東京大学名誉教授の小田島雄志（おだしま ゆうし：英文学者、演劇評論家）によれば、シェイクスピアの悲劇のパターンは「I must go」（そこにいくしかない）と「It is too late」（もう手遅れ、今さらやめられない）の2つあるそうです。なぜこの2つが悲劇につながるのでしょうか？
たとえば「老後が不安」という場合、「お金が足りなかったどうしよう」とか、「独り身だったらどうしよう」というネガティブな思考に囚われているうちに、別の可能性について考えることができなくなってしまうのです。つまり自分自身の手で、未来の可能性を閉ざしてしまうのです。結果として無意識のうちに、（不安な老後に）「いくしかない」という精神状態に囚われてしまうのです。
もちろん「老後の不安」に対して『なんとかしたい』と思う人もいるでしょう。「なんとかする」ためには、いままでの行動をやめて、新しいことに挑戦する必要があります。しかし無意識のうちに、「いまさらわたしにできるわけがない」（もう手遅れ）と自分で自分にブレーキをかけてしまうのです。
つまり「そこにいくしかない」、「もう手遅れ」というのは、未来と過去について『変更の余地はない』ということです。そのため『このままじゃダメだ』とアタマではわかっていたとしても、悲劇へと突き進んでしまうのです。
ここまでの内容を踏まえると、わたしがちが「残酷な世界」に生きていることがわかります。
日本社会は「やるといったらやる」のが常識で、プランAがダメならプランBをどうするか？という議論を毛嫌いします。プランBの議論をしようものなら、「敗北主義者」だとののしられ、「やる前から失敗することを考えるんじゃない！」と怒られてしまいます。
たとえば「大日本帝国がアメリカと戦争したらどうなるか？」というテーマについて、大日本帝国の若手エリートがシミュレーションした結果はなんと・・・・・「緒戦、奇襲攻撃で勝利するが、国力の差から劣勢となり敗戦に至る」というものでした。（参考：昭和16年夏の敗戦）
つまり大日本帝国は、戦争に負けることがわかっていたのに、「やる前から失敗することを考えるんじゃない！」の精神で、開戦に踏み切ったのです。（そこにいくしかないの精神！）
その後、敗戦が濃厚という状況に追いつめられても敗戦を受け入れることなく（今さらやめられないの精神！）、東京大空襲で焼け野原にされて、広島と長崎に原子爆弾を落とされてしまいました。
ここで重要なことは、戦争に負けても日本人のメンタリティーは変わらなかったということです。
事実・・・・・このままだと少子高齢化になる、このままだと円安になる、なんてことは・・・・・ずーっと前からわかっていたのに、方向転換できずにズルズルと悲劇への道を歩み続けてきたのが、わたしたち日本人なのです。
日本社会全体のメンタリティーは、日本が日本であるかぎり変わらないと予想します。福島原発で水素爆発が発生しても・・・コロナ政策が失敗しても・・・経済が30年以上停滞し続けても・・・方向転換できないことが何よりの証拠です。
どうすればわたしたちはこの「残酷な世界」で生き延びることができるのでしょうか？
「すべての悩みは対人関係の悩みである」ことを喝破したアドラーの思想は、「残酷な世界」で生き延びる上でたくさんのヒントを与えてくれます。なぜならばアドラーの思想は、一言でまとめると「あなたの未来を創る思想」だからです。
現在のあなたが「貧乏」であると仮定します。アドラーは、現在の「貧乏」であるという状況が、『貧乏』である未来を約束するわけではないと考えます。むしろ「将来のわたしは貧乏になるかもしれない」というような未来に対するイメージが、現在のあなたの行動や思考を束縛すると考えるのです。
つまり「現在」が「未来」を決める（原因論）のではなく、「未来」が「現在」を決める（目的論）と、アドラー心理学は考えるのです。
たとえば「料理人」になる未来を目指す場合、現在やるべきことは「包丁の研ぎ方」かもしれません。また「野球選手」になる未来を目指す場合、現在やるべきことは「野球のルールを覚えること」かもしれません。
繰り返しになりますが重要なポイントは、「あなたが目指す未来」が「あなたの現在の行動」を決めるということです。である以上、「あなたが目指す未来」がとても重要になってくるわけです。アドラー心理学では「あなたが目指すべき未来」のことを『導きの星』と表現します。
しかし残念なことに・・・・・アドラー心理学の本を読んで『導きの星』の重要性に気づき、自分の『導きの星』を設定した・・・・・という人は、ほとんどいないと思います。
そう。どうすればアドラーの思想を実践できるのか？ということは、アドラー本を読んでもよくわからないのです。アドラー心理学を実生活に取り入れることができないのは、ちゃんとした理由があるのです。
どうすればアドラー心理学を実生活に取り入れることができるのでしょうか？
どうすればアドラー心理学を利用して、人生を変えることができるのか？ということは、誰も教えてくれません。理由は2つあります。
1つ目の理由は「これから目指したい人生の目的地は、人それぞれだから」です。2つ目の理由は「これまで歩んできた人生の道のりは、人それぞれだから」です。
人生は人それぞれなのですから、「自分で考える」しかありません。しかし「自分で考える」ことがムズカシイのです。なぜならば「自分で考える」なんてことは、日本の学校教育ではほとんど教えてくれないからです。
どうすれば「自分で考える」なんてことができるのでしょうか？
その答えをアドラー心理学に沿って学べる教材をつくったら喜ばれるのではないか？と思い、会員制サイト「ADLER MIND」（アドラーマインド）の運営をスタートさせることにしました。
学習の手順はシンプルです。
「１．課題図書を読む」について・・・・・課題図書は「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」の2冊です。いずれも1650円（税込み）で、2冊合計の発行部数は344万部を突破している大ヒットかつロングセラーの作品なので、もしかしたらあなたも読んだことがあるかもしれません。
「２．82講義を受講する」について・・・・・82ある講義は会員制サイトで公開しています。24時間365日いつでも学習することができます。また1回の講義は5分程度で読めるものがほとんどなので、スキマ時間で講義を進めることができます。
「３．アドラー思想の実践」について・・・・・『導きの星』を設定することが「ADLER MIND」（アドラーマインド）の最大の目的です。『導きの星』を設定することができれば、自然と「やるべきこと」がわかってくるはずです。
『ADLER MIND』（以下、アドラーマインド）に興味をもってくれた方の背中を押すために、スペシャル特典を用意しました！
『アドラーマインド』は、「アドラー思想を実践する」感覚をつかんでもらうための講座ですが、人生は死ぬまで続きます。そこで『アドラーマインド』の購入者限定で、豊かな人生戦略を創るための講座『RICH STRATEGY』（以下、リッチストラテジー）をプレゼントします。
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