あなたの意図は誤解なく伝えるべし

お金がほしいなら「お金をもらう」のが一番の近道です。「働いてお金を貯めて、そのお金を投資して資産を増やす」という選択肢は、正直、わたしはおススメしません。

現実的にいわゆる「お金持ち」といわれる人たちを観察してみてください。何十年間も地道に働いてお金を貯めた人たちを世間では「お金持ち」というよりは、「努力家」とか「倹約家」といって評価するはずです。

とはいえもちろん「お金をもらう」のは簡単なことではありません。銀行や投資からお金をもらう(出資してもらう)にしても、顧客からお金をもらう(商品を購入してもらう)にしても、挑戦する前から一筋縄ではいかないことに誰もが気づけるはずです。

「お金をもらう」ためには、何が必要なのでしょうか?

今回は「お金をもらう」ために必要なことを考える上で、参考になるエピソードをお届けしたいと思います。

マネーの虎がキレる

昔、マネーの虎という有名な番組がありました。番組に応募してきた起業家の卵が、お金をもっている実業家(投資家)に出資をお願いする一部始終を、面白おかしく紹介する番組です。

お金が絡むことですから、出資者も起業家の卵も真剣です。とはいえ、出資者は素人です。ですからバラエティ番組といえども、手加減するのが暗黙の了解のようになっていました。例えば出資者の誰かが厳しい指摘をすれば、別の出資者が助け舟を出す・・・というのがお決まりのパターンでした。

しかしある番組回だけは雰囲気がちょっと違いました。出資者(マネーの虎)の『全員』が出資者に対する嫌悪感を隠さなかったのです。その一部始終はいまでもYouTubeにアップされているので、興味がある方は視聴してからここから先をチェックしてください。

根拠はあるのか?

出資希望者は、牛丼屋でアルバイトしている状況で「うどん店屋を開業したい」37歳の男性でした。

マネーの虎たちは、出資希望者の男性にたくさんの質問を浴びせるのですが、残念ながら男性はマネーの虎たちをうならせるような提案をすることができません。

例えば「うどん屋の経験は?成功できるの?」とマネーの虎が質問すれば、「香川県出身なんで。」といった具合です。

また事業計画書のなかに「土地の購入費用」などが含まれていたこともあり、マネーの虎は「なぜ?あなたのマイホーム費用をわたしたちが払わなければいけないの?」と怒り心頭です。

もちろん結果はノーマネー(出資してもらえない)。出資希望者の男性は、マネーの虎たちから怒られに怒られて、涙目で番組を去ることになったのです。

リアルタイムでこの番組を視聴していた人たちは「(出資してもらえないのは)当然」だと信じて疑わなかったでしょう。しかし驚くべきことに、この出資者の男性、現在うどん屋としてちゃんとやっているようなんです。

言葉で伝えられない

言葉で自分の考えていることをちゃんと伝えられない人というのは多いです。おそらくこの男性もそうだったのでしょう。

マネーの虎から「土地の購入費用」について問われた時、出資者の男性が本当にいいたかったことは、「わたしは1年365日24時間、うどん屋の経営に集中します。それだけ本気です。」ということだったのかもしれないのです。

投資の世界で大成功したウォーレン・バフェットは、成功したければ自己投資することが重要であり、自己投資のなかでも「コミュニケーションスキル」を高めることを推奨しています。

ウォーレン・バフェット曰く、文章や会話による円滑なコミュニケーションを身につければ、「少なくとも自分の価値を50%あげることができる」のだそうです。

もちろん口がうまけりゃ、すべてうまくいくというわけではありません。「コンテンツ」(今回の場合は、うどん)がちゃんとしていなければ、詐欺師になるだけです。

実際問題、コロナ禍における持続化給付金詐欺や、「かぼちゃの馬車事件」(不動産詐欺)で悪事を働いた人たちも、実態となるものが何もないのにまるでそこに何かが(例えば事業)があるかのように装いました。

コンテンツをつくるのが先です。しかしいいコンテンツがあれば、お金が集まってくるわけではありません。当然のことですが、人は誰しも自分がその価値を理解できないものに対してはお金を支払わないものなのです。

だからあなたがアピールしたいものがなんであれ、その魅力を説明するコミュニケーション力や言語運用は必要不可欠なのです。