宮崎駿の『風の谷のナウシカ』を知っている人はたくさんいるのですが、ほとんどの人が認識しているナウシカは「アニメ版」です。アニメ版『風の谷のナウシカ』の原作は「マンガ版」で、アニメ版のナウシカは7巻ある「マンガ版」のうちの2巻までに相当します。
ネタバレ覚悟で『マンガ版』について説明するとこんな話です。
人類は極限まで文明を発達させて「火の7日間」と呼ばれる最終戦争を起こします。その結果、文明は滅んで、有毒ガスが充満する「腐海」と呼ばれる菌類の森が誕生します。生き残った人々は腐海のほとりにある「風の谷」で共同生活をはじめるのです。
「腐海」には「王蟲」(オーム)と呼ばれる巨大節足動物がいて、人々の生活をおびやかします。「風の谷」の族長の娘ナウシカは、苦しむ人々を救おうと奮闘するのですが最終的に「この世界は、過去の賢者たちによって、周到に設計されたものだ」ということに気づいてしまいます。
つまり「腐海」も「王蟲」も、「火の7日間」のせいで「災い」として誕生したものではなかったのです。「腐海」は設計されていた。「王蟲」も設計されていた。ナウシカが生まれることも設計されていた・・・・・そのことに気づいたナウシカは、すべてを破壊して、人々の前から姿を消すのです。
そしてナウシカは、伝説的存在として人々に語り継がれていく・・・・というのが、マンガ版『風の谷のナウシカ』のアウトラインです。
マンガ版『風の谷のナウシカ』の重要なポイントは、「今わたしたちが生きている世界が、同じ人間がつくったものであるということは、それが仮に真実であっても、不用意に伝えてはいけない」ということです。
そう。お金の仕組み、国民国家、宗教だけでなく、「日本人」という枠組みですら、過去の賢者たちによって周到に設計されたものであることは、それが仮に真実であっても、不用意に伝えてはいけないのです。
しかしそれでもわたしが真実を伝える理由は、これから先、どのみち社会は回らなくなるからです。日本という船は沈んでいます。あきらかに「非常事態」です。これからも非常事態は続くでしょう。
経済成長できず、出生率も上がらず、円安になり物価は上昇しているのに給料は上がらない。まさに非常事態(沈んでいく)が常態化している異常事態なのに、政治家や官僚がやっているのは沈むゆく船のなかでのイス取りゲーム(権力争い)です。
日本人なら「日本が沈んでいる」という都合の悪い話は、仮にそれが真実であっても聞きたくありません。政治家は官僚も「日本が沈んでいるなんて国民に伝えたらパニックになるから伝えない」という態度を貫いています。
しかし・・・・・・政治家や官僚が「大丈夫です。安心してください。」と大きな声で主張しようが、経済成長できず、出世率も上がらず、エネルギーにも困り、給料や年金は上がらないのに物価が上昇し、日本人はどんどんジリ貧に追いやられていくでしょう。
いまだに・・・・・「日本が沈んでいる」という危機的な状況でも、「びほう策」(欠点を隠すための、一時的な間に合わせ)でなんとかなると信じている人がたくさんいます。例えば安倍晋三は「お金を刷れば好景気になる」という意味不明な政策(アベノミクス)をやり続けて日本をメチャクチャにしました。
労働者に2倍の給料をあげたら生産性は2倍になるのでしょうか?学生に2倍の教育費を投下したら成績は2倍になるのでしょうか?ボトルネックは「お金」ではないのです。あなたを幸せにするのも「お金」ではないのです。
それでも「びほう策」に飛びつくのは「無知」が原因です。そう。わたしが伝えたいことは真実つまり「そもそも世界がどうなっているのか?」ということから目をそらせば、路頭に迷って孤独に死ぬ可能性を高めますよ!ということなのです。
路頭に迷って孤独に死なないためには、政治家や官僚に自分の人生を丸投げすることをやめなければいけません。なぜならばすでに説明したとおり政治家や官僚は、『幻想』を維持するために嘘であることがわかっていても嘘をつき続けなければいけない存在だからです。
例えば政治家や官僚の口癖は「お金がない」です。学校の教科書をみても「福祉政策が成り立たなくなったのは財政が厳しいから」というようなことが書いてあります。
教科書に書いてあることは半分は正しいです。しかし財政が厳しくなった理由は「累進課税ができなくなった」からです。累進課税ができなくなった背景にはグローバル化があります。
グローバル化によって「税金高くするなら、エネルギーが高いなら、日本を脱出して海外にいきます!」という法人や個人が珍しくなくなり、格差を是正するための再配分が機能しなくなっているのです。
だから選挙が近くなると「格差は是正すべき!」と政治家は声高に主張するようになるのですが、選挙が終わって政治家や官僚が実際にやっていることといえば、格差を是正するどころか(日本の場合は特に)既得権益の荷物を軽くする政策ばかりです。
事実、法人税率の引き下げ、非正規雇用・外国人労働者の導入といった既得権益に有利な政策を推進する一方で、労働者への課税を強化し続けているのが日本政府の基本路線なのです。
「非常事態の常態化」という異常事態はこれからもしばらくは続くでしょう。そうなると人々は不安になり、「野党なんて信用できない!」とばかりに与党に票が集まるようになります。
そして与党の政治的基盤はますます盤石になり、ますます既得権益が「やりたい放題」やっていても、国民は「何かおかしい」と疑問を感じながらも、結局のところは何もできない無力感に打ちひしがれるようになるのです。
ここまでの話を聞けば「どうすればいいのか?」とわたしに質問したくなると思うので、処方箋をプレゼントします。わたしの処方箋はシンプルに「覚醒せよ!」です。ひらたくえいば「幻想から目覚めて」+「自分と自分の大切なものを守るために戦いましょう」ということです。
だからわたしはこれまで「1.教育」、「2.経済」、「3.宗教」、「4.社会」のなかで、多くの人々が無意識に疑いもせずに受け入れてしまっている「幻想」をうち破ってきたわけです。
とはいえ、「自分と自分の大切なものを守るために戦いましょう」とアドバイスされたところで、「自分なんてこんなもの」と無気力になっている自分で自分を起動する方法がわからなければ、「よし!やってよやろう!」という気持ちになかなかなれないでしょう。
そこであなたにお伝えしたいのが「6.法則」、「7.感情」、「8.勇気」、「9.進化」というテーマについてなのですが、ここから先は真実を知る覚悟があり、なおかつ覚醒することに興味がある方のみ進むようにしてください。(続く)