トランス ~ 洗脳の基本のキ

あなたは「自分は洗脳されていない」と信じて疑いもしていないでしょう。たしかに狭義の洗脳の定義は「恐怖をフックにして特定の信念を植えつけること」です。ですから「お金がないと恐ろしいことになる」などと語りかけられれば、「本当にそうなのか?」と自己防衛することも可能でしょう。

例えば「お金がないと」とストレートに脅さなくても、「転職すれば」、「離婚すれば」、「受験浪人すれば」、「老後資金がなくなったら」、「癌になったら」などと問題提起をして見込み客に特定の価値観を受けつけた後に特定の商品を購入させる・・・なんてことは『マーケティング』として合法的に認められている行為でもあります。(例:2016年のアメリカ大統領選挙におけるケンブリッジ・アナリティカ

しかし恐怖という手段を用いずとも「特定の信念を植えつけること」は可能なのです。どのようにすれば相手に気づかれないうちに「特定の信念を植えつける」というような実現できそうもないことが可能となるのでしょうか?今回はそのことを考えるヒントになりそうな映画を紹介します。

予告動画)トランス

日本人洗脳計画

戦後の日本人は洗脳教育のもとに育てられています。事実、戦後の日本にはGHQによる「日本人洗脳計画」(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)なるものが存在しました。なぜGHQは日本人を洗脳しなければいけなかったのでしょうか?

その理由は「日本人の報復」を恐れたからでした。歴史を振り返れば、戦勝国の占領政策は一筋縄ではいきません。事実、敗戦国は占領軍を恨み、スキあらば復讐に立ち上がるということが繰り返されてきました。

刀狩というと、日本人は豊臣秀吉の刀狩令(1588年)を思い出すかもしれませんが、日本を占領したGHQは『指令第一号』として「関東、東海地区の民家にあった刀剣類を武器とみなして東京・赤羽の米第八軍兵器補給廠(ほきゅうしょう)に集めた」のでした。それほどGHQは日本人の報復を恐れていたのです。

しかし日本人が武器をとってGHQに復讐することはありませんでした。「日本人洗脳計画」がとてもうまくハマったのです。

検閲の事実を悟られない

現在でも情報公開制度を利用して公文書を請求すると、いたるところが黒塗りになった文書が届けられるということがよくあります。しかし黒塗りにすれば「何か情報を隠している」ということがバレてしまいます。

そこでGHQは「検閲をしている事実」すら隠蔽することにしたのです。書籍なら書籍、新聞なら新聞を全部検閲対象にして、真実を報道するようなものがあれば「出させない」か「すべて書き換えさせる」という手段を用いたのです。

その結果生まれたのが「自主規制」です。新聞社や出版社からすれば、売り出す予定だったものが出せないということになれば大損害です。だから「どうせ検閲されるなら、自主的に規制しよう」という態度になり、そうするうちに「検閲されるかもしれない」というレベルよりも厳しく自らを律することが常態し現在に至るのです。

何を伝えていないかがわからない

日本国民は検閲の事実を知らされず、なおかつインプットする情報は「自主規制の産物」のみとなるわけですから、GHQの思惑(日本人洗脳計画)は完全犯罪として成立し、結果として日本人はGHQにマインドコントロールされることになったのです。

日本は伝統主義の国です。伝統主義とは「伝統を大切にする」という考え方ではなく、「伝統は伝統であるという理由で存続させる」という主義のことです。戦時中の行為で戦後に外務省を追い出された杉原千畝がそうだったように、GHQが去ったあともジャーナリズムの自主規制と、マインド・コントロールの結果だけは戦後70年以上が経過した現在も残り続けているのです。

以上解説してきたように大事な情報を隠すというのが洗脳の基本のキなわけですが、洗脳にはもっと上のレベルがあります。もっと上のレベルの洗脳テクニックについて興味があれば、映画「トランス」を鑑賞して確かめてみることをおススメします。