「社会で通用する力」を鍛えるためには、そもそも社会とは何か?そもそもお金とは何か?という基本的なことを理解しなければいけない・・・ということは前回までのレポートで解説しました。
しかし社会のカラクリを理解し、お金を使ってさまざまな道具を上手に活用できたとしても、それだけでは社会で通用しないのです。社会で通用するためには何が足りないのでしょうか?
その答えは「社会で通用したいのは誰なのか?」、「お金を使ってさまざまな道具を上手に活用する人は誰なのか?」ということを考えればすぐにわかるはずです。
そう。「あなた」を理解していなければ、社会でうまく立ち回ることも、お金を上手に扱うこともできないのです。「社会で通用する力」を向上させたい方は、是非とも最後までお付き合いください。
およそ14ヶ月にわたりたった1人で違法ドラッグをネット上で世界中に売りさばき、410万ユーロ(約5億3千万円)もの売上金をネット上に保管していたドイツ人男性男がいるのですが、逮捕された時点で19歳だったものですからドイツ国民は驚きました。
しかもドラックを仕入れて包装するという作業のほとんどすべてを、母親と一緒に暮らす自宅の一室でやっていたのです。取引量から考えると「組織犯罪に違いない」と考えていたドイツ警察も驚きました。
さて、事件の顛末もドラマティックで面白いのですが、わたしがもっとも興味深かったのは、逮捕された19歳の男性が「ドラッグ」にも「お金」にも無頓着だったことです。
わたしが19歳で5億円以上のお金を手に入れたら、まずは高級車や高級時計を手に入れて意中の女性を口説き、三ツ星ホテルでバカンスを楽しんでいたはずですが、逮捕された19歳の男性にとって大事なことはお金ではなく「事業の成長」だったのです。
そう。逮捕された19歳の男性にとって「ドラッグのオンライン販売」は、ゲームに熱中していることと一緒だったのです。
だから19歳の男性は、世界中から毎日数十件もやってくる依頼をこなすために、毎日3、4時間の睡眠しかとらず、毎日レトルトのボロネーゼパスタを食べて、頭がおかしくなりそうになりながらも仕事に没頭していたのです。
なぜこんな話をしているのかといえば、「お金がほしい」と思っている人でも「それほど欲しくない」ことを知っているからです。お金で買えるものはあくまでも「道具」なのであって、満足感はお金では買えないのです。
事実、わたしは自称「お金好き」にたくさん出会ってきましたが、「そこそこ」お金を稼いだら満足することがほとんどです。例えば「月に100万円ほしい」と熱く語っていた人でも、月に80万円ほどの収入を手に入れたら「もういいや」となってしまうことも珍しくありません。
そもそも『本当に』お金が好きなのであれば、もうとっくにお金を手に入れているはずなのです。例えば童貞を捨てたい男の子は「童貞を大事にしたいから、定年後に捨てよう」とは考えないでしょうし、今すぐ手に入れたいバックがある女の子は「安くなるかもしれないから、あと数年待ってみよう。」とは考えないでしょう。
もし本当にお金がほしいなら、睡眠時間3、4時間でも文句はいわないでしょうし、知識がないからとか、若くないから(もう歳だから)とか、サラリーマン(専業主婦)だからとか、言い訳にもならない言い訳をしてやらないことを正当化する・・・なんてこともしないはずなのです。
そう。もしあなたが毎日なんとなく不満で、将来に漠然とした不安を抱えているのであれば、それら不満や不安の本当の原因は「自分が何をしたら満足できるのか?」ということがわからないこと、にあるのです。
逆に「自分が何をしたら満足できるのか?」ということがわかっていたら人生はとてもシンプルになります。例えば・・・・
18歳で司法試験に合格した大槻凜さんは、「何時間勉強した?」と友達からよく質問されるそうです。大槻凜さんの答えは「よくわからない」です。
なぜ何時間勉強したのかよくわからないのかといえば、「何時間勉強したかわからないぐらい勉強したし、スキマ時間も工夫したから」です。そもそもなぜ自分でもよくわからないぐらい頑張れたのでしょうか?
大槻凜さんは、中学1年の秋に課外授業で刑事裁判の傍聴をしたことがきっかけで、裁判の傍聴にハマりました。次第に「将来は法律家になりたい」という自分の気持ちに気づいてから司法試験の対策に没頭したそうです。
そう。「やりたいこと」があれば「勉強しろ!!!」と親や教師から尻を叩かれなくても勉強するのです。とはいえあなたが大人であれば、子どものように素直に「やりたいことをやればいい」と割り切れない気持ちになるのもわかります。
大人になるまでの過程でいろいろなことを経験するうちに、次第に自分のやりたいことを忘れるだけでなく、自分のことを信じられない気持ちが強くなってしまうのです。だから「やりたいことなんてよくわからない」し、「それが出来ると信じることもできない」という状況から抜け出すことができなくなってしまうのです。
どうすれば「自分のやりたいこと」を設定し、「自分にはできる」と信じることができるのでしょうか?
19歳の麻薬王がドラックのオンライン販売にハマったのは、違法薬物を販売している現実のウェブサイトを発見して衝撃を受けたからです。
18歳で司法試験に合格した大槻凜さんが司法の世界にハマったのは、人間が法によって裁かれている現場を目の当たりにして衝撃を受けたからです。
あなたも「衝撃」を受ければ目が覚めるでしょう。目が覚めたあなたは「常識を超えたパワー」を発揮して、「絶対に無理だからやめておけ!!」と周囲が反対することでも成し遂げるでしょう。
19歳の麻薬王はウェブサイトのつくり方どころか、ドラッグの調達方法や加工する方法など、本当に右も左もわからないところから「ドラッグのオンライン販売」をはじめて大成功(?)しました。
18歳で司法試験に合格した大槻凜さんは、司法試験合格のために伊藤塾に入塾し、大人に混じって勉強をスタートさせ「最年少合格」という結果をつかみました。
しかし・・・・残念ながら・・・・あなたの目を覚ます「衝撃」がどこにあるか誰にもわからないのです。あなたの目を覚ます「衝撃」は、ある日突然、あなたに降りかかるものであり、「計画的に経験する」ことを期待できないのです。
一体全体、どうすれば自分で自分の目を覚ますことができるというのでしょうか?
「わたしを奮起させる大事件がいつか起こらないかな・・・」などと期待するのはリスキーです。人生は短いのです。「何か」を探しているうちに人生が終わる・・・・というのでは話になりません。
どうすれば「衝撃を受ける」という偶然に期待することなく・・・・・「自分の殻」を破ることができるでしょうか?
実は・・・・・わたしが死ぬほど悩んでも一生解決策を見つけられないかもしれない問題の答えは、2,500年前の哲学者がすでに答えを出しているのです。哲学者の名前は「プラトン」です。プラトンはソクラテスの弟子であり、アリストテレスの師匠にあたる人物です。
プラントンが提示した解決策はズバリ・・・・「自己陶冶」(じことうや)です。自己陶冶とは、弱気になりがちな自分たちを相互に超克(ちょうこく:困難を乗り越えること)することです。
自己陶冶というドイツ語の日本語訳は「教養」です。つまり教養を深めて「自分の常識」を破壊することで、「自分の殻をやぶる」ことを狙うわけです。例えば・・・・
以前、多重債務で苦しんでいるのに「借りたお金は返さないとダメ。絶対。」と考えていた田中さん(仮名)が、お金が誕生するカラクリ(参考:お金の出生秘話)を理解してすぐに「任意整理」に踏み切りました。
なぜ多重債務で苦しんでいた田中さん(仮名)がすぐに行動を変えたのかといえば、「そもそも自分は、お金を借りていたのではない」ということに気づくことができたからです。
ほんの少しの気づきが人生を変えるということは本当にあるのです。事実、もし田中さん(仮名)がお金のカラクリを知らなければ、サラ金などで本当にお金を「借りて」しまって、もっと悲惨なことになっていたかもしれないのです。
もちろん「ほんの少しの気づき」を得るという体験は、「衝撃を受ける」という体験に比べればちょっと弱いです。しかし・・・・「ほんの少しの気づき」もちりも積もれば山となるのです。「ほんの少しの気づき」は、少しずつ・・・しかし確実に・・・あなたの殻をやぶるのです。
わたしの運営するオンラインコーチングプログラムでは、「ほんの少しの気づき」をシャワーのように浴びてもらいます。オンラインコーチングプログラムに加入したら最後、マジメに取り組めば少しずつあなたの心に変化が生まれ、気づいたときには・・・・・あなたはあなたの手で人生を変えたい衝動に突き動かされているはずです。
(続く)