結果の創り方

優秀な人の定義が「結果を出せること」であるならば、あなたも結果を出せば『優秀な人』の仲間入りができます。

そして結果を出してなおかつ「他人から認められる」ことができれば、あなたは『成功者』と認められるのです。例えば「東京五輪で金メダル」という結果を出せば間違いなく『成功者』として認められるでしょう。

また「他人から認められる」という条件が達成できなくても結果さえ出せれば、あなたは『幸せな人』になれます。例えば朝の誰もいない公園でひとりで武術のトレーニングをしている最中に何かを発見すれば、自分で自分のことを『幸せな人』だと感じるでしょう。

結果にこだわる

いずれにしても「結果を出すこと」が、『成功者』や『幸せな人』になる条件です。だからわたしは何がなんでも「結果を出すこと」にこだわってきました。

とはいえ結果を出すにはコストがかかります。そして人生の時間は無限ではありません。だから「心の底から望む結果」以外には興味がありません。例えば学生時代のわたしは「外資系経営コンサルタント」として出世して高給取りになる・・・という人生を熱望していたのですが、「これじゃない」と気づいた瞬間に自らの手でキャリアを終わらせました。

また「心の底から望む結果」を出したいからといって、「がむしゃらに頑張れば結果がでる」などと勘違いして貴重な人生の時間をドブに捨てたくはありません。だから自然法則や社会法則といったものにも興味をもって、自分の興味のある分野の勉強をコツコツと続けてきました。

結果を出してほしい

あなたにも「結果を出してほしい」という願いから執筆したのが「未来記憶の創り方」というレポートです。自分バージョンのCMの必要性や、自然法則や社会法則を無視して時間を無駄にするなというメッセージを届けたつもりです。

しかし「未来記憶の創り方」では、結果を出すプロセスの全体像を描写するという目的にフォーカスしたため、自分バージョンのCMをつくることがなぜ結果に結びつくのか?という点について詳しく説明することができませんでした。

そこで今回のレポート「結果の創り方」では、結果を出す上で最重要となるアイディアについてあなたにこっそり伝授したいと思います。それでは早速とっておきの話からはじめましょう!!!

空手家バカ一代

昭和の時代にテレビ番組や漫画『空手家バカ一代』で有名になった大山倍達(おおやま ますたつ)氏は、空手初といわれる数々の実績を残した人物です。

例えば『牛を素手で倒す』などの実績がありますし、『ビール瓶の首にあたる部分を手刀でスパッとはねる』などの技をはじめて公開したのも大山倍達氏の実績です。

大山倍達氏はビール瓶割りの技をどうやって身につけたのでしょうか?

大山倍達氏が20代半ばの頃、東京・新宿で飲んでいるときにヤクザの集団ともめごとが起こりました。機先(きせん)を制することが一番だと考えた大山倍達氏は、ビール瓶を思い切り叩き、ヤクザものたちを一喝したのです。

大山倍達氏のあまりの剣幕にヤクザものたちも矛を収めその場は事なきを得たのですが、大山倍達氏はとり散らかったコップや酒瓶のなかに、首の部分が何かで切り落とされたようにスパッととれているビール瓶を発見しました。

その時大山倍達氏は「空手でビール瓶の首をはねることができる」と思い立ったのです。そしてこのエピソードには後日談があります。

内緒の話

大山倍達氏はその後、ビール瓶割りを再現しようと修練に励んだのですが、ビールのガラス瓶はなかなか思うようには割れてはくれません。

そこで大山倍達氏が弟子たちの前でデモンストレーションする際には、あらかじめビール瓶にキズをつけて、あたかも手刀の一撃でスパッと割れたように見せていたというのです。

もちろんキズがついていたとしてもガラス瓶の首をスパッと割るなんてことは誰にでもできることではないのですが、面白いのは「内緒の話」ではなく、弟子たちの反応のほうです。

大山倍達氏がビール瓶の首を手刀でスパッと割るデモンストレーションを目撃した弟子たちは、これぞ空手の真髄だと驚き「極真空手にはそれができる」と信じたのです。

するとなんと・・・弟子たちは手刀の一撃によって、何の細工も加えていないビール瓶の首を、本当にスパッと落とせるようになってしまったのです!!!

結果のエッセンス

大山倍達氏のエピソードで伝えたかったことは、あなたが結果を出したいなら「現実に自分にできる」と確信することが重要だということです。

「現実に自分にできる」は、「現実に(できる)」+「自分に(できる)」と分解できます。「現実に実現できる」と確信できないものはやろうと思わないでしょう。また現実に実現できるとしても「自分にできる」と思えなければ最初から挑戦しないでしょう。

つまり「現実に自分にできる」と確信するからこそ挑戦するのであり、「現実に自分にできる」という確信の度合いが強ければ強いほどコスト(お金や時間)をかけることができるので実現する可能性も高まるのです。

例えば勉強して偏差値をあげて「いい大学に入る」ことは、現実にできることだとしても「自分にできる」という確信が弱ければ、ちょっと勉強して結果がでなければ諦めるでしょう。

また副業で「お金を稼げる」のは現実にできることだしても「自分にできる」という確信が弱ければ、ちょっと努力してダメなら諦めるでしょう。

さらに「憧れのあの人と付き合う」のは現実に可能性があることだとしても「自分にはできる」という確信が弱ければ、最初から口説こうともしないでしょう。

そう。もしあなたが「結果を出したい」と心から願うなら、「現実に自分にできる」という確信を強めることが鍵になるのです。ではどうすれば「現実に自分にできる」という確信を強めることができるのでしょうか?

強烈な体験

「現実に自分にできる」という確信を強めるために、「自分にはできる、自分にはできる」とつぶやいてもあまり意味がなさそうなことは誰でもわかるでしょう。

そう。残念ながら、どんな言葉であっても誰からの言葉であっても、嗜好・志向・行動などを変更することはかなり難しいのです。

しかし例外もあります。それは「強烈な体験」です。

例えば「子どもの時、医師に命を救ってもらった。自分も他人の命を救う医者になる。」、「はじめて好きになった人から、デブは恋愛の対象外と宣告された。自分をフッたあの人を見返すために絶対に痩せる。」、「子どもの頃からずっと貧乏で大人になってもお金の問題に悩まされ続けた。だからお金持ちになる。」とか。

強烈な体験を伴う固い決意があれば、人は自らの行動を変えることができます。さきほど紹介した、強烈な体験を伴う「医者になる」、「痩せる」、「お金持ちになる」という意志は、強烈な体験を伴わない「医師になりたい」、「痩せたい」、「お金持ちになりたい」という意志とは異なるのです。

とはいえ「強烈な体験」が都合よく向こうからやってきてくれるとは限りません。そこで『強烈な体験』を自らの手で創るのです。そう。『未来記憶の創り方』で紹介した「自分バージョンのCM」の登場です。

ホメオスタシス

あなたは以前のレポート「未来記憶の創り方」で紹介した「自分バージョンのCMをつくる作業」をやってみたでしょうか?

おそらくほとんどの人はやっていないはずです。その理由はおそらく「自分バージョンのCMに、なぜ効果があるかわからないから」ではないでしょうか?

そこで自分バージョンのCMに効果がある理由を、簡単に説明しておきたいと思います。

人間にはホメオスタシスの機能がそなわっています。ホメオスタシスとは「身体の外から受ける環境や内部の変化にかかわらず、身体の状態(体温・血糖・免疫)を一定に保つこと」です。

例えば、体温が熱くなれば汗をかく、水分が失われたらのどが渇く、風邪をひいてもしばらく時間が経過すれば自然と治るのは、ホメオスタシスの働きによります。そしてここからが重要なのですが、実は・・・・

高度に発達した間の脳は、物理空間だけでなく情報空間にもホメオスタシスを働かせるのです。どういうことでしょうか?

現実とは何か

実は人間の脳は、物理空間だけでなく情報空間の世界も『現実』と認識しているのです。

例えばドラマを観て感動して涙がでたり、ホラー映画を観ていて冷や汗がでたりするのも、あなたの脳がドラマや映画という情報空間の世界に臨場感をもっている(『現実』と認識している)なによりの証拠なのです。

また「オレオレ詐欺」に騙される理由は、電話越しに「オレオレ」と名乗る人物を「自分の息子」だと信じるからです。

例えば、息子が電車で痴漢をやって捕まった、息子が勤め先の重要書類を紛失した、息子が営業中に交通事故を起こした・・・等々の「情報」を『現実』と認識した父親や母親は、「あなたがお金を払えば丸くおさまる」と囁かれたら、なんとしてでも息子を助けようとするでしょう。

そう。人間は情報空間の世界を『現実』と認識するのであり、ホメオスタシスの働きにより、その『現実』をなんとしてでも実現しようとするのです。

例えば大山倍達氏の弟子は、「ビール瓶の首を手刀でスパッと割る」ことを『現実』と認識し、その『現実』をなんとしてでも実現するためにキビシイ修行に邁進したのでした。

またオレオレ詐欺の被害者は、「お金を支払えば息子が助かる」ことを『現実』と認識し、その『現実』をなんとしてでも実現しようと必死に金を工面するのです。

無意識を味方に

ここまでの内容をまとめておきましょう。

結果を出すためには「現実に自分にできる」と信じることが重要です。そして「現実に自分にできる」と信じたくなる『現実』は自分の手でつくることができるのです。

なぜならば高度に発達した人間の脳は、物理空間の世界も情報空間の世界も同じく『現実』だと認識するからです。そして『現実』と認識した世界にホメオスタシスは働きます。

ホメオスタシスの働きは意識でコントロールすることができませんが、味方することができればとても心強い存在になります。「心臓よ動け!」と念じなくても心臓が動くのと同様に、「頑張らなければいけない」と意識しなくてもあなたの無意識が『現実』を実現しようと働くからです。

つまりあなたが結果を出すための秘訣は「現実に自分にできる」という確信にあるわけですが、その確信を意図的につくるためには「情報空間の世界にリアリティー(臨場感)」を持てるか?が鍵となるわけです。

変性意識状態

自分バージョンのCMをつくる作業は、コーチングの世界では「ゴール設定」という用語で解説されることが多いのですが、もちろん「やればいい」というわけではありません。

現状の延長線上にある未来ではなく、ゴールを達成している未来にホメオスタシスを働かせることが「自分バージョンのCMをつくる作業」の目的なのであって、そのためのテクニックはいろいろあります。

そして実は「情報空間の世界にリアリティー(臨場感)」を持っている状態のことを「変性意識状態」といいます。つまり言葉を変えれば、いかに変性意識状態になることができるかが結果を出すための秘訣になるわけです。

変性意識状態になるといわゆる「火事場のバカ力」、あるいはゾーンなどといった、いつもとは違ったとんでもない力を発揮しやすくなります。

とはいっても難しく考える必要はありません。翌日が休みだというだけで「今日だけは頑張ろう」となんだかパワーがでてくることってありませんか?そう。「翌日は休み」という情報が人の気持ちを本当に変えてしまうのです。

「翌日」を『遠い未来』、「休み」を『絶対に実現したいこと』に変換したものが自分バージョンのCMをつくる作業であると考えると理解しやすくなるのではないでしょうか。

ぬるま湯から脱出

結果を出すためには「現実に自分にできる」と確信することにより、ホメオスタシスを働かせることが重要であることを説明してきました。しかしそもそもなぜ?ホメオスタシスの働きにこだわるのでしょうか?

それはすでにあなたにホメオスタシスが働いているからです。とはいえあなたに働いているホメオスタシスは「現状維持」のために働いているのであって、「結果を出すため」に働いているとは限らないのです。

例えば「あなたはビール瓶の首を手刀でスパッと割ることができますよ?」といわれてもあなたは信じることができないでしょう。「もう歳だしな」とか、「わたしは女だし」とか、「そもそも空手に興味がない」など、いろんな言い訳が思いつくはずです。

そう。たくさん思いつく「言い訳」こそが、今のあなたの「わたしはこの程度の人間です」というような『現実』を形作っているのです。

例えば「自分は男(女)で、どこの学校を出て、どんな仕事をしていて、年収はいくらで、自由に使えるお金はいくらで、何が得意で、何が不得意で、何が好きで、何が嫌いで、親はどんな仕事をしていて」といった『現実』が、あなたを縛りつけているのです。

だから「わたしはこの程度の人間です」という『現実』を変えない限り、あなたが現状維持というぬるま湯から抜け出すことは難しい・・・というわけなのです。

痩せたほうがいい、貯金した方がいい、投資について勉強したほうがいい、副業したほうがいい、親孝行したほうがいい、など「やったほうがいいこと」はたくさん思いつくのに、結局のところほとんど何もやっていないという状態に心当たりがあるのであれば、ホメオスタシスの作用するベクトルを変えるというアイディアを真剣に検討することをおススメします。

コンフォートゾーン

今のあなたが『現実』だと思っている居心地のいい世界のことを、コーチング用語で『コンフォートゾーン』といいます。そしてコーチングの目的はコンフォートゾーンをズラスことにあります。

例えば「体重100kgくらい」の人のコンフォートゾーンが「体重80kgくらい」になると、ホメオスタシスの働きにより体重100kgの自分に居心地が悪くなり、なんとしてでも痩せて体重80kgに近づこうとします。

もしコンフォートゾーンをズラさない状態で痩せようとするとどうなるでしょうか?

答え:コンフォートゾーンが「体重100kgくらいの自分」ができる範囲のなかでできることを探します。つまり居心地のいいぬるま湯のなかから抜け出そうとせずに「体重80kgくらい」を目指すわけです。その結果はどうなるでしょうか?

答え:高い確率で失敗します。なぜならば「体重100kgくらいの自分」を維持するホメオスタシスの働きにより、「体重100kgくらいの自分」が否定されることなく肯定され続けるからです。

例えば体重が100kgから少しずつ減っていくことはダイエットの成功であり喜ばしいことであるはずなのに、「急に痩せるのは健康によくないのではないか?」、「明日は大事な用事があるから多めにカロリーをとっておかないと」などと「痩せなくてもいい理由」をクリエイティブに思いつくようになってしまうのです。

人間の脳はとてもクリエイティブです。あなたのクリエイティブな力をどのように発揮するかは、あなたのコンフォートゾーン次第なのです。

最後に

ほとんどの人が自分の能力を自分で「このぐらい」と決めています。なぜ「このくらい」と決めつけているのかといえば、学校教育や、親からの教育や、過去の自分の経験によって「これ以上は無理」と実感するようになるからです。

しかしそれは本当でしょうか?

そもそも親や教師はあなたの能力の限界をどうやって知ったのでしょうか?時代の変化が早い現代社会において、過去のあなたの経験は本当に未来にも役立つのでしょうか?

あなたの能力の限界はあなたのイマジネーションの限界です。本レポートでは自分バージョンのCMをつくる作業になぜ効果があるのか?という疑問に明確に回答しました。自分バージョンのCMをつくる作業を実践する上でもっとも大切なことは、この疑問に答えることだと思ったからです。

あとは体験です。自分バージョンのCMをつくると、たくさんいいことがあります。例えば、目の前にあったのに思わぬヒントに気づくことができたり、他人のネガティブな言葉に悪影響を受けなくなったり、自分が思っている以上に早く目標を達成できたりします。

あなたが結果を量産し続けることを願っています。それではまたどこかでお会いしましょう!!!