白金珈琲と「誤配」

UBER EATSの配達員をやっていると想定外の状況に出くわすこともあります。その代表例が「注文者と連絡がつかない」です。

先日、白金珈琲というコーヒー屋さんからの注文を受けて、自転車で5分ほどの高級マンションへ配達に向かったのですが、チャイムを押しても電話しても反応がありませんでした。

配達先が間違っていたのでは?という疑問は、わたしにはありませんでした。毎日配達していても、ほとんどのお客様の名前は記憶にないのですが、そのお客さんは「事業名」でアカウントを登録していたため、過去に配達したときの記憶が残っていたのです。

UBER EATSの規約によると指定された場所に到着後、電話連絡してから10分しても連絡がつかなかった場合には、「廃棄」することになっています。

「お客さんの玄関に置いておけば?」という疑問もあるでしょうが、高級マンションともなると2回、3回とチャイムを押してドアを開けてもらわないと玄関にたどりつけなかったり、「置き配禁止」(おそらくカーペットなどが汚れては困るから)などのルールが設定されていることも珍しくありません。

今回のお届け先の場合、インターフォンを2回鳴らしてドアを開けてもらわなければならず、しかも2回目のチャイムを開錠してもらわないと、エレベーターのボタンすら反応しないというセキュリティーの高い建物だったため、美味しいコーヒーを泣く泣く「廃棄」せざるを得ませんでした。

しかし廃棄することを躊躇するアイテムが一つだけありました。それは「コーヒー豆」。

珈琲豆

アイスコーヒーのように溶けるわけでもなし、ホットコーヒーのように冷めるわけでもなく、廃棄せずとも配達作業に影響がなかったため、とりあえず自宅に持ち帰ることにしたコーヒー豆ですが、残念ながらわたしの自宅にはコーヒー豆を挽く道具(ミル)がありません。

ミルを購入するのも面倒だし、誰かにあげようにも廃棄品だしなぁ~だなんて、思っていた矢先に思い出したのは、東浩紀(哲学者)さんの「誤配」というキーワードでした。

ぼくはよく、コミュニケーションでは「誤配」が大事だということを言います。自分のメッセージが本来は伝わるべきでないひとにまちがって伝わってしまうこと、ほんとうなら知らないでもよかったことをたまたま知ってしまうこと。そういう「事故」は現代ではリスクやノイズと捉えられがちですが、ぼくは逆の考えかたをします。そのような事故=誤配こそがイノベーションやクリエーションの源だと思うのです。

【引用:婦人公論.jp

白金珈琲のホームページをみると、こんなことが書いてあります。

白金珈琲では、世界各地の最高級グレードの豆を取扱い、手選別作業を2回実施するなど高い品質を追求しております。

【引用:白金珈琲

白金珈琲のコーヒー豆は、珈琲にこだわりのないわたしにはあきらかに関係のない商品です。ほんとうなら知らないでもよかったわたしがたまたま白金珈琲のコーヒー豆に出会う。。。まさに「誤配」そのものではないですか。

ミルを購入する

どうせやるなら「いい道具をそろえない」と考えてしまうのがわたしの癖なのですが、今回の場合はじっくり考えている時間はありません。なぜならば「コーヒー豆」の賞味期限が2週間後に迫っていたからです。

そもそもコーヒー豆の賞味期限が2週間という短い期間であることすら認識していなかったわたしは焦ってしまい、「失敗してもショックを受けない」ということを最優先にした結果、「川崎合成樹脂」さんの商品を購入することにしました。

参考 MILLUセラミックス株式会社川崎合成樹脂

川崎合成樹脂さんの商品を選んだ理由は「水洗いしても錆びることがなくいつでも清潔にお使いいただけます。」という理由から。今日はさっそく、自分で入れたコーヒーを堪能してみたいと思います。