や教員に抱え込まれなかったがゆえの、教育の成功です。」とのこと。

社会を生き抜く力

思考錯誤を繰り返して自ら学習するしか「社会で通用する力」を鍛える方法はありません。わたしも本当に自分の頭で考えて試行錯誤を繰り返すようになったのは、脱サラして会社に依存できなくなった時でした。

しかし・・・自分が経験したから本当にそう思うのですが、自分が依存しているものを今すぐ断ち切るのは荒療治です。ほとんどの人にとっては現実的ではないでしょう。

事実、離婚したくても離婚できないでしょうし、会社を辞めたくても辞められないし、子どもを『調教』することだって辞められないでしょう。

なぜならば・・・・今やっていることを辞めてどうするのか?ということについて展望をもてないし、何かを変えたくても何からすればいいのか見当もつかないからです。

そこでわたしは「社会で通用する力」をゼロから学習できる独自のオンラインコーチングプログラムを開発して販売することにしたのですが、「そもそも社会で通用する力といわれても漠然としていてよくわからない」という気持ちもわかります。

そこで次回からは「社会で通用する力」のエッセンスをわかりやすく紹介していきたいと思います。

(続く)

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プロフィール

坂本輝(さかもと あきら) ライフコーチ
「資格や学歴があっても社会で通用する力が身についていなければ意味がない」ことを痛感しているのに突破口が見つからない方のために、【社会で通用する力を鍛える】オンラインコーチングプログラムを提供しています。「このままでいいのか?」という不安を放置しないで、自分・家族・仲間を守る行動を今すぐはじめませんか?