「これしかない」提案

「これしかない」提案

自転車で東京の街を観察しているのですが、2021年3月7日(日)まで緊急事態宣言の延長が決定した2月2日(火)以降、閉業するお店が目立つようになりました。

年中閉店セールをやっていた小売店のチラシには「今回は、本当に閉店します。コロナには勝てませんでした。」と書かれていました。また地元の洋食店屋さんのシャッターには何の前触れもなく「長い間、ご愛顧いただき有難うございました。皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」との張り紙が貼ってありました。

政府の仕事は「勝った人が報われる環境。負けた人には再チャレンジできる環境」を整備することだとわたしは今でも信じていますし、政治は三流とさんざん揶揄されてきた日本だって、コロナ禍のようなときは本気を出してくれると心のどこかで期待していたのですが、、、、本当に残念でなりません。

とはいえ、壊滅的な被害を被った業界もある一方で、景気のいい業界もあります。そう。自転車業界です。今日はわたしの愛する自転車のことを話したいと思います。

さよなら赤チャリ

コロナ禍による恩恵で規模を拡大させたデリバリー業界ですが、配達員に自転車が提供される『出前館』を除けば、UBER EATS・menu・フードパンダ・フードネコ・Wolt・Chompyなどの配達員の多くはドコモのレンタサイクル(通称:赤チャリ)を利用していました。

しかし現在では赤チャリを利用している配達員をみかける機会は以前よりもずっと減っています。何があったのか?実は、2020年12月31日を最後に赤チャリの『配達員専用の格安契約』が廃止されてしまったのです。

2021年1月1日以降に赤チャリを利用する場合には、時給換算で約200円の利益の減少を覚悟する必要がでてきてしまったのです。お金がないから「ちょっとデリバリーでもやってみようかな。」という人には大打撃です。

例えば副業で土日をメインに配達をしている人の場合、5時間稼働する場合には約1,000円の出費になり、お得な1日パスの場合でも1,500円の出費になる計算です。

そこで従来から赤チャリを利用していた配達員のなかには「そろそろ自分の自転車を買おう」と決意する人がでてくるのは当然のことで、次なる問題は「どの自転車を買うのか?」ということになります。

ブリジストンええやん

ご存知の方も多いと思いますが、電動自転車って結構なお値段するんですね。いわゆるママチャリタイプの電動自転車でも10万円しますし、子どもをのせれるタイプになると20万円弱することも珍しくありません。

しかしそれだけ高額な商品にも関わらず、ママチャリタイプの電動自転車を配達に利用する場合には問題点があります。それは「電動アシストしてくれる時間が短すぎる」という点。

フル充電した状態でも、40kmも走行すればバッテリー残量がゼロになってしまいます。しかもバッテリー残量がゼロになれば、ペダルがめちゃめちゃ重くなるので、「配達に使うのはちょっと・・・・」という判断になるのは当然のことです。

そこでやる気に満ち溢れた配達員のなかには、最低でも30万円以上(50万円、100万円もする商品もざらにあります)もするe-sportsタイプの電動自転車を購入する人もいます。

実際に1回の充電で200km以上も走行できて、なおかつカッコいい電動自転車にのって颯爽とUBER EATSの配達員やっている人を見かけたこともあります。

しかしそこまでのお金を出せるのは本業でやっている配達員だけでしょう。お小遣い稼ぎでやる人が購入するには、ちょっと手がでないお値段だと思いますし、むしろ実際に購入した場合、配達で稼ぐことよりも、配達先で盗難被害に遭うことのほうが心配になって配達に集中できなくなると思います。(笑)

かといって電動自転車はあきらめてロードバイクやクロスバイクを購入するほうが合理的・・・・という判断にはならないでしょう。わたしが重視している「走る喜び」なんてものは、もともと電動自転車での配達に慣れた人にとっては、どうでもいいことだからです。

「ドコモのレンタサイクルを続けるしかないのか・・・・」と諦めたくもなるのですが、実は探せばいい自転車もあるにはあるんです。例えばブリジストンから発売されている【TB1e(ティービーワンe)】という電動アシスト自転車なんかはいい感じです。

定価で13万円もするちょっと高い商品なのですが、1回の充電で90km走行できて!!!、フレームもアルミで7段の変速ギアもついているので電源がきれてもなんとか我慢できる・・・という驚きの性能をもっているのです。

それしかないっしょ

おそらくドコモのレンタサイクルの料金プラン改定を機に、そろそろ電動自転車がほしいと思っている多くの人にとっては「これしかない」という提案だったでしょうし、そもそもわたしがブリジストンの自転車のことを知ったのは、「配達員が乗っているのをよく見かけるから」なんですね。

ここからが本題。

コロナ禍の街を観察していると、行列ができている飲食店もあれば、誰もお客さんのいない飲食店もあります。儲かっているところと、そうでないところの差がめちゃめちゃ顕著になっています。

「選ばれる理由」がない事業は衰退し、「選ばれる理由」がある事業は栄えているのが現実です。そもそもそのようなことはコロナの前から当たり前の話ではあったのですが、多くの人がそのことを自覚しないと生き残れない経済環境になってしまいました。

「選ばれる理由」なんてことを真剣に考えなくてもいい時代もありました。頑張って勉強したり留学したり資格をとったりして、なんとか就職すれば出世できなくてもなんとか飯を食っていける時代もありました。

しかしこれからの時代は、大きな流れで言えば「一億総貧乏」の時代です。事実、日本人の給料は少しずつ少しずつ下がり続けています。基本給が下がっているので残業したいけど、残業するほどの仕事もないので、どうしよう・・・と悩むのはまだマシなほうで、勤め先が破綻して先が見えないなんて人がたくさんいる世知辛い時代です。

どうすればいいのか?という疑問に対する答えは一つではありません。「できることは全部やる」のが合理的だと思いますが、その選択肢の一つに「選ばれる理由をつくる」技術もあると思います。

今回わたしが発見したように、街ゆく人の購買行動を観察して「なぜ?それが選ばれているのか?」ということを考える癖をつけていると、そのあたりの感度が少しずつ鋭くなっていくのではないでしょうか。

「選ばれる理由」をつくる能力は、世間一般では「マーケティング」のスキルに分類されていますが、マーケティングの能力というものは「勉強すればなんとかなる」という能力というよりも、「自分の頭で考える」ことでしか永遠に身につかない類のスキルです。

ある日突然身につくものではありませんが、あなたが今後の人生で「何かを売りたい」と願う場合に、マーケティングスキルを磨く価値のあることに疑いの余地はないでしょう。