仲間に「作り笑い」をするなかれ

仲間に「作り笑い」をするなかれ

ジャニー喜多川氏(以下、ジャニーさん)が亡くなりました。ジャニーさんはアメリカで生まれです。2歳の時に日本に戻るも10歳時に太平洋戦争に巻き込まれたため16歳のときにロサンゼルスに戻り、劇場でアルバイトして生計を立てます。

21歳の時に日本に戻り、アメリカ大使館の日本語通訳として活躍する傍ら、近所の少年を集めて、野球チームを立ち上げるのです。そしてその野球チーム名が「ジャニーズ」だったのです。その約10年後、30歳(1962年)の時に、ジャニーズ事務所を創業するのでした。

ダサかっこワルイ

「ジャニーズ」所属タレントというと『カッコいい』というイメージもありますが、バラエティ番組では「ダサかっこ悪い」という一面も垣間見ることができます。たくさんの意見があるのは承知していますが、わたしは「ダサかっこワルイ」ことがジャニーさんが大成功した核にあると思います。

ジャニーさんは「掃除のオッサン」のような風貌をしていることでも有名です。KinKi Kidsのコンサート会場で、楽屋に行く途中に「おい!待てや、おっさん!」と警備員から怒られたというエピソードはあまりにも有名です。

ジャニーさんはわたしたちが一般的に「社長」や「カリスマ」に抱くイメージとは真逆の人間ですが、大成功しているのは得てしてそういうダサかっこ悪い人間です。

そして実は哲学の分野でも、宗教学の分野でも、テクノロジーの分野でも、生命科学の分野でも、コーチングの分野でも、起業の分野でも、芸術の分野でも、「ダサかっこ悪い」の関連キーワードが注目されていることをご存知でしょうか?

異質なものを受け入れる

あなたが興味があるのはおそらくAI時代をどう生き残るのか?という文脈での話だと思いますが、勘のいい方ならこれからの時代生き残るのは「ダサカッコワルイ」人間であることを直感的に理解していると思います。

「かっこいい」でもなく、「ダサい」でもなく、「ダサかっこいい」でもなく、「かっこワルイ」でもなく、「ダサカッコワルイ」というのがポイントです。では「ダサカッコワルイ」とはなんでしょうか?

一言でいえば「異質なものを受け入れながら実行できる人」のことです。

何かに挑戦するたびに「それって意味あるんですか?」いうことばかり気になる人のことではありません。マニュアルがないと行動できない人のことではありません。とりあえずやってみて失敗したらすぐに諦めるような人でもありません。

「ダサカッコワルイ」とはもっと無骨な人です。笑顔が素敵な人です。挨拶ができる人のことです。野蛮な人です。仲間を守るためならコスパが悪くても戦い抜く人のことです。

生涯現役のプロデューサーであるジャニーさんがオーディションで一番最初に見るポイントは「笑顔」なんだそうです。ジャニーさん曰く「仲間に作り笑いをする人間をわたしは認めない」とのことです。また所属タレントには礼儀に厳しかったのも有名です。

普通じゃないことをやる

ジャニーさんは予定調和も大嫌いです。滝沢秀明プロデュースの演劇(滝沢歌舞伎)では、「普通じゃないことをやれ。」、「君は1秒も舞台から離れてはいけない」という指示を出して、滝沢秀明さんを苦悩させました。

結果、滝沢秀明さんは「化粧直しを舞台上でやる」というブレークスルーを打ち出すのですが、、、、その後も東南アジアで雪をふらせたり、腹筋しながらイケメンが太鼓をたたいたり、、、、普通じゃないことに挑戦し続けています。

またジャニーズさんは所属メンバーを「タレント」呼ばわりされることを許しませんでした。タレントは「スター」であり「エンターテイナー」がジャニーズアイドルという信念をもっていました。

さらにジャニーズからデビューしたグループの名前が、普通の人では考えつかないネーミングであることも偶然ではないと思います。たのきんトリオ、少年隊、光GENJI、TOKIO、V6、SMAP、嵐、etc、はじめて耳にしたときは「なぜ?このネーミング?」というネーミングが定着するのも偶然ではないと思うのです。

ちなみにジャニーさんは、当初事務所のネーミングを、「ジャニーズ」ではなく「オール エラーズ」(失敗者)というダサかっこワルイネーミングにすることを検討していたそうです。「失敗を恐れるな、失敗しても前に進め。そういう姿が美しいんだから」とジャニーさんならアドバイスしてくれるのではないでしょうか?